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【粉飾決算】オリンパス事件を振り返る

※1分間で読める600文字以内でお伝えします。

2011年に発覚したオリンパスの粉飾決算事件。同事件は、不正を追及しようとしたウッドフォード元社長が、取締役会の全会一致で解任されるなど一大スキャンダルに発展しました。

はじまりは財テク

オリンパス事件の発端は、80年代の業績低迷にありました。それを補う為に、オリンパスは資産運用に目を付けます。本業の不振を「財テク」でカバーしようとしたわけです。

ところが、バブル崩壊によりオリンパスは保有する金融商品に約1000億円もの含み損を抱えることになります。財テクが裏目に出たわけです。

簿外ファンドで損失隠し

オリンパス経営陣は、簿外ファンドを使って投資失敗の隠蔽を画策しました。連結対象外のファンドを設立し、銀行から融資を受けさせた上で、含み損を抱えた金融商品を簿価で買い取らせたのです。

これにより、オリンパスの財務諸表はクリーンになる算段でした。

架空の「のれん代」

ところが、一つ問題が残ります。簿外ファンドの借入返済です。何らかの形でオリンパスからファンドにカネを入れなければならなかったのです。

そこでオリンパスが使ったのはM&Aでした。簿外ファンドが国内ベンチャー企業を安価で買収し、それをオリンパスが高額で買い取るというスキームです。それは、債務超過の3社を計700億で買収する異様なものでした。

こうして生まれた「架空ののれん代」を10年で償却することにより、事態を秘密裏に収束させることを狙ったのです。

今回は以上です。

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