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コクヨとプラスの「ぺんてる買収戦争」の発端はお家騒動にあった

2019年の11月、文具業界最大手のコクヨが業界4位のぺんてるに対し敵対的買収を仕掛けたことがニュースになりました。ぺんてる経営陣はコクヨの買収に反対を表明し、業界2位のプラスに救済を求める事態に発展しました。

最終的には、コクヨ側の敗北に終わりました。コクヨはぺんてる株の過半数の取得を目指していましたが、結果的に約46%の保有に留まりました。コクヨ側は、今後敵対的な買い増しはしないことを表明しました。

そもそもコクヨとぺんてるの関係は?

敵対的買収を仕掛ける以前から、コクヨはぺんてる株の37.8%を握っていました。そもそも両者はどういった関係だったのでしょうか。それは、ぺんてるのお家騒動から始まっています。

2012年、ぺんてるでは創業家の社長が解任されるクーデターが発生しました。当時の社長だった堀江圭馬氏と大株主の叔母との確執が表面化し、堀江氏は取締役会で社長を解任されます。

コクヨはファンドからぺんてる株を取得

ぺんてるのお家騒動はプロキシーファイトにも発展したものの、最終的には堀江氏がぺんてる株の約4割を第三者のマーキュリアインベストメントファンドに売却する形で決着します。

そして2019年5月に、コクヨはマーキュリアの大口出資者になることにより、ぺんてる株の約4割を間接保有することに成功します。その後、同年9月にコクヨはこれを直接出資に切り替えることになったのです。

コクヨは10日、筆記用具大手のぺんてるに出資したと発表した。ぺんてるの発行済み株式の37%を持つ投資ファンドを通じ、間接的に株を保有する。

ぺんてるの筆頭株主は東証1部上場の投資会社、マーキュリアインベストメントが運営するファンドだ。コクヨはこのファンドの大口出資者となり、事実上の筆頭株主となる。出資額は101億円。

ぺんてるは当初からコクヨの出資に反発してきましたが、元を辿るとぺんてるの「お家騒動」がコクヨの株式保有を許すことに繋がったというわけです。

今回は以上です。

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