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【MUJIGRAM】無印良品に学ぶ優れたマニュアル3つのポイント

無印良品は、「MUJIGRAM」という店舗オペレーションマニュアルを活用してあらゆる業務の標準化に取り組み続けています。その経緯は、良品計画元会長の松井忠三氏の下記の著作に詳しく書かれています。

MUJIGRAMの目的をヒトコトでいえば「個人の頭の中のノウハウを組織に蓄積させる」ということです。今回は優れたマニュアルのポイントを3点に整理してお伝えします。

1.新入社員でも理解できるほど具体的である

一つ目のポイントは、新入社員でも分かるぐらい具体的であることです。

MUJIGRAMでは、専門用語や解釈の分かれるコトバの定義づけを徹底しているそうです。例えば、「商品を整然と並べる」と書いても、「整然と」の解釈は人によってバラつきが生まれます。

そこでMUJIGRAMでは、整然とはなにか?を明文化し、解釈のズレをなくしています。具体的には、整然=フェイスUP(タグのついている面を正面に向ける)、商品の向き(カップなどの持ち手の向きをそろえる)、ライン、間隔がそろっていること」と定義づけています。

このようにコトバの定義を明確にすることで、誰でも同じ判断軸で仕事を進められるようにしているわけです。仕事の引継ぎもスムーズになります。

2.作業の目的が明確である

二つ目のポイントは、作業の目的が明確になっていることです。

MUJIGRAMには、各ページの冒頭に必ず「なぜその作業が必要なのか?」が明記されています。目的を明確にすることで、ただ目の前の作業をこなすのではなく、改善点が見えてくることも考えられます。

また、マニュアルに目的を明記することにより、業務の見直しにもつながります。これまで惰性で続けてきたような作業についても、「そもそも本当に必要なのか?もっといい方法があるのでは?」と見直すキッカケにもなり得るわけです。

3.絶えず更新され続ける

三つ目のポイントは、絶えず更新され続けることです。

松井氏は「マニュアルに完成はない。どんなに一生懸命作っても、できた時点から内容の陳腐化が始まる」と説いています。ですから、リアルタイムに更新されていくことが重要なのです。

良品計画ではマニュアルを統括する部門を作って、マニュアルの改善に随時対応できる体制をとっています。これにより、MUJIGRAMは毎月更新されているそうです。

また、現場からの改善提案も常に受け付けており、ある年には、現場から2万件の改善提案があり、443件が採用され、MUJIGRAM化されたそうです。採用率でいえば2.2%ですね。

このように仕事が停滞せず、常に動いている状態を松井氏は「血が通う」と表現しています。マニュアルは無印良品にとっての血管である、とも。

あらゆる業務を標準化し、ノウハウを組織に蓄積させていく姿勢に学ぶべきところが大いにありました。

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