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山羊を曳いて&曳かれて

子供の頃、近所に山羊を飼う家がありました。小学校の低学年ぐらいまでだったか。戦後のバラック建て家屋が土手に沿ってまだわずかに残っていた辺りでした。その場所を通りかかるといつも、山羊は土手の斜面に生えた草を食んでいましたが、ひどく痩せていました。
── それは、童話に出てくるヒゲを生やした山羊の爺さんというイメージにぴったりなほどに。

話は変わり、昨日、夏季休暇をとった娘一家と信州長和町の『鷹山ファミリー牧場』に行きました。

標高1,300 mということですが、日差しが強くてやっぱり暑い!

この牧場には、乗馬、牛乳絞り、魚つかみなどの参加型アクティビティーがあります。
以前は山羊の餌を売っていて、柵越しに餌やりができたとのことですが、今はさらに一歩進めて(といっていいのでしょう…)『やぎさんぽ(770円)』ができるそうです。
山羊の首輪に付けたヒモを持って柵から連れ出し、その辺り一面のシロツメクサなどを食べさせるわけです。これも『餌やり』ではありますが、より自然な姿といえるかもしれません。

柵の中の山羊さんたち

上の写真ではよくわかりませんが、山羊さんたち、お腹の部分が横に大きく膨らんでいます。草食動物で消化効率がよくないから大量に草を食べた結果、あんなに膨れているのだろうか? 確かに馬もけっこう膨れていますね。
でも、子供の頃に近所で見た山羊はかなり痩せていました。
いつからあんなに丸々と太っているのだろう?
山羊も飽食の時代を生きているのだろうか?

その日宿泊したのは山梨側、小淵沢町のホテル。ここも標高1000 mが売りですが、もうひとつ、敷地内に山羊の一家(?)を飼っています。
「ホテルでできるからいいじゃん」
ということで牧場では山羊との散歩はしなかったようなので、ここではホテルの庭で係のお兄さんからリードを受け取ります。子山羊だけは首輪がなく、自由に走り回ります。
ここの山羊も、オトナ山羊はお腹が横に大きく突き出していましたね。
「オマエもだろ!」
と言われそうなのでここまでにしておきますが、他の強面こわもて山羊との競争もなく、ふんだんに食事ができるのでしょう。

ホテルの庭の山羊さん一家

そういえばその昔、17歳でデビューしたカルメン・マキが『時には母のない子のように』に続いて、この歌をヒットさせました:

不思議な歌詞でした。当時のヒッピー文化とシンクロしていたのでしょう。
ただ、昨日、山羊のリードを曳く様子を見ていると、実際は、山羊は自分の食べたい草の方向に連れていくのみ ── まさに『山羊にひかれて』行く先は遥かな国などでなく、美味しそうなクローバーが群生している豊かな草地でしょう。
実際に小さな幼児が大きな山羊に無理やり引きずられて行くのを見ながらそう確信しました。

カルメン・マキは20歳を前にしてジャニス・ジョプリンを聴いて”目覚め”、ロックに転向します。そして私の大好きな曲『私は風』を『カルメン・マキ&OZ』としてアルバム中でリリースします:

高校時代、『名古屋飛ばし』の地に住んでいたこともあり、プロのライブは2回しか行っていないと思いますが、最初が1年の時の吉田拓郎、次がカルメン・マキ&OZでしたね。生で聴いたカルメン・マキの『私は風』の迫力はすさまじかった!

彼女が影響を受けたというジャニスも大好きです。
こちらにも敬意を表して:

ちなみに、このホテルはいわゆる『All Inclusive』なので、飲み物はどれだけ飲んでもフリー;到着していきなり(まだチェックイン時間前なのに)生ビールを3杯飲み、夕食時は黒ビールとワインを飲み、……山羊さんの体形のことはもう言えませんね……。

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