札幌に「俊カフェ」ができてから (1)

3月末、俊カフェオープンまでのことを綴らせていただきました。

その後、コロナ禍で活動自粛要請が出たり、あちこちの店が閉まり、イベントなどもどんどん中止、延期となっていきました。

店を開けられないなら、店の中がわかるものを…と思い、通販サイトを開設しました。店の休業中も注文への対応をしたり、編集の仕事をしたり、ここを乗り越えるための資金繰りに奔走したりもして、気づくと5月も後半となってしまいました。

noteでは「札幌に、なぜ俊カフェができたのか」を書ければと思いスタートしたので、オープン日まで書いたところで目的は達成したのですが(笑)、かなり尻切れとんぼな状態になっていましたので、ここからは「札幌に「俊カフェ」ができてから」と題して、オープンしてから今に至るまでの俊カフェでの出来事を、いくつかピックアップして綴っていこうと思います。

俊カフェは、谷川俊太郎さんの詩や音楽、グッズなど表現の場を選ばない多種多様な作品を見ていただきたいと思ってオープンしました。なので、店内には閲覧用の本、音楽を聴けるiPod、そして販売用のグッズを並べました。そのため「イベントをやる」ということは、当初は頭にありませんでした(そこまでイメージする余裕がなかった…という方が正しいです)。

そんな中、ひょんな会話から、朗読家の兎ゆうさんが俊太郎さんの詩を読み解く「絵本と詩の朗読会」を毎月俊カフェで開いてくださることが決まりました。兎ゆうさんは、2016年2月よりスタートした札幌ポエムファクトリー(ポエムピース松崎氏を講師にお迎えした詩の講座)のメンバーの一人。勉強家で読書家の彼女は、毎月1時間のこの朗読会のために、何週間も前から下調べをし、しっかりとした台本の土台を作り、ご自身の朗読や解説とともに、私が解説する時間も設けてくれました。

私はどんなに俊太郎さんの作品が好きでも、そこにまつわるエピソードが頭に入っているわけではないので、毎月のこの台本作りは私にとっても俊太郎さんの作品理解(私なりの…)を深めていく、とてもいい時間となりました。彼女の明るさもあり、この毎月の朗読会で俊カフェの常連さんが増えたことは言うまでもありません(続く)。

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