J3 第4節 レビュー【テゲバジャーロ宮崎 vs 鹿児島ユナイテッドFC】REMEMBER10.17
2022.4.3 J3 第4節
テゲバジャーロ宮崎 vs 鹿児島ユナイテッドFC
こんにちは。
今回もご覧いただきありがとうございます。
今節のお相手は宮崎。
写真は高千穂牧場を選びました。安易。
そして、今節はとやかく言いません。
REMEMBER10.17でございます。あの悔しさを晴らす時なのです。早速振り返っていきますよ。
スターティングメンバー
雑感
宮崎の異変
宮崎は前節までとは少し違う振る舞いに見えました。
まずはWG。前節はWGが相手CBまで出て行って、積極的に前プレに挑んでいましたが、今節は撤退する傾向が強かったように感じました。というのもWG裏のスペースは、攻→守の切り替え時にIH等が埋める作業が間に合わず前進される隙があったのです。なので、4-5-1で構えるような形になっていました。
また、宮崎のボール保持については、積極的に鹿児島SB裏を狙ってきていました。かなり前まで上がるSB裏をロングボールを駆使した速い展開で狙っていくのは、鹿児島に対するスカウティング通りだと思います。
あくまでリスク管理を徹底した上で前進するイメージがあった宮崎が、スカウティング通りといえオープンな展開を仕掛けて来るのは個人的には意外でした。そこは今節のスカウティングだけでなく、宮崎のチーム内で去年の振り返りをした時に方針を修正していっているのかもしれませんね。
一方、宮崎が繋いで前進しようとする場面もありました。
この時、ロメロは7番千布をマンマーク。ボール循環のハブになる7番千布はなかなか上手くボールを処理出来ない時間が続きます。
そのため、宮崎IHが降りてフォローに来る場面も多く、WGが中に入りSBを押し上げた2-4-3-1(7番千布がCB間に降りて3-3-3-1)様の陣形が多くなっていました。
この時も、WGやIHが降りて鹿児島の選手を引きつけ→空いた裏のスペースに縦パス、と言う場面が続いていたので、あくまで速い展開を志した上でのボール保持だったのかなと思っています。
一方の鹿児島も、前線まで上がって来る宮崎SB裏は狙いたいわけです。両者の思惑が同じような部分であったため試合展開はスピーディーとなり、序盤はトランジションでWGやSBが絡んで多数のチャンスを作れた展開になりました。そこにダービー特有の精神面、雰囲気も加わりエキサイティングな試合でしたね。
SBの位置と本領
30分頃からでしょうか。
宮崎は積極的に大外から攻撃参加していた左SBの48番新保が下がり、3バック化してビルドアップをしてきました。これにより、7番千布が最終ラインに入ることは無くなったと共に、IHのポジショニングも過剰に落ちることがなくなったことで宮崎のボール保持が安定します。
また宮崎のビルドアップ完了後、前線で崩しにかかっている時もDHの位置に陣取り、トランジションに備えていました。偽SBの利点の一つですね。こうなったら、宮崎はボール保持の本領発揮が出来ます。実際、WG・IH・SBのサイドのチェーンの流動性がスムーズで、上手く前進されました。IHが大外に流れるパターンは特に捕まえきれず、苦労した印象です。
なんにせよ、前半は宮崎にシュートチャンスも多く生まれ、上手く対応された印象で終わってしまいました。
前から出る宮崎とオープン合戦
後半に入り、宮崎は前プレを強めてきました。
CFが追えないボール逆サイドの鹿児島CBにはIHやWGが前進して対応、ボールサイドのWGは鹿児島SBを監視する形となりました。
この時、ボール逆サイドWGが鹿児島CBにチェックすると、WGのマーク担当となる鹿児島SBが空くことになりますが、どこを捨ててどこを得るか?という観点では合理的だったと思います。実際に鹿児島としても、何度か白坂などから空いたSBまで届けようとしていましたが、宮崎SBが出てきてカットされていました。
一方でそのように前進した結果、宮崎の2nd-3rdライン間にはスペースが広がり、鹿児島はそこを活用できることになります。大嶽監督の言う通り、アンカー脇でロメロや中原、SBがボールを受けて優位に立つことも出来ました。
ただ、後半に入って宮崎SBも前進を強めたため、得点チャンスを作れたのはやはりSB裏だったと思います。得点シーンも、ボールを奪ってから宮崎SB裏に走り込んだ星からの得点でしたね。あのスピードのクロスを流し込める有田も流石の技術でした。
鹿児島の思惑は変わらず、「空いたスペースをシンプルに」というところだったので、序盤と同じように宮崎の思惑と重なり合い、再度オープンな展開となりました。
またそうなると、必然的に体力は消耗され、加えて暑さもあったので選手交代も多数行われました。宮崎は3トップを総取り替えとIHを、鹿児島も有田と五領、中盤を取り替えて攻勢を図りました。
ただ投入が「スピードアップ」の目的ならば、圓道のプレーには疑問符を付けざるを得ません。サイドやトップ下でボールを持って、味方を待つため時間を掛けるプレーが多くなりました。
それは圓道の判断なのか、スタイル的に難しいのか、共通認識が持てていたのか、大嶽監督としては許容したのはわかりませんが、ちょっと聞いてみたいところではあります。
結果ゴラッソは食らいましたが、お互い交代は実らず、植田の言うように最後の精度が足りなかったため1-1での決着となりました。
あとがき
自分が思い描いた宮崎戦の展開にはならなかった今節。鹿児島の思惑はチームからこれまで発信してきた通りで理解出来ますが、宮崎がこのオープンな展開に踏み切った背景は知りたいですね。
そのオープンな状態で宮崎の構築を壊すには、もう一つ連続性が足りなかったのだと思います。特にトランジションを狙うのではあれば、よりシームレスな移行をしていきたいところです。
チームはよく闘ってくれたと思いますし、現在地の認識も出来ましたが、10.17をやり返すほどの圧倒は出来なかったというのも正直な感想です。次回の対戦までの進化を期待したいですね。
それでは、今回はこの辺で。
また次回もよろしくお願いします。
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