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J3 第12節 レビュー【FC岐阜 vs 鹿児島ユナイテッドFC】「首位」に対するモチベーションの大きさは計り知れないなと

2022.6.12 J3 第12節
FC岐阜 vs 鹿児島ユナイテッドFC

こんにちは。
ご覧いただき、ありがとうございます。
今回は岐阜戦です。
早速行きましょう。
よろしくお願いします。

スターティングメンバー

岐阜戦スターティングメンバー

雑感

CBの人選とビルドアップ

岐阜の最終ラインは6番岡村、26番小山、23番大西の3枚でした。
前節とは総取っ替えで挑んできた今節。
大きな違いは、ビルドアップ能力です。

前節の22番舩津・18番服部・5番ヘニキは、どちらかと言うと対人能力に優れた選手達です。おかげで前節は守備こそ固くなっていましたが、八戸の前プレに蹴ることが多くなる・DHの10番庄司か42番柏木が降りてきてヘルプすることが多くなっていました。

しかし今節は、CBの選手達で作れちゃいます。
鹿児島が前プレに行っても剥がせます。楔も差し込めます。
DHのヘルプも必要ありませんので、DH2人は中央の比較的高い位置でポジショニング出来ます。

鹿児島プレッシング隊としては、前に行ったら剥がされるし、ゲームを作れるDHを自由にしちゃうしで、良いとこありません。なので、今節はミドルプレスをメインに据えました。それでも前から行きたい勢も居て、意思統一が微妙かな?というシーンも多々。

また、岐阜の前線には45番ンドカ・51番石津なんかもいるので、ロングボールを簡単放っても収めてくれる体制も整っています。

ですので、ロングボールで裏のスペースを脅かしてビルドアップのスペースを確保、質を活かしてリンク・前進が出来ていた今節の岐阜でした。

(大嶽監督・試合後コメント)
ーー前半の課題について

前と後ろのバランスがちょっと悪かったのと、行き切るところと、少しステイして相手のボールを見ながら守備するところに、少し間延びした部分がありました。
そこが相手に突かれたところで、リズムが取れませんでした。
それでも最後はやられなかった部分があったので、そこの集中力はすごく高かったと思います。
2022明治安田生命J3リーグ第12節監督・選手コメント
(大嶽監督・試合後コメント)
ーー前半の展開における岐阜のプレーの影響について

自分たちが高いラインのところを突けなかったところと、風の影響もあったのか、そこが弱気というか受け身になった部分です。
裏返して相手の奥に自分たちが前向きに前進できなかったことの差だと思います。
もっとプレスをかけに行きたかったのですが、広い3バックに対して行き切るには前と後ろが間延びしてしまい、間を突かれました。
後半修正してコンパクトにできましたが、前半自分たちの守備からのリズムが取れなかったですし、攻撃もスイッチが入らなかったことが大きいです。
2022明治安田生命J3リーグ第12節監督・選手コメント

固める守備陣形

また、ビルドアップの得意なCB陣でしたが、逆に言うと対人能力は突出しているとは言い難い布陣でもあります。

そこで、前節はミドルブロックにて守備陣5-2-3+WBの縦スライド→4-3-3様で守っていたところを、今節は5バック維持・2ndラインの枚数確保→個々の対人能力を補うため、5-4-1を意識して守っていました。

これにはかなり苦労しました。

まず、鹿児島CBが思った以上に運んで2ndラインを操作出来ません。こちらから見ている以上にスペースが無かったのでしょうが、岐阜CFのかなり前方でボールを離してしまうプレーに終始していました。

今回のような5-4-1を如何に崩すかは永遠のテーマかとは思いますが、去年からビルドアップの粗に蓋をしてきたツケが回ってきた印象はありました。

特に今回、岐阜のビルドアップ隊の出来との比較となると、個々の質の物足りなさを実感させられてしまいます。

特にCBの2人については、これまで守備の質でもボール保持の質でも違いを見せてくれていましたが、上には上がいますね。伸び代しかないわ。

試合に話を戻すと、CBだけでの前進が厳しいので、木村が降りる仕様が主になります。

そうなると中原1人が残されますが、4枚の岐阜2ndラインの前ではボールを受け難いので、ロメロも落ちてくるようになりました。

岐阜側から見ると、鹿児島の中盤の選手が皆2ndライン前まで降りてきてくれて、前向きでプレッシングしやすい環境が整ってしまいます。そこで網に捕まり、ショートカウンターを喰らい、あわや…なシーンもありました。

これについて前半は、薩川が効果的に絡めていなかったかなと思います。いつも通りインナーに立っていましたが、状況を見た上で思い切ってロメロの定位置で受けたり、2ndライン脇に立って幅を広げたり…などの工夫があっても良かったなぁと思います。

とにかく中々上手く行かない鹿児島でしたが、構えた時の守備もいつも通り固かったとも思います。尤もそれは岐阜にも言えるのですが、一度遅らせて守備ブロックが形成されてしまえば、事故か個々・ユニットの質以外では簡単に得点出来ない状態だったと思います。

一回のチャンス

まぁ、その事故・個々の質から1-1になるわけですが。
失点は42番柏木と51番石津は見えていたかもしれませんが、あの人数の中で押し込まれたのは運が無かったと捉えるか、相手の質を褒めるしかないと思います。

得点も完全に引き込まれた後、米澤とのコンビネーションで抜け出した薩川のシュートはディフレクションでゴールに吸い込まれましたが、今節は入りゃ良かったんです。よくやってくれました。

そんな事故ばかりに頼っている場合じゃないので、鹿児島は「上がった岐阜WB裏」、岐阜は「鹿児島ブロックの外側」を狙いを持って攻めます。いずれもトランジションが軸になりました。

鹿児島目線で言うと、WB裏を取って、対人能力が高いとは言えない岐阜CBを晒すことでゴールに近づくという狙いでした。前半の米澤や、後半の圓道の決定機が好例ですね。

岐阜としては、鹿児島ブロックの外側をWBやシャドーが取って、ブロックを広げる・いずれかのサイドに寄らせて逆サイド大外を突く狙いがあったと思います。こちらは前半からWBに大きく展開していたことで窺えましたし、2失点目もこのパターンでしたね。

こういったチャンスはお互い多くはありませんでしたが、このワンチャンスを決め切れるかどうか質の部分で負けたとも取れます。

また、岐阜がWBに展開出来ていたことや、2失点目で逆サイド大外に岐阜の選手が2人いて30便宇賀神に決められてしまったことを鑑みると、トランジションで後手は踏んでいましたね。

それに関わらず、強度という点で岐阜に後手を踏んでいたのも事実かなと思います。ちょっと今シーズン、強度で上回られた記憶は無いですね。

(ロメロ選手・試合後コメント)
ーーこの試合で足りなかったところ

ちょっとした球際のところだったり、セカンドボール、ルーズボールは前半から負けていたところがあったので、そこが今日の敗因だと思います。
そこを切り替えてもっと厳しい練習をして、次の試合に臨みたいと思います。
2022明治安田生命J3リーグ第12節監督・選手コメント

単純な取り組みの結果というよりは、30番宇賀神がコメントしていた通り、「首位鹿児島にホームで勝つ」というモチベーションが岐阜にとってプラスに働いていたのではないかと思います。

首位にに立つと、相手もそういったモチベーションで挑んできます。それを跳ね返す、それもこれからの暑い時期に。と考えると、やはり強度を担保出来る体制作りは、現メンバーの成長や補強も含め必要になってきそうです。

あとがき

というわけで、1-2で敗れ、シーズン2敗目を喫しました。

何度でも言いますが、戦略面(フロントレベル)では圧倒しています。開幕戦で見た、田中・ンドカ・石津で前線を渋滞させながらも叩き割ろうとしていた岐阜さんの姿はありませんでした。(どっちが良い悪いではなく)

戦略面に則った戦術面(監督・スタッフレベル)の成熟も上回っているように感じます。

ただ、そもそもの個の質に加え、「首位」に対するモチベーションの大きさは計り知れないなと改めて感じさせられました。

やはり、もう1段階の上積みは必要そうです。
まずその第一歩として次節、しっかり勝ちたいですね。

それでは、この辺で。
次回も宜しくお願いします。

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