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妊娠糖尿病になって知った、根拠なき食事指導と治療について

私は中期の糖負荷検査で妊娠糖尿病の結果が出ました。

その時に指導された内容に違和感を感じ、自分でいろいろ調べたり考えたり試したことで知ったことがとても多くありました。

結果的に私は入院もインスリン注射も打つことなく、むしろ体調や体重コントロールを正常化することができたため、妊娠糖尿の診断を受けた方の情報収集の一助になればと思い、今回こちらのnoteを書くことにしました。

もちろん私は専門家ではないので、「これが全て正しい!糖尿病学会や病院は間違ってる!」ということを主張したいわけではありません。

ただ、糖尿治療については真反対の主張と治療法があるのが現状です。
そのため、糖尿診断をされた場合は、冷静に情報の精査と自分の身体と相談して妊娠期を過ごす必要があると個人的には感じています。

根拠なき「食事バランスガイド」と「糖尿病治療」

糖尿負荷検査に引っかかってしまった時、まず内科で栄養指導を受けました。

指導の際、前日の食事を書き出したのですが、たまたま私が前日摂った食事は炭水化物が少なく、「炭水化物はこれ以上減らさないでください」と言われ、よくある食事バランスガイドのような紙を渡されました。
それは「1日に摂取する栄養の50%は炭水化物で」、という内容でした。

あれ?血糖値を上げるのって炭水化物(糖質)じゃないんだっけ…?と思い、「血糖値が高くなるのに炭水化物を減らしてはいけないというのは?」と質問すると、「赤ちゃんの栄養になるのはブドウ糖だけなので、炭水化物は減らしてはいけません。どうしても上がってしまう場合は、分食を行い、それでもコントロールできない場合はインスリン注射を打ちます」とのこと。

そもそも血糖値が上がりやすい身体になっており、高い状態が続くと赤ちゃんが巨大児化するなどのリスクが生じるのに、血糖値を上げやすい炭水化物(糖質)を減らしてはいけない、上がったらインスリンを打って下げるという治療方針に矛盾を感じましたし、そもそも血糖値が高くなることは赤ちゃんにとってリスクなのに、その栄養になるのはブドウ糖だけってホンマかいな?と思いました。

そのため、「そもそも炭水化物で50%以上の栄養を取らなければいけないという食事バランスってどういう根拠に基づいて作られているものなんですか?」と聞くと、昔からの日本人の食習慣や、これまでの食事指導の経験から導き出されたものであり、それが正しいことを立証するデータや根拠はないとのことでした。
赤ちゃんの栄養になるのが糖質だけというのも同様に立証する根拠はなし。

これまでたくさんの糖尿病患者をこのように指導してきて問題なかった(糖尿病治療とは日本中でそういうものとして行われている)。それを拠り所に指導しているということで、私にとってはかなり愕然とする回答でした。
医療って根拠があると思ってたよ…

そして、ということは、農水省などが出している食事バランスガイドと、それに基づいて作成されている給食は一体なんだったんだ…そもそも栄養学ってどういう学問なんだよと思いました。

糖尿病学会 VS 糖質制限 という世界 

とはいえ血糖値自体はどうにかコントロールしなければいけないため、1日4回の測定で上がりやすい食事と上がりにくい食事の検証をしつつ、妊娠糖尿病の指導についていろいろ調べ始めました。

すると、世の中には糖質制限指導をしている産婦人科や医師がいることを知りました。

試しにそうした医師の本を読んでみると、私が感じていた違和感に対する回答が納得いく根拠(データ)付きで書かれていました。


簡単に言うと、赤ちゃんに必要な栄養は、糖質よりたんぱく質や脂質である。なぜなら赤ちゃんはケトン体(脂肪の代謝産物エネルギー)を栄養として使っているから。

この論は「赤ちゃんの栄養は糖質、ケトン体が出るのは危険」という糖尿病学会のそれとは真逆です。

詳しくはこちらの本を読んでいただければと思いますが、そしてちょっと過激な表現もありましたが(笑)、現在の糖尿病学会よりよほどちゃんと根拠を示してくれていて、とても参考になりました。

糖尿病学会と糖質制限推奨派閥は考え方が正反対のため、かなり対立しているようです。
どちらの論に納得するかは個人で考える必要がありますし、その人の身体による場合もあるかもしれません。

ただ、私は糖質制限の食事療法の方がずっと納得度が高かったので、自分の身体と相談しながら試してみることにしました。

血糖値検証結果と、私が実践した食事方法

私が行った糖質制限食は糖質を全くのゼロにするのではなく、減らす方法です。

約2週間を検証期間とし、食事記録を付けながら食後(時々食前も)血糖値を測定しました(血糖値は食前100以下、食後2時間以内を120以下に抑える必要があります)。

当然ですが、血糖値は糖質の質と量がそのまま結果に表れました。

私の場合、上がりやすかったのはお米、特に酢飯やおこわでした。
これは食品のGI値と、体質も関係している気がしますが、麺類よりもお米の方が上がりやすかったです。おかずも砂糖やみりんを多く使う味付けの時は上がりやすかったです。

脂質の多い揚げ物、お肉、チーズなどは結構たくさん食べてもあまり上がりませんでした。

糖質制限ってストレス溜まりそうだなと思ってたのですが、肉や魚、揚げ物をあまり制限せず食べることができたおかげでほとんどストレスなく過ごすことができました。

むしろ炭水化物を抜いているくらいの時の方が頭は働きやすく、眠くなりづらく、仕事のパフォーマンスも良くなりました。
脳にはブドウ糖って思ってたけど、それはそれでそうなんだろうけど違ったんだなぁと実感しました。

体重はこれまで少し多めに増えてしまっていたのですが、食事を変えてから増え方が緩やかになり、赤ちゃんの成長も平均ど真ん中をキープし続けました。GAとヘモグロビン値が少し良くなかったのも改善しました。

赤ちゃんに悪影響なく血糖値を自分でコントロールできたため、最後までインスリンも使わずにすみました。

病院ではあまり面倒くさいヤツだと思われたくなかったので、糖質制限については最初の時以外には言及せず、淡々と自己管理ノート(血糖値の結果を記入するノート)を提出していました。

糖質制限時のおやつ

時々は甘いものを食べたいし、そもそも妊娠も後期になってくると胃が圧迫されて1度に食べられる量が減るため、昼と夜の間でおやつを食べていました。

なるべくタンパク質を、と思いよく食べていたのは、味玉(ゆで卵)、クリームチーズ(kiriなどの個包装になっているもの)、ソイジョイ(アーモンド&チョコレートが好き。糖質も他の味より比較的低め)。

甘いものを食べたい時はシャトレーゼの糖質オフシリーズに大変お世話になりました。
他の方のブログでもよく見かけますが、生チョコは本当に美味しくて、これ1箱で糖質5グラムなんて…開発してくださった方ありがとうございます!と思います。

最後に。

繰り返しますが、もちろん私は専門家ではないので、「これが全て正しい!糖尿病学会や病院は間違ってる!」「糖質制限こそ正義!」ということを主張したいわけではありません。
私は軽度だったからこそ自分である程度試してみる、といったことができただけだと思います。

ただ、妊娠糖尿病の診断を受けた多くの方がインスリン注射や辛い治療を受けているのに改善しないという辛いブログもたくさん読んで思うのは、糖尿治療については真反対の主張と治療法があるということをまずは踏まえて、自分の身体と医師と相談しながら納得いく治療や食事を行うことだと思います。

どうか、妊娠糖尿病になってしまった方も、安全で健やかな出産を迎えられることを祈っています。


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