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自分の振る舞いを正すには何が必要か?

10年以上、外資系の組織やチームに属して仕事をする中で、振る舞いというのが思っている以上に重要視されているということがわかりました。振る舞いというのは、言動や態度ですね。この振る舞いは、多くの場合各々の無意識下で行われているものであり、習慣などで染み付いたものでもある場合が多いと思います。

そしてその振る舞いの良し悪しは、組織によって異なるので、一概に「絶対に全てにおいて正しい振る舞い」というのがないのも難しいところです。

しかし、1つ確かな事は、各個人の振る舞いの良し悪しの判断は、会社がするということです。勘違いしてはいけませんが、皆さん自身ではありません。会社のDNAは、CEOをはじめとしたボードメンバーによって定義され、そしてディレクター陣やマネジメントチームをHubとして各メンバーに伝播されていきます。

出来立てのスタートアップであれば、個人=会社と言えるので、創業メンバー個人の思考と振る舞いがそのまま会社のDNAになっていくのでしょうけれど、会社組織ができており、そこに後からJoinしてきたメンバーは、会社のDNAに自分を沿わせていく必要があります。

この原則を意識せずに自分本位の振る舞いをする事は、想像以上の影響を及ぼすという事を書いてみたいと思います。

1. 振る舞いが大切な理由
2. 実は細かいところまで見られている
3. 正すために必要なこと

1. 振る舞いが大切な理由

振る舞い、というのは態度や言動を指します。どんなに言葉遣いが丁寧であっても見下した態度をとっていては良い振る舞いとは言えませんし、その逆もまた然りです。組織内、というか対人関係においては、良い振る舞いか悪い振る舞いかを決めるのは自分ではありません。受け手がどう感じるのか、が全てです。

上で書いた通り、会社に属するメンバーの振る舞いについては、その受け手というのは会社(ボードメンバーとそれをフォローして伝えていくマネジメントチーム)になります。その受け手に対して、悪い振る舞いと思われることをするのは得策ではないのは容易に理解できると思います。例えそれが自分にとって正しいと思っていても、です。

前提として、超絶パワハラ組織だったり、反社会的な活動をしていたり、人としての尊厳を著しく傷つけるようなコミュニケーションをする組織は例外です。極端な例は除外して書いています。

会社が是とする振る舞いには、理由があります。それはEmployee Engagementです。昨今色々なsurveyの方法が広く知られていますが、それぞれの会社が何を重要視しているのか、それに対してのEngagementを求めます。ただ、Surveyはほんのごく一部の側面しか見えません。日常業務における振る舞いもEmployee Engagementを判断する大事な側面だったりします。

各チームのマネジメントチームは、メンバーの日々の業務のパフォーマンスだけではなく、振る舞いがもたらす会社へのEngagementも定性的に測る必要があります。メンバーひとりひとりは、時々接点があるディレクター陣やボードメンバーとのコミュニケーション時に、「見られている意識」を持つ必要があります(見られてるから良くしようね、という意味ではありませんよ)。

接点の頻度が少ないということは、1回の印象が強く残るということです。1年も前のTV会議の画面越しの振る舞いを覚えていたりするのです。この事を軽視すると、自分が損をするだけです。何もいい事がないばかりか、人事評価や昇格の承認プロセスを回した際に、思いもよらないところで彼らにRejectされるリスクを持つことになります。これは非常にもったいない。

たかが振る舞い。されど振る舞いです。

2. 実は細かいところまで見られている

上で少し触れましたが、TV会議の時に、こちらからの画面には映っていなくても、実は本社側の参加者にCxOやVPレベルの人がいて、隅っこの方にオブザーバーとして座っている事があります。特に新プロダクトローンチ時のトレーニングセッションやQAセッション等、会社にとって各国のメンバーの反応を直接把握したり、フィードバックを生の声として得たいと思っている場合とか。

画面越しの振る舞いというのは、椅子にふんぞりかえっていたり、手元のPCにばかり視線をやってミーティングに参加していないように見えたり、寝ているように見えたり、遅れて参加したり、様々です。誤解だし!という言い訳はできません。「あいつはこの大事なMTGに主体的に参加せずに自分の仕事をしている」という強いネガティブな印象が残ってしまいます。

また、本社等から来日したタイミングでのFace to Faceのコミュニケーションは露骨に伝わります。真摯さ、やる気、熱意、敬意、思考の度合い、などなど。目を見て話していれば計らずとも伝わります。メラビアンの法則です。

とは言え、やっかいなのは必ずしも毎回フィードバックをしてくるわけではない、ということです。余程のことであればすぐに直属のマネージャーに矢のようなフィードバックが飛んできますが。

会社のステージにもよりますが、会社としてビジネスのステージをステップアップを考えていくにあたり、強い組織が必要になります。強い組織というのは、Engagementが強い組織のことです。その際に人事評価・Promotionといったタイミングで、振る舞いの悪いメンバーは上記の通りEngagementが低いと見られ、相対的に低い評価が付きます。評価をする側は、数少ない印象を元に判断をします。理由はどうあれ、振る舞いとして表現されたという事象を問題視します。そうなると、各マネージャーに「この人はこの先も一緒に進んでくれるEngagementを持っているとは思えないが、どうか」という話が強めに下りてくるわけです。

今の時代、コミュニケーションや表現はあらゆる手段で行う事ができるようになりました。SlackやZoomといった便利なコミュニケーションツールが普及していく中で、振る舞いが多くの人たちに見られる機会が増えている、ということでもあります。しかしオフラインの威力は強く、顔を合わせたときに得た振る舞いの印象は、その後のSlackなどの非対面コミュニケーション時でリカバーし辛いという点も、意識すべき点かと思います。

デジタルツールは諸刃の剣だ、ということです。

3. 正すために必要なこと

結論から言うと、謙虚さです。

自信があるのは結構なことですが、その自信を一旦横に置いて、守破離を徹底することです。すでにDNAが定まっている会社においては、守を抜きにして会社から強く認められる存在になる事はできません。会社が、組織が、何を目指していて、どんなDNAをもっていて、何を期待して給与を払っているのかを素直に学びながら取り入れていく事が必要です。

守が徹底できて初めて、自分の強みやオリジナリティが表現できますし、逆に言うと守すらできていない人の言う事は会社には届きません。

まずは、聴く姿勢が大事です。受け入れ腹落ちさせていく事をせずに自分本位の主張や意見を放ちたいのであれば、独りで人と関わらない仕事しながらブログを書いていればいいんです。

自分の意見や期待と異なっていても、まずは受け入れる姿勢を保つこと。そうすれば自ずと背景や理由を理解しようとします。なかなか理解できなければ議論すれば良く、口先だけで分かったふりをして裏で不満を言うのは、質の低い学生バイトと変わりません。議論は喧嘩ではないので、「傾聴するスタンスで」(ココ大事)、是非議論をしてみてください。

謙虚さがあるかどうかは、表に出てきやすいです。
会話をしていればすぐわかります。本人は無意識であっても、です。
なので、常に謙虚に、学ぶ姿勢を持ち、自分が中心で正しいと思わないところから自分を律してみてください。絶対に物事がうまくいきます。

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