夜行バスの待ち時間

夜行バスの待ち時間は苦手だ。

今は21時40分。

22時30分発の夜行バスを待っている。

時間が経つにつれてバスは出発する。
ユニバ行きのJAMJAMライナー
東京ディズニーランド行き 
WILLERエクスプレス
富山行き名鉄バス

バスの待機場には、

軽量のリュックを持ち帰省する大学生。
東京ディズニーランドと調べて楽しそうに話す高校生。
派手なキャリーケースを転がし慣れた姿で時間を待つ金髪ギャル。
手を繋ぎ「次いつ会えるかな」と身を寄せるカップル。
子供の写真を見て涙汲む社会人。

色んな人がいる。

色んな想いを持った人がバスが来るのを
ただひたすらに待っている。
ただ時間は過ぎていく。

乗車するバスが来た。

帰省する大学生はすんなり立ち上がり乗車手続きをする。
金髪ギャルは香水の匂いを広げながら歩き
口数少なくバスに乗る。
身を寄せたカップルは「またね」と言い別れてバスに乗る。女の子はバスに乗らず手を振る。
子供の写真を見る社会人は写真をスクロールして
溜め息と同時に立ち上がりバスに乗る。

僕もバスに乗る。

帰省する大学生は寝る準備をする。

金髪ギャルはずっとLINEを開いて色んな人と話している。

カップルの男の方はバスの隅の席で泣いている。
静かに泣いている。
いつか一緒に住めればいいね。

社会人は顔付きを変えて上司に「乗車しました」
と連絡をする。
かっこいいお父さんだ。良いね、憧れる。

目的地は同じだけどその土地から羽ばたく想いは
一人一人違う。

楽しみと思う人もいれば、
寂しいと思う人もいる。
チャレンジと思う人もいれば
暇だなーって思う人もいる。

あの時の自分は何を感じてたんだろう。
あぁ、まぁいいや。

ただひたすらに明日のために
寝よう。

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