決めごとをやめたら生きやすくなった

規則が苦手。決まったルーティンがあると「守らないと……」と躍起になって勝手に自分を追い詰める。だから、そういう決まりはないほうが私は生きやすいんだということに気づいた。

朝も決まった時間に毎日起きないし、夜も眠気が来たら眠る。仕事は期日までに間に合えばいいという考え方に変えられたから、自分の体調と相談して朝からやらない。本日も仕事するつもりだけど、今「メール返信するのが怖い」というナゾ感情に支配されつつあるので死にたくなる前に「仕事じゃない文章書いて自分を落ち着ける」をしている。

お前ただの怠惰じゃん…と思うかもしれないが、「私決まったことをするのがストレスなの」と気づいてから"決めない"ことが最大の生きやすいのヒントになった。決めたことを遂行するより、まいにちじぶんの身体と心の様子と相談しながら行動するほうが、つかれない。

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会社員時代、体力的にも精神的にも限界で倒れて救急車で運ばれたことが２回。うつ病になり社会をドロップアウトしたこと１回。本気で死のうと腕を切ったことは２回。などなどだいぶ面倒くさい私だが、思えばどのときも自分を追い詰めていた原因は"決めごと"だったように思う。

多くの人にとっての当たり前のことがわたしにはむずかしかったらしい。例を言う。【】でくくっているのが、私が"決められたと感じていたこと"だ。

【会社に電車で行く】　→　電車に乗るには6時に起きないと間に合わない　→　「明日朝起きなかったらどうしよう…」　→　焦りで眠れない　→　夜の眠りが浅くなる　※ちなみに深夜３時までに眠れなかったら「寝坊が怖いから」というなぞルールで一睡もしないで会社行っていた（一人オール）

【10時始業】　→　10時までに自分の気持ちを前向きに整えないといけない…　→　ちゃんとその瞬間にやる気出せるようにしないと（みんなやってることなんだしできないとやばい）　→　できない　→　「絶対できないんだから私は１時間前に出社して気持ちの準備しよう…」（ちなみに10時始業のときに自分の精神状態を安心させるために７時に出社してた）　→　10時に始業できたとしても睡眠不足＆極度の緊張でストレス

【必ず提出する事務処理】　→　「ひとつでも間違えたら終わる（謝ればいいのに）」というナゾ理論を持っていた　→　ド緊張していたので死ぬほど確認する　→　そのかいなく間違える（睡眠不足や日常的な緊張で集中力が落ちてる）　→　怒られて死ぬ　※ちなみに、月末の経費の処理を「提出したら(お前の分際でこんなに経費使いやがってと)怒られるにちがいない」と思い込んで半年間30万円分ほど貯めてた。結果怒られたけど、「毎月月末に提出する」決めごとのほうが苦手だった。

10時になるとオフィスで一斉に社員がパソコン叩き始めるのも苦手で、自分の気持ちだけ置いていかれたような気になってよくトイレや喫煙所に逃げていた。

決まったことは遵守しなければいけないという気持ちになっていたのだと思うのだけど、たぶん「決まったことさえできないなんて終わってるなお前」とか「規則（ルール）違反＝死」のように勝手に頭の中で認知していたのだと思う。

こうやってひたすら自分を追い込んでしまうのは、真面目で几帳面な気質のせいらしい。主治医もカウンセラーも言っていた。私以外でもそういう人は多いと思うけど、真面目で几帳面族は根っからの優等生なひとが多くて勉強もある程度できたし何でもある程度こなせるのが当たり前の環境で育ってきた人が多いと思う。

お人好しで人柄もいいし、「ひさ子ちゃんてどんな人？」って聞かれたら「真面目でやさしいよ」って当たり障りのない、まるで"いい人"みたいなこと言われるようなタイプなのだ、私たちは。

ルールを守ろうっていうただ純粋な気持ちなんだよね。始まりは。

だから、"決めない"って極端なこと言うくらいが、私たちみたいな真面目で実直な人たちにはちょうどいいのかもしれない。「継続は力なり」とかはもう響かないし、「モーニングルーティン」とか「企業家が教える成功を呼ぶルーティン」なんて記事一生読まない必要ない。

続けることよりも、毎日自分の身体と心のご機嫌を伺うほうがよっぽど大切だと思う。

「あれ今日は調子いい？　ん、そしたら朝からトースト食べて８時くらいから仕事しようか」「雨がふりそうだからきっと気分も下がるだろうね。夕方までゆっくり過ごして最低限のメール返せば今日は100点」「え、原稿しめ切りなの？　じゃあまあ『ジェーンスーの生活は踊る』(TBSラジオ)でも聞きながらとりあえずパソコンひらけば？」「ん〜、月曜……noteでも書いて落ち着く？？」――といった具合に毎日のことを決めないで自分と話をする。

なんだか張り詰めているひとが多い気がしている。私の父は「ルーティンワークを決めなさい」と私に強要する人だったのだけど、まあそれが向いてないひともいるわけで。もし、まわりに「それってだらしないってことだよ」などと反対してくる人がいたら、こう言ってやってほしい。

We are not the same with or without
（どっちみち最初っから私とあんたは違うのよ）
ービリー・アイリッシュ - Therefore I Am