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真の“意識高い系”とは何か?:若手社員が語るキャリアとその在り方

今回、インタビューさせていただいたのは、シュハリインターン卒業生の長尾さん。現在、大手通信会社のグローバル戦略に携わる部署でお仕事されています。
突然ですが、みなさんは「意識高い系」という言葉を聞いて、どんなことを考えますか?あまり良いイメージを持つ方は少ないかと思いますが、今回インタビューさせていただいた長尾さんは、他で出会ったどんな大人よりも、本当の意味で、意識の高い方でした。
そもそも、意識が高い、とは一体何なのでしょう。
やたら横文字の言葉を使うことでしょうか。スタバでMacBookを片手にオンライン会議を繰り広げることでしょうか。大学二年生の考える、意識の高い方々と言えば、こんな感じです。
でも、長尾さんは違っていました。目の前のことや自分のことだけではなく、業界全体や日本、世界レベルのマクロな視点で、自分事の課題感を持ち、長期的なビジョンをお持ちなのです。これまでの私の極限られた経験では、このようなことを語る大人は口先だけで、実行が伴わないように感じていましたが、長尾さんは自分の目で見る、フィジカルな経験を何よりも大切にする、真摯な姿勢をお持ちでした。ワクワク感を伴いながら、熱心にご自分の目標へと進んでいかれる姿勢には、早く私も社会に出たい、とまで感じました。加えて、フットワークの軽さと、それに伴うどんな経験も自分の興味関心へと結びつける姿勢は、巷にあふれる自己啓発本よりも、はるかに心に響きました。
ここまで長尾さんへの強烈なラブコールが続いていますが、彼がどんな人物なのか、そして、今の企業、加えて日本の在り方に、彼がどんな課題感を抱いているのか、以下の一問一答を読んで、一緒に考えていただければと思います。

目次
1.学生のうちにすべきこと
2. これからの働き方とは
3.若手のキャリア不安
4.今後のビジョン
5.漢字一字選ぶとしたら?

 
Q1.学生のうちにすべきことは?
ズバリ、オフラインの経験を積むことです。Perplexityなどネット情報を生成してくれるAIが増えてきており、ネットの情報はよりコモディティ化していくと思います。そういった世界において、"経験"に価値があると思います。私は大学に入る前に、ワーキングホリデーでオーストラリアのラズベリー農園で働いたのですが、ここでの過酷すぎる経験が、今の自分のタフさに繋がり、それに支えられていると感じています。あまりにも報酬が安価で満足に食料も買えず、でも自分の給料だけで食いつなぐと決めていたので、小麦粉をちねって食べたり、ドッグフードコーナーの牛タンも食べましたね…。せっかく集めたベリーを現場監督(元軍隊の強靭な女性)に全てひっくり返されたりも…(笑) ここまで過酷な経験をしろと言っているわけではありませんが、英語力に限らず、海外文化を受け入れる姿勢であったり、社会との接点を持つこと、そして自分自身が稼いだお金で海外で生活をしてみる、という経験は大きいと思います。シュハリなど長期インターンを通したビジネスの実践も、大学では学べない貴重な経験だと思います。

Q2. 現在の働き方について感じることは?結局、リモートと対面の勤務とでは、どちらがいい?
コロナをきっかけにリモート勤務が主流になりましたが、やはり、リモート勤務には限界があると考えています。もちろん、個人の都合に合わせてフレキシブルに変えていくべきですが、私は、フルで出社するようにしています。リモートではコミュニケーションの取り方も難しいので…。入ったばかりの新入社員が、リモート勤務続きで手持ち無沙汰になり、相談できる人もいないことから、キャリア不安に陥るケースは、どこの企業でもよくある話です。リモートでは、「部下の指導が難しい」と嘆くマネージャーも多いです。ハラスメントを恐れ、指導といえどなかなか厳しいことを言いづらい時代、対面であれば、お互いの温度感が読めたり、少し厳しいことを言ったあとでも、フォローアップがしやすい。やはり、チームとして成果を出すためには、対面でのコミュニケーションは欠かせないと思っています。

 
Q3.「若手のキャリア不安」という言葉が出ましたが、多くの企業で、優秀な人材ほど流出してしまう、という状況に悩んでいます。では、優秀な若手社員の転職を防ぐには、どうしたらよいと思いますか?
何よりもマネージャーの育成だと考えています。せっかく意欲をもって入社することができても、頼りになる、指導力のある上司に出会えなければ、キャリア不安に陥り、結果辞めてしまうことも珍しくないからです。実際に私も、1年目で出会った方に、大きな影響を受けました。挑戦する姿勢や、社会人として求められるマインドまで手加減なく教えていただき、今の自分があると思っています。自らがキャリア不安に陥らなかった要因は、その方との出会いにあるとしみじみ感じます。
とはいえ、現場ではプレイングマネージャーや家庭(育児)との両立など多くの障壁があるのも事実です。理想としては、人事部門がもっと経営の上流から入り込み、経営戦略にアラインした人財・育成戦略とその落とし込みまでできるといいですよね。

 
Q4.長尾さんの今後のビジョンは?
まずは、日本の企業を筋肉質にしたいです。企業変革のためには、資本を持つことが資本主義では重要であると考え、その意味でもプライベートエクイティファンドにいずれは行きたいと考えています。また、自分で事業を起こすこともやってみたいですね。企業の一社員として働くうえで感じたことですが、やはり、自分も相手と同じ立場に立たないと、経営者と対等に渡り歩けないと言いますか…お仕事する中で根底のところまで通じ合えないように感じたからです。
また、最終的には政治家になりたいです。お金が理由で挑戦できない、という日本の環境を変えられたらいいな、と思っています。幼少期に、リーマンショックと、その後の経済政策を一家庭にいながら経験しました。日本レベルでの大きな政策が、自分の一家庭にも影響を及ぼすことを身に染みて感じたことは、政治に対してその可能性や、重要性を感じる経験となりました。私が経験したことと同じように、日本の賃金を上げるために、政治家になりたいですね。
 

Q5.好きな言葉は?また、漢字一字を選ぶとしたら?
「熱心な素人は玄人に勝る」
今の僕の柱となるような言葉です。漢字を一字選ぶとしたら、「熱」ですかね。熱心であることは、当たり前に大事とされますが、いかに身銭を切って経験するかどうか、これが熱心さの中でも重要になってくると思います。日々、自分よりもはるかにキャリアを積んだ人たちと全社的なグローバル戦略を議論しています。まさに玄人ばかりです。その中で、素人の自分が価値を出すには、いかに身銭を切って学び、その学びを価値としてアウトプットにつなげられるかだと思います。そのアウトプット(発言)には、言霊が入り玄人を動かす要因になると信じています。

 
感想:インターン生
今回、長尾さんにインタビューをさせていただいて率直に感じたのは、自分と比較的近い年齢の方で、こんなに志の高い大人もいるのか、という驚きと、そこへの安心です。安心というと、なんだか上から目線のようになってしまいますが、お話を伺う中で、純粋に社会人として働くことに憧れの気持ちを抱きましたし、社会に出ることへの抵抗感や、まだ子供でいたいという未熟な思いがすっかり消え去ったと実感しています。
シュハリでインターンとして働くようになって、言語化して実感したことなのですが、昨今の大学生は、漠然とした社会不安の蔓延もあり、就職活動や社会人生活に、希望や楽しみを抱きづらいと感じています。私自身も、なんとなくその波に流されそうになっていました。一方で、長尾さんのお話を聞いた時、自分の生活をいかにワクワクで満たすかは、全部が自分次第なんだ、ということに改めて気が付くことができたように思います。言われてみれば当たり前かもしれませんが、自分がどういう展望を抱いて、それに対してどんなことを具体的に行っていけるか、ここに全てがかかっているということが、実感を伴って腑に落ちました。
社会人として、自分の夢を叶えていくことに憧れの気持ちを持ちましたし、社会に出るのが怖い、という漠然とした不安も消えました。今はまだ、自分と目の前のことで精一杯ですが、これから成長する過程で、周りの環境にも目を向けて、それを解決するために自分ができることまでを考えつつ、実際に行動できる、そんな大人に私もなりたいです。
(大嶋)
 
長尾さんのお話を聞き、オフライン情報の大切さを身に染みて感じました。特に、「ネットに載っている情報は誰でも得ることができる情報であり、独自性を持つことはできない。そのような中で、いかに身銭を切ってオフライン情報を得るかが大切である。独自の言葉や話には、言霊が入って相手の心に届きやすくなる」という言葉が刺さりました。確かに、ネットにある情報を並べても相手の心には響かないと思います。実際、世間一般的な内容をお話されても、「そうだよね」で終わってしまいます。しかし一方で、実際に経験し、そこから得た知見や思いは相手の興味・関心を得ることができます。また、説得力も増し、相手の心により響かせることができると思います。そのため、私も積極的に身銭を切って、本を読み、新たなことに挑戦し、自分にしかない情報を手に入れていきたいと思います。そして、経験からより独自の知見などを得るためにも、ただ何かを経験するだけではなく、経験を通して何を学べたのかなどを考え、より多くのオフライン情報を得られるようにしたいと思います。
 加えて、将来のビジョンを生き生きと語っていらっしゃる長尾さんの姿はとてもきらきらとしていて、目標を持ち、それに向かって進んでいく姿がとても魅力的に感じました。私も熱量をもって向かっていける目標を持てるようになりたいなと思いました。
(石村)