パラレル中1_代数と解析(#2)
1.はじめに
この記事は自分の考える、大学を「講義、実験、研究、議論が行える地域の図書館」のような存在にするという考えが実現したパラレルワールドを前提として作成しました。
数学を知る上では参考になると思いますが、受験にとってはマイナスになるので高校受験生は見ないほうが良いです。
2.新しい考え方
(1)負の数と絶対値
〇 負の数の導入
中学数学で新たに負の数というものを導入しますが、これはこれまでの「リンゴの個数、水の量、分割したピザ」のようなものとは異なり、目に見えないものとなります。そのため昔の数学者でも納得するのに時間がかかっています。
負の数は何か基準を考えたときに、その反対のものとして存在するものです。例えば貯金をプラスの数(小学校で習った数)として考えた場合、借金というものを反対のものと考えることができます。借金は目に見えませんが確かに存在します。これをどのように数で表すかというときに負の数という考えを導入することができます。
まず負の数を考えるとどのようなメリットがあるか考えてみます。
① 表現上の利点
「0℃より3℃低い温度」をどう表すか考えます。これまでの数しかないと仮定すると、まずは文章のまま表現するということですが、計算はできそうにないです。
次に全てプラスの数になるように新たな基準を設けるという考え方ができます。物質の振動が止まる −273.15 °Cを基準(0K)として考えることもできるかもしれませんが、科学の進歩でより低い温度を定義する必要が出てくるかもしれません。またその温度で表された温度が「0℃より3℃低い温度」ということは分かりにくくなっています。
そうすると「-3℃」という表現は端的に分かりやすく表現することができていると思います。
② 計算上の利点
以下は表計算を使ったお金の計算例を示しています。表計算には大体縦の列の足し算をすることができる機能があります。
マイナスの数(負の数)を認めない場合、得た金額と失った金額を分け、それぞれの合計を計算し、得た金額と失った金額の大小を比較して、大きい方から小さい方を引く必要があります。
それにたいして計算方法は後で紹介しますが、マイナスの数(負の数)を認めた場合全て足し算だけで計算できるので、一列の単純な計算で終わり、答えも失った金額が2000円とすぐに計算することができます。
これらの利点からもマイナスの数(負の数)を導入するのはメリットがあるだろうと考えられます。
〇 数直線で見る負の数と絶対値
負の数は正の数を 0 を中心に折り返した数となります。数を直線状で表した数直線で考えると以下の図のようになります。
数直線上の右側に行くほど大きい数です。
つまり (-4) より (-3) の方が大きい数ということになります。
正の数の 4 は 3 より大きい数なので、負の数になると逆転するということになります。
絶対値という考えも紹介しておきます。
絶対値とは 0 からの距離のことです。
(-4) の絶対値は、4 となりますので、単に正と負の符号を無視した数と理解しておいてください。
正の数と負の数を計算したときに、答えが正の数になるか、負の数になるかを考える上で非常に役立つ考え方になります。
また注意したいのは「ー(マイナス)」という記号は、引き算と負の数の両方で使われ混乱しやすいので、引き算は数の操作であり、負の数は数であるということを強調したいと思います。
〇 負の数を含めた足し算と引き算(矢印で考える)
<(正の数)+ (正の数)>
これは算数で習った通りです。矢印の方向に数を進めます。
計算例)2+3=5
<(正の数)ー(正の数)>
小学校の時は計算できなかった、引く数の方が大きい場合について示します。負の数を導入することで、引く数のほうが大きい計算ができるようになります。引くときは、矢印を逆向きにした方向に進めることになります。
計算例)2-3=(-1)
<(正の数)+(負の数)>
数を足すときは矢印の方向は変えませんでした。
そのため以下の関係が成立します。
(正の数)+(負の数) = (正の数) ー (正の数)
計算例)2+(-3)=2-3=(-1)
<(正の数) ー(負の数)>
数を引くときは矢印を逆向きにします。
そのため負の数を引くということは正の数を足すことになります。
計算例)2-(-3)=2+3=5
毎回数直線を考えるのは、大変なので計算手順についてまとめてみます。
手順1) 引き算の場合、足し算に書き換える。
-(正の数)=+(負の数)
-(負の数)=+(正の数)
手順2) 同じ符号の場合、符号はそのままで絶対値を足す
(+3)+(+4)=+7
(-3)+(-4)=-7
手順3) 異なる符号の場合、絶対値が大きいほうの符号を使用して、絶対値の大きい数から小さい数を引く。
(-4)+(+3)=-(4-3)=-1
(-3)+(+4)=+(4-3)=+1
〇 負の数を含めたかけ算と割り算
あるカードゲームがあるとします。
カードは(+5)点と(-5)点の2種類があり、手持ちの札の点数を計算したいとします。
さらに山場にカードがあり、山場から手持ちに取ってくる操作を「+」、手持ちから捨てる操作を「ー」で表します。
① (+5)点を2枚山場から手持ちに取ってきた場合
(+5)×(+2)=+10 10点プラスと考えることができます。
② (+5)点を2枚手持ちから捨てた場合
(+5)×(-2)=-10 10点マイナスと考えることができます。
➂ (-5)点を2枚山場から手持ちに取ってきた場合
(-5)×(+2)=-10 10点マイナスと考えることができます。
④ (-5)点を2枚手持ちから捨てた場合
(-5)×(-2)=+10 10点プラスと考えることができます。
④が少し分かりづらいと思いますが、例えば手もちに(+5)点を3枚、(-5)点を2枚持っているとします。
この時の手元の合計点は、点数としては+5点と-5点が消しあうので、+5点だけ残るため、+5点となります。
そこから(-5)点を2枚手持ちから捨てた場合、(+5)点が3枚なので合計点は+15点となり、マイナスを捨てることはプラスになることが分かります。
負の数のかけ算をする場合、符号には規則性があり、絶対値はかけ算になることが分かりました。
〇 負の数のかけ算のまとめ
負の数が1回掛かると負の数になり、2回掛かると正の数になります。
(-)×(+)=(-)
(-)×(-)=(+)
負の数が3回掛かると負の数になり、4回掛かると正の数になります。
つまり負の数が奇数回かかると負の数、偶数回かかると正の数になります。
(-)×(-)×(-)=(+)×(-)=(-)
(-)×(-)×(-)×(-)=(+)×(+)=(+)
〇 負の数の割り算
割り算は分母と分子が逆にしてかけ算をするだけなので、符号の規則性はかけ算と同じで、絶対値は逆数のかけ算となります。
$${6÷(-3)=-(6÷3)=-(6×\frac{1}{3})=-2}$$
〇 全てが足し算になるという点について
さて負の数を導入する利点として、マイナスの数(負の数)を認めた場合全て足し算だけで計算できると記載しましたので、その点について補足します。
引き算は以下のように足し算で表すことができます。
5-3=5+(-3)
またマイナスの引き算は足し算になります。
5-(-3)=5+3
このように引き算をマイナスの数の足し算ととらえることができるので、全てを足し算に直せ、表計算の例のように列の全ての数字を足すだけで計算できるようになります。
また細かい点ではありますが、プラスを強調したいときに(+3)などと表現しますが、基本的には足し算の記号と関係ない場面では普通に「3」と表現されます。「3」とは数字としては「+3」と考えてください。
(2)累乗と平方根(有理数と無理数)
〇 累乗
同じ数を何回もかけることを累乗(るい乗)といいます。これは面積や体積の計算で単位として出てきた考え方です。
例えば(+3)の3乗というと以下のようになります。
$${(+3)^3=(+3)×(+3)×(+3)=(+27)}$$
〇乗の数字は小さく右上に表記され、この数字を指数といいます。
負の数で累乗を考えるときは、負の数が偶数回あらわるか、奇数回あらわるか気をつける必要があります。
$${(-3)^2=(-3)×(-3)=(+9)}$$
$${(-3)^3=(-3)×(-3)×(-3)=(-27)}$$
また以下の様な紛らわしい表記があるので、何を一つの固まりとしてみているのか意識する必要があります。
まず(-3)を一つの固まりとして、2乗しているケースです。
$${(-3)^2=(-3)×(-3)=(+9)}$$
次に(-3)の3を一つの固まりとして、2乗しているケースです。
$${-3^2=-(3×3)=(-9)}$$
〇 平方根
2乗するとその数になるものを、その数の平方根といいます。
平方根は√(根号)という記号で表し、ルートと読みます。
根号を使わずにその数を表せるときは根号を使用せず表します。
例えば 16 の平方根は
$${±\sqrt{16}=±\sqrt{4^2}=±4}$$
となり、(+4)と(-4)があります。
逆に(+4)と(-4)はどっちも2乗すると16となります。
それでは2の平方根を考えます。つまり2乗して2になる数を考えます。
$${±\sqrt{2}}$$
となり、根号を使わないと表せない数になります。
この数は実際に存在するのか、数学的に考えただけではないかと思われるかもしれませんが、実際に存在します。
直角三角形で90度の角度に相対する辺を斜辺と言います。
上の図のような1辺が1cmの直角二等辺三角形の斜辺は$${\sqrt{2}}$$cmとなります。
そしてこの長さは、1.414213…という小数部分が循環しないで無限に続く数であることが分かっています。このような数を無理数といいます。
こういった不思議な数が実際に存在します。
(円周率も無理数の仲間です。)
〇 数の分類
さてここまで負の数や無理数といった新しい数を導入してきました。ここまでが中学レベルで扱う数となるのでいったん分類しておきます。
① 負の数を含むかどうか
まず1,2,3,4のように個数や順番を数えるときに使われる数があります。これを自然数といいます。
自然数に0を含むと正の整数といいます。
さらに正の整数に「-」をかけた数を負の整数といいます。
整数というときには正の整数と負の整数を含みます。
② 分数で表せるか
無理数は小数部分が循環しないで無限に続く小数です。そのため分数では
表せません。
対して分数で表せる数を有理数といいます。
有理数には整数、有限小数、循環小数が含まれます。
有理数、無理数には負の数が含まれます。
この有理数と無理数を合わせて実数といいます。
実数は数直線上に存在する数と言われます。(では数直線で表せない数があるのかという疑問は、高校レベルで解消します。)
(3)素因数分解
自然数のなかには素数という数があります。
この素数とは、2 以上の自然数で、約数が 1 とその整数自身のみである数のことをいいます。(1は素数ではありません。)
例えば6は約数が1,2,3,6と存在し、「1と6」以外の約数が存在するので素数ではありません。
7は約数が1,7で「1と7」以外の約数が存在しないので、素数となります。
自然数をこの素数のかけ算の形で表すということを約分などでおこなってきました。
このように自然数を素数の積であらわすことを素因数分解といいます。
自然数は素数の積となり、その組み合わせは一通りに決まります。
例えば 90 を素因数分解すると
90=2×45=2×3×15=2×3×3×5
$${90=2×3^2×5}$$
つまり90は2が1つ、3が2つ、5が1つのかけ算の積になり、一つに定まります。
ちなみにここで1を素数とすると、1は何回かけてもよいので、1が3つのケースや4つのケースが発生し一通りに定まらなくなるので、1は素数ではないということになります。
また一通りに定まることを説明することもできますが、文字を使う説明になるので高校レベルに後回ししたいと思います。
(4)文字式のルールと簡単な計算
〇 文字をなぜ使うのか
文字を使う理由は、基本的には以下の2つです。
① 特定の数を見つけたい
まだわかっていない数や求めたい数を文字にして、とりあえず等式を成立させ、あとからその数を求めるということのために文字が使われます。
この考え方は方程式と言われ、式を立てれば、あとは式が勝手に答えを考えてくれるといった感覚です。
例えばリンゴを100円で売るとします。
売上が1500円になるためには何個売ればよいかという課題にあなたが直面したとします。
何個売ればよいかという数を a 個とします。
(リンゴ1個の値段)×(売り上げの個数)=(売上)
という関係性がありますので、
100 × a = 1500
等式が成立しているということは、両辺はまるで天秤のようになっています。そのため同じ数で割ってもよいので、両辺を100で割ります。
a=15
売り上げるべき個数が15個であることが分かります。
この例は簡単なため、すぐに割り算をすればよいと気づけるでしょうが、より複雑になったときに力を発揮する考え方です。
② 特定の数に絞らず一般的に表したい
例えば三角形の面積について考えたとき、底辺2、高さ3のとき面積が3とか全部の数について全て具体的にあげていくのは非効率です。そこで「三角形の面積は底辺×高さ÷2で計算できます」と一般化することで、全ての具体例を挙げるのと同じ効果が得られます。
「底辺」やら「高さ」やらが何回も出てくるような場合、底辺をa、高さをbで表しますといったほうが楽です。そしてここでの文字の使い方は、方程式の場合と異なりいろいろな数が入ることになります。
このような文字の使い方を変数と言い、関数という考え方で主に使われます。
〇 文字を使う場合のルール
まず中学レベルのかけ算の表し方として、数字同士の「×」を「・」で表します。
例. 2×3=2・3
文字を使う場合のルールには以下のようなものがあります。
・同じ文字には同じ数が入る(一番大事なルール)
・文字が関係するときの「×」は省く、「÷」は分数で表示する
$${a×b=ab}$$
$${a÷b=\frac{a}{b}}$$
・数とのかけ算は数を先に書く、「1」は書かない
$${3×a=3a}$$
$${1×a×b=ab}$$
$${(-1)×a×b=-ab}$$
・同じ文字のかけ算は累乗で表す
$${a×a×b×b×b=a^2b^3}$$
また文字に特定の数字をいれることを代入といいます。
例えば 3aにa=3を代入する場合、3・3=9となります。
〇 言葉の整理
これから説明のために使用する言葉について整理したいと思います。
①単項式:数や文字、またはこれらのかけ算だけでできている式
(例. 3、a、-2b、$${\frac{1}{3}x}$$)
②多項式:複数の単項式が足し算(引き算)で表されている式
(例. a+1、b-2、$${\frac{3a+2b}{4}}$$)
➂項:多項式で+で結ばれているひとつひとつの単項式
(例. -2x-4y 項は (-2x)+(-4y) とみて「-2x」と「-4y」)
④同類項:文字部分が全く同じ項
(例. 2ab+ab-4a の場合同類項は「2ab」と「ab」)
➄係数:文字を含む項の数の部分(例. -4abのとき「-4」)
⑥次数:文字式においてかけあわされている文字の数
(例. 4ab:2次、3x:1次)
〇 文字式の計算「分配法則、同類項をまとめる」
例えば子供の人数をa人とします。
1人につきノート1冊、鉛筆1本買ってあげたいとします。ノートを100円、鉛筆を50円とするときいくらかかるか求めたいとします。
この問いは2つの解き方が存在します。
① (a人に買うノート代)+(a人に買う鉛筆代)
② (1人にかかる代金)×(a人)
①=100a+50a となり、②=(100+50)・a となります。
代金は同じなので、100a+50a=(100+50)a=150a となります。
このように(数字)×(文字部分)で計算する場合、(文字部分)が同じであれば(数字)を四則演算すればよいことになります。また足し算や引き算を行い同類項を1つにすることを「同類項をまとめる」といいます。
ちなみに具体的にa=3という数を入れた場合、つまり子供の人数が3人の場合についてみてみます。
①=100・3+50・3 となり、②=(100+50)・3 となります。
①=100・3+50・3=300+150=450
②=(100+50)・3=150・3=450 となり、
100a+50a=(100+50)a=150aのaに3を入れた場合も成立していることが確認できます。
また100a+50a=(100+50)a は逆から見ると、(100+50)a=100a+50aとみれます。このようにかけ算が各々の数に対して行われて和の形になることを分配法則といいます。かけ算は逆でも成り立つので、分配法則は以下のようになります。
(100+50)a=a(100+50)=100a+50a
(5)1元1次方程式
式中の文字に特定の数字を代入した時だけに成り立つ等式を、方程式といい、これらの文字を「未知数」、方程式を成り立たせる未知数の値を「方程式の解」、解を求めることを「方程式を解く」といいます。
求めたい数を文字にして、とりあえず等式を成立させ、あとからその数を求めるという発想です。
まずは未知数の種類が1種類(1元)、かつその次数が1である(1次)方程式である1元1次方程式について確認したいと思います。
例えば子供1人当たりにノート1冊と鉛筆1本を買ってあげたいとします。
ノート1冊が100円、鉛筆1本が50円、買ったものを入れるビニール袋が5円だとします。
払った代金が455円でした。買ってあげた子供は何人でしょうかという
問題があったとします。
① 立式
方程式を考えるときは求めたい数を文字にしてとりあえず式を立てます。
そこで買ってあげた子供をa人とします。
100a+50a+5=455 という式が成り立ちます。
② 同類項をまとめる
解き方についてここから考えます。まず文字部分が同じものを計算します。
100a+50a+5=455 ⇒ 150a+5=455
➂ 「移項」と「方程式を解く」
ここで等式とは左辺と右辺が同じ数を表している天秤であることに注目します。(例. 3+1=2+2 左辺も右辺も4です。)
つまり左辺と右辺に対して、同じ数で四則演算するならばイコールの関係はくずれません。
(例. 3+1-1=2+2-1 左辺、右辺ともに3です。掛け算やわり算をする場合は、式全体に対して、同じ数をかけたり割ったりする必要があることに注意してください。
3・(3+1)=3・(2+2) 左辺、右辺ともに12です。)
そこで(未知数の文字)=(数字)の形にするために、左辺と右辺に同じ数を四則演算して変形していきます。
150a+5=455 =(両辺から5を引く)=> 150a+5-5=455-5 ⇒150a=455-5
150a=450 =(両辺を150で割る)=> a=450÷150=3
a=3 が方程式の解となります。そして買ってあげた子供は3人であることが分かります。
ちなみに 150a+5=455 を 150a=455-5 と計算しているところがあります。
他方の辺からもう一方の辺に符号を変えて移動しているので、これを移項と呼んでいます。
方程式には等式を立てる段階と解く段階があります。
等式を立てる段階で大事なことは分からない数を文字式にして、等式を書くことです。どの数を文字にするかということは、計算のしやすさという差はありますが、ゴールには辿り着けるのでとりあえずは気にしなくてもよいと思います。
方程式を解くときは、左辺と右辺が天秤で成立しているイメージをもち、同じ数を四則演算しても大丈夫ということが大切です。
そして頑張って (未知数の文字)= の形に持っていく方法を考えていきます。
(6)1元1次不等式
未知数を使った方程式の考え方を紹介しましたが、不等号を使って不等式を考えることもできます。この場合、不等式を満たす未知数は定まらず、x≧3のように範囲が導かれます。未知数の値全体をその不等式の「解の範囲」といい、解の範囲を求めることを「不等式を解く」といいいます。
〇 不等式の計算
等式のように左辺と右辺に同じ数を四則演算しても、不等号の関係はかわりません。
① 5>3 => 5+2>3+2 => 7>5
② 5>3 => 5-6>3-6 => -1>-3
➂ -1>-3 => (-1)×3>(-3)×3 => -3>-9
④ -3>-9 => (-3)÷3>(-9)÷3 => -1>-3
ただしマイナスの数をかけたり、割ったりすると不等号は逆転します。
(ここが方程式の計算と大きく違う点です。)
➄ 5>3 => 5×(-3)<3×(-3) => -15<-9
⑥ -3>-9 => (-3)÷(-3)<(-9)÷(-3) => 1<3
〇 1次不等式の例
子供1人当たりにノート1冊と鉛筆1本を買ってあげたいとします。ノート1冊が100円、鉛筆1本が50円、買ったものを入れるビニール袋が5円だとします。予算が1000円の時、買ってあげることができる子供の最大人数は何人でしょうかという問題を考えます。
買ってあげることができる子供の人数をaとすると、購入代金は、
100a+50a+5=150a+5 となります。これが予算以内であることを考えると、
150a+5≦1000 となります。
不等式の計算を行うと、150a+5≦1000 => 150a+5-5≦1000-5
150a≦955 => a≦$${\frac{955}{150}}$$=6.36….
子供の人数なので答えは自然数になり、a=6 が解の範囲のなかで最大の自然数となるので、今回の問いの答えは6人となります。
この解の範囲は以下のように数直線を使って表すことがあります。より複雑な不等式について解の範囲を考える際に非常に有効な手段です。
ちなみにその値を含むときは黒丸、その値を含まないときは白丸(例.a<6)にして表示されます。
(7)座標と関数
〇 座標平面と座標
座標とは点の位置を表す数、または数の組のことです。
座標平面とは平面上の点の場所を座標によって表せるような平面のことです。
例えば、自宅を中心として、東に200m、北に500mの位置に図書館が
ある場合、東と北を+方向として座標で(200,500)のように表せます。
西に100m、南に300mの位置にコンビニがある場合、座標で(-100,-300)と表せます。
それぞれの座標を座標平面で表すと以下のようになります。(0,0)の点を原点といいます。
〇 関数
いろいろな値を取れる量を文字で表した場合、これを変数といいます。
例えば2つの変数x,yがあり、xの色々な値に対応して、yの値がただ一つに定まるとき、yはxの関数であるといいます。
言い換えると、関数とは入力(x)が定まったら、出力(y)も定まる関係とも言えます。
リンゴ100円で消費税なしの時、買った数と代金の関係を考えます。
買った数をx、代金をyとすると、y=100xと表せます。買った数(x)に1,2,3と値を入力すると、代金(y)が100,200,300と出力が1つに定まるので、yはxの関数となっています。
ここでxの値とyの値をペアにして、(xの値,yの値)とします。
(1,100), (2,200), (3,300) 等となりますが、これは座標とみることができます。
そこで座標平面に点を取っていくと、y=100xは以下の赤線になります。
(xに負の数を入れた場合も含めています。)
この座標の点全体が作る直線(または曲線)を関数y=100xのグラフといいます。
今回は簡単な例ですがグラフ化することで変化の様子を可視化できます。
数学はこのように型を作ることができます。
このグラフを商人は(代金:y)=(単価:100)×(個数:x)と解釈したり、漁師は(釣れる魚の数:y)=(1日で釣れる魚の数:100)×(日数:x)のように解釈し利用できるという点が数学の強みだと思います。
(8)比例
5mで1300円の布地について8mでいくらになるか求めたいとします。
① 比で考えると5:8=1300:x として 5x=1300・8 x=2080 と計算できますが、このように考えるのは難しいことがあります。
② 帰一法という、問題で取り扱っている量の1に相当するものの値を求め、それをもとにして答えを出す方法があります。
つまり1m当たりの価格を求め、8倍するという考え方です。
1m当たりの価格は 1300/5=260 となり、260×8=2080 円と計算できます。
このように帰一法で考えると分かりやすくなります。
さてこのとき、(価格)=260×(布地の長さ) という関係が成り立ちます。
値段をy、布地の長さをxとすると y=260x と表せますが、xを2倍にするとyは2倍になり、xを$${\frac{1}{2}}$$倍にするとyは$${\frac{1}{2}}$$倍となります。この関係を比例といいます。
この比例の関係はy=kxと表せます。ここで、xとyは変数で、kは定数です。
定数というのは値が固定されて変化しない数のことです。そのため値が色々動く変数とは異なります。また方程式のようにまだわかっていない未知の数というニュアンスもないので、未知数とも違うものです。
このkは比例に関する定数なので比例定数と呼ばれます。
y=260x というのは、y=kxの k=260 のパターンです。
この比例のグラフは「(7)座標と関数」で示したy=100xのグラフと同様に直線になります。
今回の「中1_代数と解析」は新しい考え方も多く分量として多いです。このパラレルワールドでは、期間(1年)ではなく進捗で測るので、1.5年位かかっても特に問題はないということになります。
3.使用例
(1)負の数と絶対値
(例)A地点では-7℃、B地点で-10℃のとき、どちらが寒いでしょうか。
(答え)
A地点の温度は0℃より7℃低く、B地点の温度は0℃より10℃低い。そのためB地点のほうが寒い。
(例)-6$${\frac{3}{8}}$$ と -4$${\frac{1}{4}}$$は数直線上どちらが左にありますか。
(答え)
負の数なので両方とも、0の左側にある。さらに絶対値は0からの距離を表し、6$${\frac{3}{8}}$$の方が大きい値なので、-6$${\frac{3}{8}}$$のほうが左側に存在する。
(例)-1、-$${\frac{3}{9}}$$、-$${\frac{9}{3}}$$ という3つの数を不等号の「>」を使って並べてください。
(答え)
負の数の場合、絶対値が小さい方が数直線上では右、つまり大きい数となる。そのため以下の順番になる。
-$${\frac{3}{9}}$$ > -1 > -$${\frac{9}{3}}$$
(例)「-25万円」の借金とはどのように解釈すればよいでしょうか。〇と×に該当する数を答えてください。
① 私は〇万円払いすぎた。
② 私は×万円借りている。
(答え)
① 「25万円払いすぎた」 ② 「-25万借りている」
このように同じ状況でも言葉を変えると数字の正負が変わる。
(例)8-(-7) を計算してください。
(答え)
8-(-7)=8+7=15
(例)以下の数直線上にcがあるとき、c+2□1 について□に当てはまる不等号を答えてください。
(答え)
(-1)から1までは右向きに(+2)である。cは(-1)より左にあるので、そこから右方向に(+2)となるので、c+2は1より左にある。
そのため c+2<1
(例)-$${\frac{1}{3}}$$+(-$${\frac{7}{4}}$$) を計算してください。
(答え)
-$${\frac{1}{3}}$$-$${\frac{7}{4}}$$ となる。
-$${\frac{4}{12}}$$-$${\frac{21}{12}}$$=-$${\frac{25}{12}}$$
(例)-2+$${\frac{12}{25}}$$ を計算してください。
(答え)
-2+$${\frac{12}{25}}$$=-$${\frac{50}{25}}$$+$${\frac{12}{25}}$$
=-$${\frac{38}{25}}$$
(例)-$${\frac{1}{4}}$$-(-$${\frac{3}{5}}$$) を計算してください。
(答え)
-$${\frac{1}{4}}$$+$${\frac{3}{5}}$$=-$${\frac{5}{20}}$$+$${\frac{12}{20}}$$
=$${\frac{7}{20}}$$
(例)10+$${\frac{54}{-6}}$$ を計算してください。
(答え)
10+$${\frac{54}{-6}}$$=10-9=1
(例)-$${\frac{3}{7}}$$÷$${\frac{3}{8}}$$ を計算してください。
(答え)
-$${\frac{3}{7}}$$÷$${\frac{3}{8}}$$=-$${\frac{3}{7}}$$・$${\frac{8}{3}}$$
=-$${\frac{8}{7}}$$
(2)累乗と平方根(有理数と無理数)
(例)100,000=$${10^?}$$ ?に当てはまる数字はいくつでしょうか。
(答え)
例えば$${10^2}$$=10・10=100 となり、0の数と指数の数は一致する。
100,000は0が5個あるので、?は5となる。
(例)63.85×$${10^4}$$ の答えはいくつでしょうか。
(答え)
63.85×10000 (0は4つ)
=6385×100 (100倍したら、63.85から6385になり、まだ100倍が残る)
=638500
ケタが指数分大きくなると考えると、慣れてくれば一気に答えまでたどり着ける。
(例) 64000÷$${10^5}$$ の答えはいくつでしょうか。
(答え)
64000÷100000=6.4×10000÷100000=6.4÷10=0.64
ケタが指数分小さくなると考えると、慣れてくれば一気に答えまでたどり着ける。
(例)$${(\frac{2}{5})^2}$$ を計算してください。
(答え)
$${(\frac{2}{5})・(\frac{2}{5})}$$=$${\frac{4}{25}}$$
(例)$${\frac{1}{4}(2^3+4^2)}$$を計算してください。
(答え)
$${\frac{1}{4}(2・2・2+4・4)}$$=$${\frac{1}{4}×24}$$=6
(例)$${\frac{12}{3+1}}$$ を計算してください。
(答え)
この式は 12÷(3+1) を意味している。そのため $${\frac{12}{4}}$$=3
(例)6+8÷2 を計算してください。
(答え)
割り算が先なので、6+4=10
(例)4×5 と$${4^5}$$ の計算を4+や4×の形で表してください。
(答え)
4×5=4+4+4+4+4
$${4^5}$$=4×4×4×4×4
(例)$${-2^3}$$ を計算してください。
(答え)
$${-2^3}$$=-(2・2・2)=-8
(例)$${(-2\frac{3}{4})^2}$$を計算してください。
(答え)
$${(-2\frac{3}{4})^2}$$=(-$${\frac{11}{4}}$$)・(-$${\frac{11}{4}}$$)
=$${\frac{121}{16}}$$
(例)$${(-3)^9}$$÷(-6.9) の正負の符号はどちらになりますか。
(答え)
負の数の10乗になるので、偶数となり正の数となる。
(4)文字式のルールと簡単な計算
(例)4(4a+5) を 〇a+□ の形で表してください。
(答え)
4(4a+5)=16a+20
(例)6t-20-32u でt=6、u=-$${\frac{1}{4}}$$ の時の式の値を求めてください。
(答え)
文字に数字を入れて計算する。
6t-20-32u=6・6-20-32・(-$${\frac{1}{4}}$$)=36-20+8=24
(例)プールに毎分60[L]で水をためています。t分後、何 L 水は溜まっているでしょうか。
(答え)
60tとなる。
(例)イモ虫は体重の1400%の食料を食べます。体重をmとすると食べる量はどのように表されますか。
(答え)
$${\frac{1400}{100}}$$m
(例)p+(-q)-2 という式で、p=-3、q=5 を代入した結果を求めてください。
(答え)
p+(-q)-2=p-q-2=(-3)-5-2=-10
(例)$${\frac{x}{-4}}$$=-1.11 の x を求めてください。
(答え)
両辺を(-4)倍して、x=(-4)・(-1.11)=4.44
(例)a>0、b<0 のとき、-4ab の符号はどうなりますか。
(答え)
(-4)・a・b=(-)・(+)・(-)=(+) となり正の数になる。
(例)力F[単位:kg・m/$${s^2}$$]と動かした距離a[m]をかけると仕事を求めることができます。仕事=力×距離 となります。
力F=60[kg・m/$${s^2}$$]、動かした距離a=20[m]の時の仕事を単位込みで答えてください。
(答え)
数値はかけ算、単位は力の単位のなかのmと距離のmをかけることとなる。
仕事は、60・20=1200 1200[kg・$${m^2}$$/$${s^2}$$] となる。
(5)1元1次方程式
(例)以下の天秤はバランスが取れています。bに当てはまる数はいくつでしょうか。
(答え)
天秤が釣り合っているということは、左側(15)と右側(b+7)がイコールということ。そのため 15=b+7 となる。bを求めたいので、両辺から7を引く。
15-7=b+7-7 b=8 が答え
(例)Aさんはk歳、Bさんはn歳です。AはBより3歳年上です。k=□の形で式を立ててください。
(答え)
例を考えてみると、Aを10歳としたとき、Bは7歳になる。
つまり k=n+3 となる。
(例)方程式 5c=13 について方程式を解いてください。
(答え)
c に入る値を考える。天秤なので両辺を5で割っても、イコールの関係は変わらない。
5c=13 c=$${\frac{13}{5}}$$ が解となる。
(例)ヘッドホンが40%OFFで3600円だったとします。もとの値段はいくらでしょうか。
(答え)
元の値段をaとすると、ヘッドホンの60%価格が3600円となる。
a・$${\frac{60}{100}}$$=3600 両辺に$${\frac{100}{60}}$$をかけると、
a=3600・$${\frac{100}{60}}$$=6000 元の値段は6000円となる。
(例)米国でタクシーに乗り、14$${\frac{2}{9}}$$kmで32ドル払いました。1km当たりの値段はいくらでしょうか。(分数で表してください。)
(答え)
1km当たりの値段をa[円]とすると、a・14$${\frac{2}{9}}$$=32
14$${\frac{2}{9}}$$=$${\frac{128}{9}}$$ となるので、両辺に$${\frac{9}{128}}$$
をかける。a=32・$${\frac{9}{128}}$$=$${\frac{9}{4}}$$ となる。
(例)$${\frac{4}{3}}$$=-6e-$${\frac{5}{3}}$$ についてeを求めてください。
(答え)
-6e-$${\frac{5}{3}}$$=$${\frac{4}{3}}$$ について両辺に+$${\frac{5}{3}}$$する。
-6e=$${\frac{4}{3}}$$+$${\frac{5}{3}}$$=$${\frac{9}{3}}$$=3 となり、両辺を(-$${\frac{1}{6}}$$)倍するので、e=3・(-$${\frac{1}{6}}$$)=-$${\frac{1}{2}}$$
(例)F君とC君は同じバスケットチームです。F君の点数は、C君の2倍より7点少ない点数で31点でした。C君の点数は何点でしょうか。
(答え)
C君の点数をc点とする。そうすると 2c-7=31 となる。
両辺に7を足すと、2c=38 となり、両辺に$${\frac{1}{2}}$$をかけると、
c=19 となるので、c君の点数は19点となる。
(例)ガラス1枚の密度:2.5[g/$${cm^3}$$]を[kg/$${m^3}$$]に変換するといくつになるでしょうか。
(答え)
変換した後の値をx[kg/m3]とすると、
$${\frac{1000x}{100・100・100}}$$[g/$${cm^3}$$]
=$${\frac{x}{1000}}$$[g/$${cm^3}$$]=2.5[g/$${cm^3}$$] となるので、
両辺を1000倍すると、x=2500 となり、2500[g/$${cm^3}$$]が答えとなる。
(6)1元1次不等式
(例)以下の(A),(B)の数直線の表現を不等号で表してください。(x>□ のように表現してください。赤色は範囲であることを示しています。)
(答え)
(A):xの範囲は「-8より大きい」。白丸なので(-8)は含まない。
そのためx>-8、または -8<x と表せる。
(B):xの範囲は「0以下」。黒丸なので0を含む。そのためx≦0、または 0≧x と表せる。
(例)あなたは先生で、シールが貼ってあるシートを21枚もっています。1枚のシートを$${\frac{1}{3}}$$にして、45人の生徒にあげました。その後、
1$${\frac{1}{2}}$$を先生に分けたいと考えたとき、先生をt人として、不等式を立てて、最大で何人に分けれるか求めてください。
(答え)
(生徒にあげた枚数)+(先生にあげる枚数)≦21 という関係になる。
1$${\frac{1}{2}}$$は$${\frac{3}{2}}$$となるので、
$${\frac{1}{3}}$$・45+$${\frac{3}{2}}$$t≦21 と表すことができる。
両辺から15を引くと、$${\frac{3}{2}}$$t≦6
両辺を$${\frac{2}{3}}$$倍すると、t≦4
4以下となるので最大人数は4となる。
(例)12-6x>24 が成り立つときの解の範囲を求めてください。
(答え)
両辺に(-12)を加えると、-6x>12
両辺に(-$${\frac{1}{6}}$$)をかけると、x<-2 となりこれが解の範囲となる。(マイナスをかけているので不等号が反転している。)
(例)車の平均速度は60[km/h](時速60km)とします。車のタンクには20Lのガソリンが入っていて、燃費(1Lで走れる距離)は6[km/L]とします。費用は1000[円/L]です。燃料切れまでに何時間走れるでしょうか。
(答え)
x時間走れるとする。そうすると進む距離は、60x[km]となる。
燃費×タンクの量が走れる距離の最大となり、
20[L]×6[km/L]=120[km] となる。
そのため、60x≦120 となり、x≦2 燃料切れまで2[時間]走れる。
費用は何も関係ないが、実社会でも全ての情報が必要ではないので、不要な情報を混ぜている。
(7)座標と関数
(例)以下の座標を見て問いに答えてください。単位はmです。
① 横軸と縦軸の1目盛りはそれぞれ何mでしょうか。
② コンビニから図書館に行くためには、東に何m、北に何m進む必要がありますか。
➂ 図書館とコンビニの中間の座標を答えてください。
(答え)
① 図書館で見てみると、横軸3目盛り、縦軸2目盛りの場所にある。
横軸1目盛りがa[m]、縦軸1目盛りをb[m]とすると、図書館は(3a,2b)と表せる。(3a,2b)=(300,200)なので、aもbも100[m]であると計算できる。
② コンビニから図書館は、東に6目盛り、北に4目盛り進んだ先にある。そのため東に600m、北に400m進む必要がある。
➂ 中間地点は、コンビニから東に3目盛り、北に2目盛り進んだ先にあると考えることができる。コンビニ(-300,-200)から東に3目盛り、北に2目盛り進むと(-300+300,-200+200)=(0,0)が中間地点になる。
(例) 以下の4つの座標(x,y)を結ぶと、外周が30の長方形になります。
[単位は特に関係ないので省略します。]
点C、点Dの座標とこの長方形の面積を求めてください。
(答え)
まずABの長さを確認する。y座標は同じなので、x座標から長さを求める。(-3)から6までの長さは、9となる。つまり長方形の1辺の長さは9となるので、もう一辺をa とおくと、外周について 2・9+2a=30 となる。
18+2a=30 2a=30-18=12 a=6 となります。
長方形なので、点Cのx座標は点Bと同じになるので、x=6となり、yは長さが6になる必要があるので、y=-4となる。点C(6, -4)
点Dは点Aと同じx座標、点Cと同じy座標となるので、点D(-3, -4)となる。
面積は、9×6=54 となる。
(例) 以下の4つの座標(x,y)を結ぶと、平行四辺形となります。mとnの値を求めてください。
(答え)
以下のように垂直な線を引くと同じ直角三角形ができる。
mはx座標で 10-3 より求められるので、m=7となる。
nはy座標で 5-4 より求められるので、n=1となる。
(8)比例
(例)以下のグラフは、タクシーの料金に関するもので、横軸が走行時間(分)、縦軸が値段(円)を表しています。この二つの量は比例していて、2分走ると、250円であることが分かっています。
① xを時間、yを値段とし、このグラフをy=kx と表したとき、kの値を求めてください。またkは何を意味していますか。
② 1000円で何分走れるか求めてください。
(答え)
① x=2, y=250 を y=kx に入れてみる。250=2・k となり
k=$${\frac{250}{2}}$$=125 となる。
kは「1分間当たりの値段」を意味している。
② 1000円ということはy=1000ということである。1000=125・x となるので、x=$${\frac{1000}{125}}$$=8 8分が答えとなる。
(例)以下の表を見て、wとzの比例定数を求め、w=□の形で表してください。
(答え)
w=kz とし、一つのデータを代入してみる。18=2k k=9 が比例定数となる。そのため w=9zと表せるだろうと考える。他のデータについても考えると、45=9・5 、81=9・9 で成立するので、w=9zの形が正しいことが分かる。
(例)原点を通らない直線は比例関係になりますか。
(答え)
原点を通る場合、xを2倍すると、yも2倍になる。原点を通らない場合、xの2倍はyの2倍とならないので、比例関係とはならない。
(例)ある日よけ止めについて、2mlで50$${cm^2}$$塗れるとします。325$${cm^2}$$塗るには何ml必要でしょうか。
(答え)
1mlで何$${cm^2}$$塗れるか考えると、$${\frac{50}{2}}$$=25 $${cm^2}$$塗れる。塗る面積をb、使う量をaとすると、b=25a となり、b=325の時のaを求めたい。
325=25a a=$${\frac{325}{25}}$$=15 mlとなる。
4.カーンアカデミーの参照範囲
世界大学ランキングで上位を占める大学が多い米国のサイトである、カーンアカデミーの該当範囲を記載しています。
〇 5th grade
unit10, unit12
〇 6th grade
unit4, uni5, unit6, unit7, unit9
〇 7th grade
unit1, unit2, unit3, unit4, unit5, unit6
〇 8th grade
unit1
〇 Integrated math 1
unit3