死闘ジュクゴニア_03

第2話「死闘開始」 #死闘ジュクゴニア

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前回

 少年は居並ぶジュクゴ使い達を指さし、凛として叫んだ!

「俺はハガネ。不屈のハガネ。お前たちジュクゴニアを滅ぼす者だ!」

 ハガネの宣言! 直後、ジュクゴ使い達の殺気が膨らみ、大気が陽炎のように揺らいだ。対峙するハガネ。その双眸に宿る不屈の二文字もまた、より輝きを強めていく。

 ブゥゥン、ブゥン……ブウゥゥン! 両者のジュクゴ力(ちから)がぶつかり合い、波濤のような衝撃が生み出される!

「あはっ、あははははぁ……!」

 突如、じっとりと粘つく高笑いが鳴り響いた。その場違いな嬌声の主は劫火のカガリ。彼女は喜悦を抑えるかのように顔に手を当てながら叫んだ。

「最っ高。あんた最っ高だよ、ハガネぇ……!」

 背を丸め、くっくっと笑いを押し殺しながらカガリは続けた。

「アタシの炎でも燃えない。つーことは。つーことはさぁ!」

 カガリの眼がギラギラと輝き、その拳に刻まれた劫火の二文字が狂おしいまでに白熱を始める。

「ずっと燃やし続けても、大丈夫ってことだよねぇ……! ……って、もごっ」
「なにっ……!?」

 ハガネは目を見開いた。瘴気を放つ鉄鎖! それが瞬時にカガリの全身を縛り上げ、口をも塞いでいた。呪縛のバクーの力である!

「……バカが。お前が暴れたら街の一つや二つは簡単に燃え尽きる」

 そう言いながら、漆黒のザーマがすっと手を上げた。

「ハガネとやら。貴様のジュクゴ力(ちから)、侮れんと見た」

 それを合図に、恐るべきジュクゴ使い達がハガネの周囲を取り囲んだ。ザーマの全身が黒く揺らぎ、毒刃のベイダの手に毒液の刃が煌めく。 過重のドダイが大地を揺らしてハガネへと迫り、溶解のルンダの全身を溶解粘液が覆う! 砂嵐のランドは両手をかざし叫んだ!

「死ねっ!!」

 ドゥンっ!! 直後、砂嵐のランドの姿が消え、彼方のビルへと突き刺さった。驚異的なスピードで放たれたハガネのカウンター! ハガネは拳を突き上げ叫ぶ!

俺は決して屈しはしない!

 そしてそれがハガネとジュクゴニア帝国、その長きにわたる死闘の開始を告げる号砲でもあった!

【第三話「加速する精神」に続く!】

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