永劫戦争(仮)
兵士の頭が爆ぜて、肉片が飛んだ。
赤い軌跡を描いて広がるその様は、懐かしい光景を思い起こさせる。インワンは、うっとりと目をつむる。それは鮮やかに浮かんでくる。
故郷の平原に咲き誇る、あの、紅い花が。
茜色に染まる黄昏の下で、花は風にそよいでいる。茜色の空と、血のような紅い花のコントラストが、地平の彼方まで続いている。
◆
兵士の頭が爆ぜて、肉片が飛んだ。
赤い軌跡を描いて広がるその様は、うん、物理だな物理。ラディアは満面の笑みを浮かべる。それは鮮やかに理解できる。
中指サイズの金属弾。射程距離は一里ほど。
塹壕から見上げる空はどす黒い。そのどす黒い空の下を、無限の射線が飛び交っている。
素晴らしいなあ。
ここは凄い戦場だ。ありとあらゆる世界から、ありとあらゆる手段で集められた戦士たちが、この永劫に続く戦争の中で、魔法も科学も何もかも、ありとあらゆる手段を使って殺しあう。なんて素敵なんだろう! これほど好奇心そそられる戦場などありはすまい!
「でも死にたくないなあ」
ラディアは塹壕の片隅に座る黒ローブの少年を見た。
「ねえ君!」
匍匐前進ですり寄る。
「ねねね、なんで戦わないの? なんでなんでなんで? 戦わないと殺されちゃうよ? ボクたちを集めた恐ろしい魔神どもにさ! 死んじゃうのって怖いよね! ボク嫌だなあ! あ、でもボクの計算によると、戦ったら十割の確率で死ぬから、結局同じだね。あはははは!」
少年は目を閉じていた。その目が開きラディアを見る。澄んだ、黄昏のような瞳だった。
◆
兵士の頭が爆ぜて、肉片が飛んだ。
赤い軌跡を描いて広がるその様は、実に愉快だ。グバリは荒々しく笑って塹壕に切り込んでいく。それは鮮やかに人を殺す。
見える。座り込むガキと妙な女!
鋼の肉体が静かにしなやかに、迅雷のように素早く、小柄な体と華奢な体へと迫る。
「あーん?」
グバリは首を傾げた。
◆
兵士の頭が爆ぜて、肉片が飛んだ。
赤い軌跡を描いて広がるその様は、
【続かない!】(800文字)
これはなんですか?
第三回逆噴射小説大賞に向けた素振り行為……なんですが、完全に三振気味です。実は素振りの機会を活用して、第一回逆噴射小説大賞に応募したこいつをリメイクしてみようと思ってたんですが……。
残念ながら「素振りは1日だいたい30分まで!」という良い子のためのルールを制定しているため、なんか良くわからん感じで終わってしまいました。無念。
ちなみにこの「永劫戦争」は僕が第一回目の逆噴射小説大賞で、いきなり小説もどきを書き始めた際の二作目だったりします。今読み返すと全然ダメだけど、二作目にしては良くできているな(自画自賛)。
ちなみにこのループさせて波状攻撃のように登場人物をどんどん出していくフォーマット、逆噴射小説大賞向きではないけど、追及してみる価値はあるなと感じました。うまくやれば面白くなるし、グルーヴ感も出てきそう。別の機会で試してみたい。良い収穫でした!
【おしまい】
きっと励みになります。