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死闘ジュクゴニア

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超常の力を駆り世界を制圧せんとするジュクゴニア帝国。それに立ち向かう一人の少年。完全少年漫画ノリストーリー。
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目次  #死闘ジュクゴニア

第一章『勃発』第一章・ショートカット用あらすじ 第一話   超常なる帝国 第二話   死闘開始 第三話   加速する精神 第四話   不屈の闘士 第五話   劫火のカガリ 第六話   迫りくる驚異 第七話   真のジュクゴニア帝国 第八話   電光石火のライ 第九話   テロリスト 第十話   大元帥バガン 第十一話  花鳥風月 第十二話  最強のジュクゴ使い 第十三話  一条の光 第十四話  高みへ昇らんとする者 第十五話  無辺際のムサイ 第十六話  繋ぐ想い 第十七話

死闘ジュクゴニア あとがき

ネタバレだらけなので、 本編未読の方はお気を付けください。 そう、あれは2018年の終わりが見えてきた頃だった。 何気なく第一回逆噴射小説大賞に参加したしゅげんじゃは「あれ。小説書くのってめちゃくちゃ楽しいな……?」と創作の喜びに目覚めた。そして逆噴射先生の教えに従い、まずは一本、物語を仕上げることを目標に掲げたのだった。 そうして始まったのが「死闘ジュクゴニア」の連載だった。それから約二年。正確には一年と八か月。長いと言えば長いけど、体感的にはあっと言う間の時間が過ぎ

エピローグ「修羅のジョウド」 #死闘ジュクゴニア

 山上を悍馬のごとく風が駆け抜けていく。ぼろぼろのマントが、そして黄金色の長髪がなびいている。青年は、眼下に広がる盆地を見下ろすように立っている。  荒れ狂う風は予感させる。  波乱、そして戦乱を。  荒涼とした山並みに囲まれた盆地。そこはかつて、壮大なる戦いが繰り広げられた調布の遥か北西。奥多摩と呼ばれる秘境を越えた、さらにその先にある。人々はこの地をこう呼んでいる。畏れとともに──秩父盆地と。  秩父盆地! そこは今まさに、世界に災厄をもたらす蟲毒と化そうとしている

最終話「不屈のハガネ(後編)」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回>  ミヤビは剣をかざし、静かに告げる。 「終わりだ、ハンカール」  その見つめる先。ハンカールの首には突き刺さっている。それは美しく煌めく白銀の……  一本の矢!  ハンカールは呻いた。 「な……ぜ……だ……な……ぜ……」  今まさに、戦場の趨勢が変わろうとしている。  ここから、反撃の狼煙が上がっていくッ! 「フォル……なにをしている……フォル……わたしを……助けろ……ッ!」  呻くハンカールの背後で、屍山血河のフ

最終話「不屈のハガネ(中編)」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回> 「行け、ハガネッ!」 「あぁッ!」  ハガネはカガリを載せ、ミリシャとゴウマが争う方角へと飛んだ! ミヤビはその背中を見て、静かに笑った。不思議な感覚だった。敵だった少年に、まるで戦友のような想いを抱いている。そんな自分が、妙に可笑しかった。 「ふふ……ミヤビ。余裕だね」 「そうだな、ハンカール」  ミヤビはゆっくりと、その剣を天へと向けてかかげていく。 「今ここで、私は貴様を……超えてみせる」 ☆  世界ッ!

最終話「不屈のハガネ (前編)」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回>  ハガネは上空を見た。二人も続くように空を見上げた。そこでは壮絶な戦いが繰り広げられている……神話的な、終末の戦いが。  ハガネは叫んだ! 「行くぞッ!」  カガリが拳を振り上げる! 「おうッ!」  ミヤビは静かに頷いた。 「これで最後だ……!」  三人は同時に叫んでいた! 「「「これで、終わらせてやるッ!」」」  戦場を流星のごとき煌めきが覆っている。その煌めきの中で、繰り広げられるのは凄惨な死闘だ。  そしてそ

第71話「雄叫びをあげろッ!」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回>  男はフシトを見下ろし、呟く。 「惨めなもんだな……あんた」  男の逆立つ赤髪が、燃えるように風になびいていた。 「ははッ! ぶん殴ってやろうと思っていたのによぉ……その前にくたばっちまいやがった」  男は──造反有理のリオは顔を上げ、前を向いた。 「なぁ。あんたはいったい、何がしたかったんだ。本当にそれで……本当にそれで良かったのかよ」  その造反有理の四字が、静かに輝いていた。 「どうなんだ……なぁ、親父」  リオは

第70話「摩訶不思議のハンカール」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回> 「はい、ハンカールさん」  その背後から、アルビノの少年……ゴウマが歩み出た。 「てめぇ……ッ」ピエリッタが目を見開く。「ふふ……気がついたか? いかにも、このゴウマもまた極限概念の持ち主だ。しかし……ただの極限概念だとは思わんことだ」  その瞳の上。それはまるで、波ひとつない水面に映る月光のように、静かに輝く二字が……極限のジュクゴが輝いていた。それは……  六 道 ! 「ふふ……」高らかに宣言するように、ハン

第69話「母と娘」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回> 「見ていてくれ、ムサイさん! 今、俺は……貴方の力で!」  ジンヤの上で、それを見つめ、冷たく佇む男がいた。ハンカール。ハンカールは冷然と呟く。 「……滅びの時です、陛下」  己を圧倒した輝きの中で、フシトは断末魔の叫びをあげた。無限に連なるハガネの拳が迫っている! 「バカなッ! バカなぁーーッ!」ハガネの咆哮が轟く! 「俺の、俺たちの力が! 今こそお前を……ジュクゴニア帝国を!」 その瞳から、涙のように不屈の炎が爆

第68話「繋ぎ紡がれる力」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回>  ハガネが叫んだ! 「俺は!」フシトに向けて拳を突きつける! ミヤビも同時に叫んでいた。「私は!」フシトに向けて剣をかざす! 二人の声が重なるように続いた。「お前に!」「貴様に!」 「「決して屈しはしない!」」  フシトは怒りに表情を変えた。「汝ら……不敬であるッ!」  そして舞台は……光が世界を貫いた、あの時点へと戻るッ! ☆  それは巨大な光の柱だった。それは世界を貫く強大なる力であった! それは想像を絶する質

第67話「私が認めた貴様はッ!」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回> 「ほら! ほら! やっぱりそうだ……あたし、わかっていたんだ!」  ピエリッタははしゃぐように両手を上げ、叫んだ。 「あはは! 君だけでいいんだ……ハガネ!」  世界を貫く輝きを恍惚と見つめながら、ピエリッタは続けた。 「君だけがいればそれでいいって、あたし、わかってしまったんだ!」  激烈なる輝きの中を、激突しながら螺旋を描くように三つの人影が上昇していく! ピエリッタはこぶしを振り上げ、叫んだ! 「あはははは! いいぞ

第66話「世界を貫き迸る光」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回>  ピエリッタは嬉しそうに跳ね、そのフリルのスカートを浮かせるように回転した。 「あれあれあれ~? なんか怖くなってきちゃった? そりゃそうだよねぇ、ぷぷぷ……自分が信じていたものが、まるっきり」  ピエリッタの白い顔に、不気味な笑みが広がっていた。 「嘘だったなんて、信じたくないもんねぇ~!」 ☆ 「あははは!」「なんだこれは……いったい……!」  視界がぐらりと揺れる。アガラは呻いていた。ピエリッタの高笑いが

第65話「嘘と偽りと真実と」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回> 「ぷぷ……あのさぁ」  ピエリッタは……女は、顔を上げた! 「あたし、そんなこと言いましたっけぇ~?」 「!?」アガラは目を見開いた。見知らぬ顔がそこにはあった。血の気のない、薄ら笑いを貼りつけた、10代半ば程度の少女。その瞳には暗く浮かんでいる。不快で、不気味で、底の知れない、暗黒の二字が。それは── 虚 構 「虚構……だと?」  眉を寄せ、アガラはピエリッタを……ピエリッタだった女を見た。妖艶で、道化じみた

第64話「虚構」 #死闘ジュクゴニア

【目次】【キャラクター名鑑】【総集編目次】 <前回> ひとりの男がエシュタたちの眼前に降り立つ。その男の体は灼熱している。そして、その体には刻まれている! それは!  超 新 星 爆 発 !! 「バカなッ!?」アガラは吠えるように叫んでいた。想像を絶する、圧倒的なジュクゴ力がその眼前には存在していた! 「あっははははは! 楽しいなぁ! いよいよだ! お祭り! 祝祭の始まりだぁッ! あはは!」  ピエリッタは狂ったように嗤っている。その瞳に不気味な輝きが宿り、そして、そ