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ニンジャスレイヤー二次創作集

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自作のニンジャスレイヤー二次創作集です。小説だけになるはず。
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【アイエエ・マウント・ハッコーダ】

 視界が、世界が、そのすべてが白かった。切り裂く風の音(ね)。猛る吹雪が叩きつける中、木霊するのは、あの、不気味な叫びだ。 「くそッ……」  ニンジャスレイヤーは脇腹を押えた。傷は深い。傷のダメージ。寒さ。そして毒。それらによって、その肉体は蝕まれていく。 (((警戒せよ、マスラダ!)))  内なる同居人、ナラクが叫んだ。ニンジャスレイヤーは即座に顔をあげる。びょうびょうと音をたてる白い視界の向こう側で、赤い光が、こちらを見つめるように蠢いていた。まるで臓腑のように禍

【ブラスハート、ブレス・ハード】

 その光景を思いだす。男は何度でも。  確かめるように、何度でも、何度でも。  荒廃した地平。連なる黒いトリイ。そのトリイをくぐり、こちらへと歩んでくる人影。超自然の光景。神秘的で、神話めいて、啓示的な。  しかし男にとって、それは神秘ではなく、神話でもなかった。  男にとってそれは、ただの必然に過ぎない。  男は常に渇望している。男は、常に。 「素晴らしい光景だと思わんかね?」  対面に座る初老の男は、グラスを片手にそう尋ねていた。男は繰り返す追憶を止めて、微笑ん

2020年度ニンジャスレイヤー222、シックスゲイツ賞の入賞賞品が届いた!

おや……? こ、これは……? ボ、ボンジュール!? ニンジャがフランス語喋ってる! ニンジャスレイヤー・コミカライズ・フランス語版だ! 「はじめましてラオモト=サン!」 「ニンジャスレイヤーです!」 「ドーモ! ニンジャスレイヤー=サン!  俺様と対した事、まずは褒めてやる!」 日本のマンガはこういう風に読んでね! という解説まである! で、今のはなんなの?はい。7月某日、我が家に届いた家宝です。 コロナの影響で発送が遅れていた、2020年度ニンジャスレイヤー

【ストレンジ・スレイト・オブ・ニンジャ】

少し壊れた、奇妙な黒曜石の石板。その表面には「現実には存在しなかったが、あったかもしれない可能性としての過去」がライブカメラめいて映し出されている。貴方は石板の前に立つ。今、そこに映っている光景は……。 【ゴビ砂漠】 砂漠の夜は凍てつくような寒さだ。「ドーモ。サッカーです」「ドーモ。ベンガルタイガーです」両者は挨拶を終えると、即座にカラテを構えた。冷たい風が二人の間を吹き抜けていく。篝火の炎がバチバチと音をたて、砂漠の丘に二人の姿を影絵めいて照らし出していた。「あああ…

異世界転生 vs. ニンジャスレイヤー

「くらえっ! 必殺! バーストファイヤー!!」  俺の剣から放たれた灼熱の光線が邪竜スターゲイザーを直撃した。 「グルォォォーン!!」  断末魔の叫びをあげるスターゲイザー。そして即座に爆発四散! 「や~ん、さすがですわ、チト夫様ぁ~」  学園理事長の娘、キュアが嬌声をあげながら俺に飛びついてきた。その胸は豊満だ。  俺の名はチト山チト夫。  俺がこの剣と魔法の世界、アマクダリアに転生してきて早くも一か月。その間、オークの群れに襲われていたキュアを救い、悪霊から

【ザ・ワールド・ザット・ゼイ・リヴ・イン・イズ・ディファレント】

「死ね! ニンジャスレイヤー=サン! 死ね! イヤーッ!」 「グワーッ!」  重金属酸性雨が降りしきるネオサイタマの摩天楼。白装束に身を包んだアマクダリセクトの恐るべきニンジャ、ライスパウンダーの正拳突きがニンジャスレイヤーを直撃した。その衝撃で吹き飛び、きりもみ回転しながら落ちていくニンジャスレイヤー。おお、なんということか。ネオン渦巻くネオサイタマ、そのビルの谷間の中へとニンジャスレイヤーは吸い込まれるように消えていく……。 _______  シュー……ガゴン。シュ