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最新のテクノロジーとビジネスのトレンドを図解しました

いまの世の中は「デジタル化」と言われ、新しいテクノロジー、サービス、ビジネストレンドが次々に生まれています。
これらを個別に説明している文献やWebの記事は多くありますが、テクノロジーだけでなく、そこから生まれるサービスやビジネストレンドまで、包括的に全体像をとらえている説明は見かけないように思うので、自分で作ってみることにしました。

テクノロジーの木

これまでテクノロジーというのは、何かを実現するための「ツール」であると捉えられてきました。それが今では、ほぼすべてのサービスやビジネスモデルがテクノロジーを起点に生まれており、テクノロジーが世の中に新しい価値を生み出す原動力になっています。

これはまるで、次々に生まれるテクノロジーを根として成長する「木」のような構造になっていて、「テクノロジーの木」というコンセプトを上記の通り図解しました。
今回はこの木を使って、最新のテクノロジーと、そこから生まれるサービス・ビジネストレンドの全体像を紐解いていきたいと思います。

根:新テクノロジー

次々生まれてくるテクノロジーが根になっています。テクノロジーには活用の段階があり、さらに3段階に分類しています。

まず、iCloudやDropboxなどの基礎技術であるクラウド、スマホ連動する電化製品などの基礎技術であるIoT、といったように、ある程度生活やビジネスに定着した段階のものがあります。
次に、ディープラーニングの登場をきっかけに様々な応用が行われているAIや、仮想通貨の基礎技術として今後が期待されているブロックチェーンなど、一部の領域で実用化が始まっており、様々なユースケースが研究されている段階のもの。
そして、日本でも提供が始まる5Gや研究が進んでいる量子コンピュータなど、次世代のテクノロジーとして期待されている段階のものです。

いま世の中には、これらのテクノロジーを起点としたサービスが生まれていると理解することができます。

幹:デジタルトランスフォーメーション

新しいテクノロジーは、企業の業務を変えます。この企業変革のことを総称してデジタルトランスフォーメーション(DX)と呼びます。
特に大企業の業務は、個社別のルールはあれど大まかに「バリューチェーン」という考え方で共通化されており、バリューチェーンを意識した要素毎に新しいテクノロジーを当てはめていくと、DXを支える仕組みの全体像が見えてきます(DXの本質は組織構造や企業文化の変革であり、もはやバリューチェーンは古い、という議論もありますが、複雑になるのでいまはそこまで言及しないことにします)。

まず企業インフラの部分。最も重要なのは、クラウド技術から生まれたXaaS(○○ as a Service)という考え方です。代表的なものとしてはIaaS(Infrastructure)、PaaS(Platform)、SaaS(Service)がありますが、これらのサービスの登場によって、企業はIT資産(=レガシー)を自前で組み立てて運用する、という形態から、その時々で必要なものを必要な分だけ契約して利用する、という形態へと変化しました。
また、ビッグデータの分析(Business Intelligence)や、RPA(Robotic Process Automation)による業務自動化、生体認証なども企業のインフラとして定着してきました。

次に輸送・製造の部分。この領域はインダストリ4.0とも呼ばれ、主にIoTの進歩とともに発展しています。ロボット同士がインターネットを通じてデータをやり取りし、製造プロセスが自動化されたり(M2M、Machine to Machine)、ドローンをはじめとする物流ロボットも実践投入され始めています。
また、VR/ARを応用して計器の説明を目の前にリアルタイム表示(HMD、Head Mounted Display)し、作業員の仕事をサポートする、といった取り組みも行われています。

そしてマーケ・販売。Amazonの登場以来、Webを通じて顧客接点を持つことが一般的になってきています。Amazonのリコメンド機能は多くの方が目にされているでしょう。いまWeb上では、Webページからブラウザに仕込まれる「Cookie」を通じてWeb行動情報を収集し、その行動情報をもとにパーソナライズされた広告やWebコンテンツの配信が行われています。つまり、テレビCMや電車の中釣りのように全員に同じコンテンツを見せるのではなく、同じWebページを見ていても、僕のブラウザと皆さんのブラウザでは異なるコンテンツが表示されているのです。
この仕組みを支えるサービスとして、様々なデータソースからWeb行動データを収集し、提供しているDMP(Data Management Platform)、データに基づいてパーソナライズされた広告やWebコンテンツを配信するMA(Marketing Automation)、ノンプログラミングでWebコンテンツを管理できるCMS(Contents Management System、いわゆるブログサイトのようなもの)、といったものが登場しています。

葉:サービスとビジネスモデル

テクノロジーは、我々の生活を変える新しいサービスを次々生み出しています。そしてこれらのサービスから、様々なビジネストレンドが生まれました。
図では、緑色の葉がサービス、黄色の葉がビジネストレンドを表しています。

サービスについては、ある程度業界による分類を意識しましたが、新しいサービスが次々に生まれてくる中、業界という切り口自体が意味をなさなくなってきています。キーワードは揃えたつもりですが、分類については緩く考えていただければと思います。

次にビジネスキーワードについて、昨今バズっているキーワードはいくつもありますが、最も特徴的なのは、P2P、C2C、シェアリングエコノミーに代表されるように、Webの普及やクラウドサービスの発展によって商品・サービスの提供者と利用者がWebを通じて直接つながれるようになったことだと思います。
例えば商品の生産者は、アマゾンを利用すれば卸や小売と提携することなく世界中の顧客に自分の商品を届けることができます。また、Uber、Airbnb、メルカリなどC2C・シェアと呼ばれる仕組みは、個人同士が気軽に商品やサービスをやり取りする文化を構築しました。

この流れは、ブロックチェーンの発展によってさらに強まると言われています。
よく言われるのは、「ブロックチェーンによって銀行がいらなくなる」という話です。仮想通貨を使えば世界中の人にリアルタイムに送金することができるので、銀行は不要になる、という考え方です。
もちろん銀行が行っている業務はこれだけではないので、極端な話ではあります。しかし前述の「提供者と利用者が直接つながる仕組み」が様々な業界へ普及したあかつきには、ただ仲介して手数料を取るだけのビジネスは成立しなくなり、いま仲介ビジネスを行っている企業は、「ただ仲介するだけ」とは違った価値を提供していくことが求められます。
「既存ビジネスにはイノベーションが求められている・・・」という文脈のメッセージをよく見かけるようになりましたが、そこには上記のような背景があります。

次回から、特筆すべきポイントを深堀り

いかがだったでしょうか。現在のテクノロジーとそこから生まれる新しいサービス・ビジネスの全体像が見えるようになったのではないかと思います。
前述のとおり、分類やキーワードの選択についてはあいまいな部分もあり、「こちらの分類の方がよいのでは?」「このキーワードが足りないのでは?」といったご意見はお寄せください。

次回から、この図の中で特筆すべきポイントを深堀りしていく予定です。


※以下のサイトを参考にさせていただきました。
https://www.dustinhaisler.com/govtech-market/
https://www.sbbit.jp/article/cont1/35689
https://govtechsummit.jp/
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html
https://www.sbbit.jp/article/cont1/34676
https://www.underworks.co.jp/download/wp-chaosmap-2018/?utm_source=webtan&utm_medium=banner&utm_campaign=Chaosmap2018&utm_content=logolink
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyokaku/index.html
https://japan.zdnet.com/article/35048883/
https://www.sbbit.jp/article/cont1/35131
https://retechjapan.org/retech-map/
https://www.steelcase.com/asia-ja/research/articles/topics/education/how-technology-is-changing-education/
https://medium.com/@tomokifujii/edtech-industry-map-210d73f8a7cf
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/10/05/1409851_5.pdf
https://info.studyplus.co.jp/2018/04/02/815
https://renovefudosan.com/andreno/show/625

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