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人生と仕事

若かりし私の仕事観

初めての子供を産んで子育てに必死だった時、私は専業主婦だった。
時代のせいなのか生まれ育った環境のせいなのか(母は専業主婦だった)当時の私には「子育て」と「仕事」を両立させるつもりなど全くなかった。当時の夫もそうだった。

女性社員は、結婚までの腰掛け、なんて揶揄される時代もあったが、私の場合子供ができるまでの腰掛けのような気持ちで仕事をとらえていた。今となっては恥ずかしいけど、一生勤めるつもりなど、全くなかったし、私にとって「仕事」とは自分の人生の中でなくてもいい位置にいた。

「私、この先もう一生働く気がしない」

そんな言葉を当時の一番仲の良いいママ友に自分が言ったことを鮮明に覚えている。

「そうなん?私、このこが幼稚園に行ったらその時間だけ仕事しようと思ってる」

相手にそう言われて、心底驚いた。そして、少し寂しかった。


25年後(今)の私と「仕事」

あれから約25年経って、シングルになった私は否応なく働いてはいる。
あの頃、あれほど自分は二度と社会に出て働くことはないと思っていたのに、40歳を過ぎた頃から、私はいろいろな仕事をしてきた。

趣味がこうじてパン教室で先生をしたり、ファイナンシャルプランナーの資格を活かしてマネー講座の講師をしたり、保険代理店で事務パートをしたり。
その後も、フリーランスとして色々チャレンジあり、大失敗ありで、それでも離婚後も何とか生きてきた。

社会に出てからずっと仕事をしてきた人は心底偉いなあと思う。本当に尊敬してしまう。そのせいか、27歳からすっぽりとキャリアがないことをどこか恥じている自分がいる。今もたとえば名刺に「私はこういうものです」と書くことが定まらない自分を情けないと思う。

しかし、反省や自己嫌悪を繰り返していても何も生まれない。こんな私でも、今からでも何か一つ「私はこういう仕事をしていました」というものを見つけたい。


最後の挑戦

もう長いこと「働く」ということに迷って劣等感をもって悩みながら過ごしてきた私に響く仕事。キャリアコンサルタントなる仕事を知った。2016年から国家資格となったとのことだが、最近までそんな仕事があるとは知らなかった。

私たちはあまりにも「働くこと」について教わる機会がなかったのではないか?
子どもたちが中学生の時には、実際に保育士や店員になって仕事をするという「職業体験」という授業があった。
それでも、どのように職業を選べばいいのか、そもそもどんな職業があるのか、その職業に就くとどんな将来があるのかも知らず、なんとなく仕事を決めてきた人が多いのではないだろうか。

ましてや、かつての終身雇用や年功序列は既に崩壊しつつある。私と同年代の50代の皆さんは入社以来同じ会社で働いている人の割合は多いかもしれないが、昨今では入社3年以内に転職する人が大卒者では約3割に上るとか。確実に働き方・仕事に対する考え方が変わってきている。

大人になれば、1日のうちの約3分の1以上の時間を「仕事」に消費する。もしその「仕事」がとてつもない苦痛を伴う状況だとしたら、人生そのものの質が著しく下がる。
20年前なら「そんなの当たり前。我慢するしかない」という根性論が主流だったが、もはやその考え方は古めかしいものとなったのだろう。

私はもうすぐ55歳。健康なら70歳までは働きたいと思っている。とするとあと15年働けるわけだ。
後の15年間をかけられる仕事として、働く人をサポートする「キャリアコンサルタント」という仕事は、働くことに悩み続けてきた私がチャレンジするにはぴったりのように思える。

働くことに悩む全ての人に寄り添える仕事。素敵じゃない?

少々さび付きが目立ってきた50代の脳みそに油をさしてチャレンジしてみようと思う。


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