2024/09/01

 未来の自分がどんな人生を歩んでいるのか不安で仕方なかった高校生の頃、慢性的に寝不足で授業の合間の休みに机に突っ伏していた。平熱なのに微熱があるような倦怠感がずっとあって、五感が上手く働かなかった。
 けれども、レミオロメンの曲を聴いているときだけは生きている実感があった。

寝れない夜 聴きすぎた曲が頭の中を濡らす
人恋しくて白い壁紙に目が慣れてしまう
時計が回り 星屑のように降る
光の蛇口が閉められる

すきま風

 (初期の)レミオロメンの曲はどうでも良い日常の一コマをウェットにかつビビッドに描いている。寝れないだけの曲、雨が上がっただけの曲、梅雨の日に傘を差しただけの曲。そういう日常を拾い上げる歌のおかげで、鈍った五感が透き通るように蘇ったような気がした。
 今日も寝れない、体調は最悪だけれども、僕にはレミオロメンの残してくれた音楽がある、生活も続く、だからそっと目を閉じよう。

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