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J1第13節 ガンバ大阪対川崎フロンターレ データプレビュー

前節は名古屋に3-2のスコアで勝利したフロンターレ。これで名古屋とは勝ち点差9ついたものの、マリノスが未消化試合2試合を勝つと仮定するとマリノスとの差は5。まだまだ油断できない状況だ。そして今節の相手はガンバ大阪。昨シーズンのリーグ戦、天皇杯、今シーズンの富士ゼロックスの計4試合はすべて勝利している相手。ガンバは試合数が少ないとは言え勝利は1試合のみで18位につけている。ガンバとしては昨シーズンのリベンジを達成し、上昇するためにモチベーションはかなり高いはず。アウェーでもあるので今節も厳しい試合になりそうだ。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分でしかないことにご注意ください。

1.両チームの成績

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コロナのクラスター発生によって活動中止をよぎなくされてしまっていたガンバ。その影響で試合数は少なく8試合を消化している。しかし1勝4分3敗と昨シーズンはリーグ戦と天皇杯で優勝を争ったチームには見えないデータとなっている。特に問題なのは得点力不足。1試合平均で0.3点しかとれておらずリーグ最下位の数字。しかし守備面では良い数字を残しており1試合平均失点は0.6。得点力不足さえ解消できればすぐにでも結果はでてきそうだ。直近5試合に絞ってもこの傾向は変わらず、1勝2分2敗と好調とは言えない。HOMEでの試合数が2試合と少なく、その結果はどちらもスコアレスドロー。サポーターとしてはフロンターレに勝利し今季初のHOMEで勝利を飾ってほしいところだ。
対するフロンターレだがAWAYにはめっぽう強い。AWAYの1試合平均得点は3.8とちょっと聞いたことのないデータになっている。直近5試合では広島戦以外すべての試合で3点以上のノルマを達成しており1試合平均で3得点という数字。これだけ聞くと完璧なようだが名古屋戦1stレグ以外では失点しており、直近5試合の1試合平均失点は1.2とTOTALの0.7を上回っている。

対戦成績はガンバの18勝7分15敗と若干ガンバが勝ち越している。しかしガンバのHOMEとなると11勝5分4敗とガンバの圧勝となっている。フロンターレとしてはガンバから得点を取ることだけに集中し早めの時間に先制点を決めたい。

2.チームスタイル分析

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ガンバのチームスタイルは特別飛び抜けて高いものや低いものはない。最も高いのは自陣ポゼッションでリーグ6番目の数字で、シュート率はリーグ4位の数字。最も多いプレーはロングボールで34.8%。また敵陣ポゼッションの場合もロングボールが最も多くリーグトップの62.2%でダントツに多い。これらが意図して蹴っているのかそれとも蹴らざるを得ないのかはデータだけではなんとも言えないが、結果としてロングボールが多くなっている。フロンターレとしてはそのロングボールの狙い所がどこなのかは注意する必要がある。ショートパスで繋いでくるチームであればハイプレスで対応できるが、そのロングボールが低い弾道でシミッチ脇やWG裏を使われると厳しい。ガンバの苦手なプレーはショートカウンターと中央攻撃。これらのシュート率は20位と19位。どちらの指数も高くはなくシュート率も低いため、おそらくボールを奪った後はポゼッションの確立が優先事項。

3.攻守のスタッツ

チャンス構築率:シュート数/攻撃回数で1回の攻撃でシュートに至る確率を表している。
PA内シュート率:PA内シュート数/PA侵入回数で1回のPA侵入でシュートに至る確率を表している。
成功率:ゴール数/シュート数で1回のシュートがゴールに至る確率を表している。

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ガンバは得点力不足だと書いたが攻撃のスタッツは上のようになっている。攻撃回数は119.5回で12位ということでトランジションの多いチームではない。またボール支配率は52.9%でフロンターレの52.7%とほぼ同じ。つまりフロンターレは奪われても奪い返すトランジションの増加により支配率を高めている。フロンターレとしては先述したようなガンバのペースにさせないためにも即時奪回でショートカウンターなどハイテンポな試合展開にしていきたい。ガンバの攻撃の問題点はチャンス構築率が低くPA進入回数も低いことから相手を崩すことができていないことにある。特にチームスタイルの敵陣ポゼッションが低いことから大分と同じようにボールを前進することに問題点があるように思う。さらにシュートを打てたとしてもその成功率は2.6%で最下位。チャンスの質が悪いのかシューターの質が悪いのかはのちほど。
補足:フロンターレのPA内シュート率は前節から0.3%の低下だが順位は7つも下がっているためこのデータの信用性はもう少し考えていく必要があると思います。

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続いて守備面のデータ。ガンバは失点が少なく良いデータを残している。しかし中身を見てみるとこの守備の危険性がわかる。ご覧の通り被シュートから被PA内シュート率まではすべてボトムハーフの順位。しかし被シュート成功率が4.4%で2位という成績のため失点が少なくなっている。相手にボールを自由に持たせシュートを打たれてしまっている。それをシュートが打たれた後のプレーで失点を減らしている。つまり東口がガンバの守備で大きな役目を担っている。東口のセーブCBPは3位の6.15。東口が怪我などで離脱してしまった場合ガンバの失点は急増してしまう。
一方でフロンターレの被シュート成功率は8位の9.3%。相手のチャンスの数と質を下げることで失点を減らしている。

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ガンバは『チャンスの質が悪いのかシューターの質が悪いのかに対する答えは両方だ。ゴール期待値はワースト3位でゴール期待値と実際のゴール数の差-0.595はダントツの最下位。シュート機会が少ないためゴール期待値が少ないというのも考えられ、その少ないチャンスをものにできていない。その結果1試合平均0.3得点という数字になっている。守備面においては先述したようにシュートを多く打たれており、被ゴール期待値1.445は16位の数字。しかし東口のセーブにより実際の失点は0.6でこの差-0.845はリーグダントツのトップ。1試合でだいたい1点分のチャンスを防いでいることになる。

4.得失点のプレー割合

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はっきり言って参考にならないと思います。ガンバは2得点のみでその内1点はPKからの得点であるためオープンプレーでは1得点しかしていない。得意なプレーが何かがつかめない。これがゴールではなくシュートだったらわかるのに...
無理矢理解釈するならチームとしてゴールを決める形が決まっていないから意思統一ができずゴールが少ない。かなり無理矢理だが。
フロンターレの失点に関してはクロスからが最も多く4回で全体の40%。前節の名古屋もマテウスと森下や吉田で狙ってきておりそれで失点してしまった。

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こちらもガンバの失点が少なく参考になるかわからないが、ガンバの失点にない主なパターンはPK、セットプレー、ショートパスやスルーパスだ。これらはどのチームも失点の大きい割合を占めることが多くガンバは良く守れていると言える。特にPK、ショートパス、スルーパスなどからの失点は完全に崩された時に起こるプレーであり、実際にそれらのシュートは多いはずなのに少ない。これはポイントかもしれない。となるとフロンターレとしてはダミアンを使ったクロスで得点したい。

5.シュートエリア

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フロンターレの得点力の原因がPA中央でのシュートが多いこと。ガンバは逆にそれが少ないため得点が生まれないとも考えられる。またガンバはPA左のシュートが右に比べて多く右が5回に対して左が11回となっている。チームスタイルでは左サイドと右サイドに大きな差はないが、小野瀬の攻撃CBPが倉田よりも高いことを考えると右で崩して左でシュートが多いのかなと。あまりわからないが。

6.まとめ

今回は軽くガンバについてデータからわかることを見てきた。正直言ってどこに問題があるかはわかるが、チームとしてどんなスタイルがあるか明確に見えてこない。自分の力不足もあるがこれがデータで全てわかるわけではないことを表していると思う。
ガンバがホームでリベンジを達成してホーム初勝利となるのか、それともフロンターレが強さを見せつけるのか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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