孤独のグルメに学ぶ、欲求の満たし方

スマホのアラーム音を、『孤独のグルメ Season3』の曲『Still alone』にしています。この曲を聴きながら町を歩くだけで、さながら自分がゴローちゃんになったかのような気分になれます（笑）。

ドラマをSeason3から旦那と共に見始め、深夜の飯テロに二人で悶絶し、夜食を食べてしまって体重を増やすルーチンも出来たほどに『孤独のグルメ』は好きな番組です。
Season4に登場した焼肉屋「大幸園」さんに実際行きましたが、あまりのおいしさにここを越える味とコスパのお店が見つからないほど。東京に行く際にはまた必ず行きたいお店です。
肉をかっこめるだけの健全な胃をキープしておかねば。

食欲ダイレクトアタックの『孤独のグルメ』。主人公の井之頭五郎氏ことゴローちゃんの行動に、色々学ぶ所が多いなとドラマを見ていて思います。
ネットで盛り上がる様々な名言（迷言？）が特徴ですが、非常に有用なのがこれ。

「俺は今、何腹なんだ」

仕事の最中や終わりがけに己の空腹を認識するゴローちゃん。食欲に忠実に、食べたいメニューを扱っているお店を歩き回って探します。
中途半端に「まぁこれでもいいか」と妥協は絶対せず、自分が食べたいものを精査して最も満足できるメニューを探すための問いかけです。

食べ物のみならず、自分が何を一番大事にしたいのかと突き詰めて決める行動が、情報の溢れる現代で常に求められます。
やりたい事が沢山あるのはいいものの、ありすぎて行動が迷走したり、優先順位がおかしくなってしまう。結果、目的を見失ってしまってはよくないなぁと感じます。

人間、何かを決めたり選んだりする行為に、かなりパワーを使います。決める事が大変だからこそ、「まぁこれでもいいか」と適当に選んでしまったり、決定を先延ばししてしまうのかもしれません。
決めないまま物事を抱えている状態は、ずっとその対象に意識を向け続けている（悩み続けている）ことになるので、出来るならサクッと決めてしまう方が良いのですけどね。

例えば、人生におけるファクトを究極的に突き詰めて、もし「今後一生のうちにやれる事一つしか選べないよ！」と言われてしまったら。
私は旦那や身内友人に心配をさせず生きる、を選びます。そのために趣味の文章やイラスト、noteが出来なくなっても仕方ない。
逆に考えれば、心配や迷惑をかけない（範囲で）ならそうした事はやってもよいと考えているな、と認識しました。

一時流行った『究極の選択』のように、このジャンルに関することでたったひとつ選ぶなら……人間関係をとるか、自分のやりたいように行動する方か……など、人の数だけ優先順位の違いがあるはずです。でも、自分の行いや言動が正しいと過信した瞬間、それは振りかざす正義に変貌します。
そういう時にもまた、ゴローちゃんの素晴らしいセリフがあるんです。

「なるほど、そういうのもあるのか」

一般的にはこの料理に使われないソースがかかっている、見たことのない食べ合わせをしているお客がいる、といったシチュエーションにゴローちゃんは何度も出会います。
その時に「何だあれは、ありえないだろうあんなの」と決めつけて対象を否定せず、「ひょっとしたらそれもおいしいのかもしれない」と考えることで、許容の幅を広げられる素晴らしいセリフだと思うのです。

ゴローちゃんこれらの言動のおかげで、私の考えは以前より広がりました。ありがたいことです。
「俺は今、何腹なんだ？」と、自分が何を求めていてどれくらい実行可能なのか。何をすれば満たされるのかを、妥協せずに精査していきたいです。
……ほとんどの事は、5000兆円くらい財があれば解決する気がしますけどね！（笑）

最後に余談をひとつ。
旦那と籍を入れることを考えた時、何をされたら一番嫌か、を互いに話し合いました。
『家族や友人、お世話になった方を馬鹿にされる事』で一致したので、そこは一つの信頼になるなと思って今があります。
違う観念であっても土足で踏み入ることなく、相手の考えを見極めて話が出来る人間になりたいです。

双方のために良い意味で妥協したり、歩み寄るためのバッファのある人間でいたい。人生は死ぬまで勉強なので、できるだけ自分に手を入れ続け、価値観はアップデートし、悪いほうに揺らがないヒトであり続けたいです。

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