見出し画像

退院日が決まった時。

2020年3月になった。

身体の状態はかなりいい。胸は苦しくない。体重の増減も落ち着いていたし、身体が軽く感じる。

3月2日月曜日の朝。朝の回診で訪れた主治医が
「明日の検査で何もなければ、明後日退院にしましょう」
といった。

なんと嬉しい事か・・・!

3週間近くも病院の部屋で過ごしていて、一時は状態も悪くなって、先行きの見えない日々を過ごすのは、本当に苦痛だった。

なんでずっとベッドの上にいるんだろう。
息が苦しい。
眠れない。
点滴が刺さっているところが痛くなってきた。
この薬だと、腕が痛くなるから嫌だ。
ごはん美味しくない。というかもう食べたくない。
外の空気が吸いたい。
部屋の外から笑い声が聞こえる。楽しそう
ずっと1人。寂しい。

いろんな感情が入り交じり、自分自身をコントロールできない日もあった。
その時は、苦しくても頑張って作っていた「笑顔」を出すこともやめた。
そんな日々を思い出すと、涙がでる。

しかし、退院が2日後に決まり、気持ちはとても晴れやか。
その日の朝ごはんも、すごくおいしく感じて、久々に完食した(笑)

退院日が決まるだけで、こんなにうれしいって思うんだな。
真っ暗なトンネルをずーっと歩いているような感覚だったけど、ようやく出口の光が見えて、すごく安堵している自分がいた。

今まで、自分が関わってきた患者さん達も、みんなこんな気持ちだったのだろうか・・・
医療従事者として、退院までの関わり方も変わるような気がした。

<続く>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?