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「SHOWROOMを世界に通用するプロ集団に」COO唐澤俊輔が目指す組織

COO 唐澤俊輔のキャリアには、“激動”という言葉がよく似合います。

日本マクドナルド株式会社に入社し、28歳のとき史上最年少で部長に就任。経営再建中に社長室長、マーケティング部長を歴任。株式会社メルカリで執行役員VP of People & Culture 兼社長室長として、組織開発や国内外事業の成長戦略の立案・実行に貢献。その後、SHOWROOMのCOOに就任しました。

過去のキャリアにおいて、数多くの重要な経営施策を担ってきた唐澤。その経験を生かし、SHOWROOMでは経営執行や事業推進、マーケティング、人事総務、広報、財務経理など、多種多様な施策を牽引しています。

なぜ唐澤は、SHOWROOMで働くことを選んだのでしょうか。そのきっかけには、CEO 前田裕二との“出会い”がありました。


メルカリ山田・小泉を越えるコンビに、前田・唐澤ならなれる

――唐澤さんは、前田さんと出会われたことが、SHOWROOMへの転職を決める契機になったとか。

唐澤:グロービス経営大学院(以下、グロービス)時代の同窓生から、前田を紹介してもらったんですよ。急に連絡が来て「会ってみない?」と言われて。前田は有名ですし、さまざまな場で素晴らしい登壇をしていましたから、話をしてみたい経営者の1人でした。

僕、彼のことは直感型というか、右脳派で天才肌の人間だろうと考えていたんです。でも、そうじゃなかった。話してみると、すごく右脳と左脳のバランスが取れた人間だとわかりました。4象限のマトリックスなんかを使って事業のことをロジカルに説明するし、資金調達の予定や財務の話も数字を交えて精緻に話す。一方で、ロジックだけではなくて直感も大事にしている。

極めてビジョナリーに「努力がフェアに報われる社会」をつくりたいと熱っぽく語ってくれました。彼の話に胸を打たれたというか、「だれかの夢を応援する仕事って、いいものだな」と思えたんですよね。

――前田さんから「SHOWROOMのCOOになってほしい」と打診されたそうですが、引き受ける決め手になったのは何でしたか?

唐澤:帰ってから、前田と僕は紹介してくれた友人に感想を送ったんですよ。すると、その内容がぴったり一致していて。お互いに「この人と一緒に組めば世界をとれる」「右脳と左脳のバランスがすごくいい」という感想を持っていました。

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お互いの価値観のベースが似ているな、と思いました。それに、思考パターンが近い一方で、お互いのスキルセットは良い意味で異なっているんです。外に出ていくのが得意な人間と、内側を整備するのが得意な人間、というか。

彼は天才的な人たらしで、外に出かけてはたくさんの仲間をつくって帰ってきます。エンタメ界の方々とか、メディアの方々とか、数え切れないほどの人が前田裕二を応援している。彼に会ってみて、みんながそうなる気持ちは僕にもわかりました。実際に僕も、彼のファンになったんですよね。

前田の強みがそこにあるならば、最大限生かしてほしい。どんどん外に出て、仲間をつくってほしい。僕は逆に、社内をとりまとめて強い組織をつくる役割をすべきだというビジョンが見えました。だからこそ、一緒に経営をやる決意ができたんです。

――まさに、運命の出会いですね。

唐澤:それに僕は、企業経営にずっと携わりたかったんですよ。そのために、前職のメルカリで働いていました。スタートアップとして圧倒的な成長をしている組織で学びたいと思ったし、山田進太郎さんと小泉文明さんがどういう経営をしているかを見たかったから。

あの2人から、僕はたくさんのことを学ばせてもらいました。その経験をふまえて、今後は自分が新しい環境で経営を実践したいと思ったんです。「山田・小泉を越えるコンビに、前田・唐澤ならなれるよね」って約束をして、前田と握手しました。


その施策は、本当に自分がやりたいものなのか?

――なぜ唐澤さんは、企業経営にそれほど強い興味を持たれたのですか?

唐澤:新卒入社した、日本マクドナルドでの経験が大きく影響しています。

僕がマクドナルドに入社した時期は、社長が藤田田さんから原田泳幸さんに変わり、企業としての変革期を迎えていました。経営者が考えた方針に沿って、組織や人の様子がどんどん変化していくのを目の当たりにして。「経営って、すごいな」と実感しました。

数年ほど働いた後、28歳のときに史上最年少で部長になりましたが、担当した大きなプロジェクトで大失敗をして。その経験から、多くのことを学びましたね。

――どのようなプロジェクトだったのですか?

唐澤:マクドナルドのカウンターに置かれているメニュー表が、一時期なくなったことを覚えていますか? あの施策、僕がやったんですよ。

――覚えています。かなり、有名な施策ですね。

唐澤:あの施策に取り組んだのは理由があって。お客さんが列に並んでいるうちに、頼むものを決めていただいて、ゆとりを持ってオーダーしてもらいたかったからです。

カウンターに来てから急に頼むものを選ぶと、焦ってしまって欲しいものを買えないケースがあるから、デメリットが大きいんですよ。世界中のマクドナルドのなかで、カウンターにメニュー表を置いているのは日本だけでした。

社長の原田さんも「廃止した方がいいんじゃないか」という仮説を持っていました。だからこそ、当時の僕は施策を実施したんですね。100店舗以上で事前にテストをして、全然問題なくて、良いこと尽くめで。「めちゃくちゃ良い企画だな」と思ってリリースした初日に、SNSでのある投稿が問題になりました。

クルーのアルバイトの方が「カウンターのメニュー表がなくなって不便になりますけど、みなさんよろしくお願いします」という趣旨の書き込みをしたんですよ。それが、ものすごい勢いで拡散されて。世の中から「マクドナルドはお客さんを不便にさせてまで、回転率を上げて儲けたいんだろう」という見方をされてしまいました。

――ショッキングな経験ですね。

唐澤:反省点はたくさんあって。なかでも「全店舗にいるクルー全員に、その施策の意義を浸透させられていなかった」ことは、最も良くなかった点です。

「不便になる」とそのクルーが書いていたのが、その事実を如実に表していて。便利になるはずの施策だったんです。でも、現場でお客さんの目の前に立つクルーに「不便になる」と認識させてしまった時点で、ダメですよね。施策の意図を、全員に理解してもらえていなかった。

そのときに、僕はハッと気づいたわけです。「この施策は、原田さんがやりたいと言っていたことだし、いろんな経営陣とも議論して決めた。けれど、僕は本当にこの施策をやりたかったんだろうか?」と。

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要するに、組織のリーダーは心から自分がやりたいと思える施策をやらないとブレるし、組織を引っ張っていけない、と学びました。自分のリーダーシップは、まだまだ弱かったですね。それが、29歳の頃です。


成功体験が生まれれば、メンバーの目の色が変わる

――その後、リーダーとして成長するために何をしましたか?

唐澤:自分の視野を広げたいと思って、マクドナルドで働きながらグロービスに通ったんですよ。グロービスで2年間学ぶなかで、僕は「プロの経営者になろう」と決めました。企業の環境を改善して、みんながもっと楽しく、生き生きと働ける組織をつくりたい。その結果として、業績がよくなっていくような好循環をつくりたい、と。

――唐澤さんのマインドに、大きな変化があったわけですね。

唐澤:他にも、マクドナルドでは経営や組織づくりについて多くのことを学びましたね。その後、2014〜2015年頃のマクドナルドは異物混入などのトラブルが発生して業績が落ち、過去最高の赤字を出しました。僕は2015年1月に社長室に異動した後、2016年にマーケティングに戻って、業績の立て直しをしました。

そのときに感じたのは、業績が悪いときは社員が下を向いて仕事をするし、雰囲気も暗くなるということです。すごく印象的だったのが、みんな会社に来てもオフィスの電気をつけないまま働くんですよ。

――心理状態が、行動にも表れてしまうわけですね。

唐澤:どうしても守りに入ってしまうので、マーケターが考える施策も平凡なものが多くなります。例えば象徴的なのが、ユーザーアンケートなどで、お店に来なくなったお客さんに「なぜマクドナルドに行かなくなりましたか?」と質問してしまうんですよ。つまり、みんな不安な気持ちになっているから、欠点潰しをしてしまう。

そうすると「体に悪そう」と言われるから「野菜が多めに入ったハンバーガーを提供すれば、売れるかも」と考えるわけです。結果、全く売れない。だって、野菜が食べたかったら、マクドナルドじゃなくてもいいですからね。

僕がマーケティングに戻ってからは、その雰囲気を全部変えようと考えて。肉厚なビーフが食べられる、楽しくて元気なマクドナルドに戻そうと思ったんです。強みを打ち出して、楽しくてSNSでバズるような企画を出していこうと、大きく方針転換しました。

すると、組織のなかにいるのは同じ人のはずなのに、どんどん良い企画が出てくるんですよ。そして、良い結果が出る。成功体験が生まれるとみんな自信を持つので、さらに面白いアイデアを考えられるようになります。

社員の目の輝きがどんどん変わるので、組織の力ってすごいなと感じました。「プロの経営者として、こういう立て直しをたくさんして、みんながモチベーション高く働けるような会社をつくりたい」という気持ちを、僕はさらに強くしました。


人事制度に必要なのは、カルチャーやバリューとの一貫性

――その後、唐澤さんは2017年9月に株式会社メルカリへと転職されます。2018年4月からは執行役員VP of People & Culture 兼 社長室長として、人事全般やカルチャーの浸透などの組織開発を行っていたとか。組織開発を通じて学んだことのなかで、特に自分の糧になったものはありますか?

唐澤:企業のカルチャーやバリューの重要性。そして、採用の重要性を学べたことですかね。

人事制度って、企業の持つカルチャーやバリューとの一貫性がなければダメなんです。そうでなければ、1つひとつの施策が目指す方向性がブレてしまって、ツギハギのような状態になってしまいます。企業経営における軸をしっかりと定めて、その内容に沿った人事制度を考えていかなければ、ダメなんです。

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例えば僕はメルカリで、昇給幅に上限を設けない「無制限昇給制」を設けましたが、これが良い例で。この制度は、メルカリの「Go Bold(※)」が反映されています。

※……これまでの慣習や常識に囚われずに、より良い企業・事業を目指すために大胆にさまざまなものを改善していく、ということを意味するバリュー。

このバリューがあるからこそ、たとえメンバーとの議論で「上限なしは怖いんじゃないか?」「昇給幅は○○万円までにしよう」などの反対意見があったとしても、「でも、それはGo Boldじゃない。変化を恐れずに大胆に変えていく方がメルカリらしい」という判断ができるわけです。

つまり、会社で行われる全ての意思決定がバリューに基づいて行われ、全ての施策に一貫性がある状態が理想です。そうすることで、たとえどの社員が判断しても、意思決定の軸がブレなくなります。

――非常に納得感があります。もう一方の“採用の重要性”はどのような理由でしょうか?

唐澤:採用は、企業にとって不可逆な意思決定なんですよ。他の意思決定とは重みが違う。人の人生を背負うわけですから、無かったことには絶対にできません。

だからこそ、たとえ誰かから「社員を○○名採用しよう」と言われたとしても、いったん立ち止まって「本当に○○名の採用が必要なのだろうか。それはどうしてか」を真摯に考える姿勢が、採用に携わる人間には求められます。その姿勢の重要性を、メルカリでは学びました。


「努力がフェアに報われる世界」を信じて働く

――唐澤さんは「SHOWROOMで活躍してくれそうな人かどうか」を、採用においてどのように見定めていますか?

唐澤:もちろん職種ごとの違いはありますが、全職種において共通する要素について話すと、まず「自分で変化を生み出していけること」や「変化に対する耐性が備わっていること」が非常に重要です。それは、僕たちが日々変化し続けており、かつ変化することが是であると会社として捉えているからです。

僕たちが属しているテクノロジーやエンタメという世界は、変化のスピードが非常に速いです。かつ、SHOWROOMの業務ではさまざまな提携企業との調整が必要になるからこそ、それに起因した変化も数多く起こります。

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例えば、我々が「Aの施策をやりたい」と思っても、パートナー企業は「Bの施策をやりたい」と考えるケースもあります。調整していく過程でCやDになり、最終的にFという全く別のプランに着地することも頻繁にあって。こうした変化に耐性がなければ、SHOWROOMで働くのは大変だろうと思います。むしろ、その変化を楽しめる人であってほしい。

他には、「相手に喜んでもらいたい」というスタンスで、日々の仕事に打ち込める人であることも重要です。SHOWROOMの業務って、他社と組みながら事業を進めたり、パフォーマーやサポーターのことを考えて施策を打ったりと、気を配るべき対象が多いんですよ。だからこそ、「目の前にいる相手に、どうしたらもっと喜んでもらえるか」を自然に考えられる、サービス精神の旺盛な人がいいですね。

それから、やはりミッションである「努力がフェアに報われる世界を創る」への共感が大切です。僕らは、この軸をベースに全ての施策を考えていますから。この世界観を実現していくことの喜びを、僕自身が日々感じているし、そこに喜びを感じてくれるメンバーばかりです。これから入社してくれる人にも、同じマインドを持っていてほしいなと思います。


夢を叶える会社だからこそ、社員のみんなも夢を持ってほしい

――今後、COOとしてどのような目標を持っていますか?

唐澤:各専門領域のメンバーたちを、世界に通用するようなプロフェッショナル集団に引き上げていきたいです。

いまのSHOWROOMは、もともとDeNAの事業から派生した子会社なので、DeNAの力を借りている部分や依存している領域も大きいです。まだまだ、組織としての成熟度は高くありません。でも、これからDeNAの連結から外れ独立した会社になっていくからには、企業として自分の足で立たなければいけません。だからこそ、みんなの力を合わせながら、組織を強くしていく必要があって。

その先の未来として、毎年のように新規事業を生み出せる組織体制を構築していきたいです。各事業部のメンバーが個としての強さを持って、自走しながら事業を推進していける。かつ、それぞれの部署がシームレスに協力しあえる。そんな組織にしたいですね。

それから、将来的にはグローバルへの事業展開も視野に入れています。これまで、数多くの日本のスタートアップ企業がグローバル化に苦労してきましたが、理由は簡単で。「なぜ、日本の企業が海外に出ていって事業をやるのか」という必然性がないと厳しいんです。その大義名分がなければ、現地の企業がその事業をやった方がいいですからね。

その前提をふまえて、なぜ僕たちが世界を目指すかというと、「日本のコンテンツは、すでに世界中の方々からの人気を得ている」という必然性を持っているからなんですよ。

例えば、SHOWROOMが業務提携しているジャニーズさんのアイドルグループは、アジア各国でも人気があります。彼らと一緒にアジアに進出する未来は、近い将来にやって来るはずです。それに、ヨーロッパ各国ではアニメやゲームといったクールジャパン文化の人気があり、僕らがやっているバーチャルキャラクター関連の事業が普及する土壌があります。

つまり、SHOWROOMは日本のエンタメとテクノロジーをかけ合わせて価値を創出する企業だからこそ、世界に出ていく必然性があるんですよ。僕はそこに、大きな可能性を感じています。

――その夢が実現した未来が楽しみです! 最後に、SHOWROOMをともに育てていく、社員のみんなにメッセージをお願いします。

唐澤:僕は入社したての頃、SHOWROOMは「前田裕二が持つ大きな夢を、社員みんなで応援して叶えていく会社」だと思っていました。でも今は、そうじゃなく「社員みんなが主役で、それぞれが自分の夢を叶えられる会社」になってほしいと考えていて。誰かの夢を応援する会社だからこそ、みんなにも素晴らしい夢を持ってもらいたい。夢を実現するためにSHOWROOMで働いてもらえたら、とても嬉しいです。

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SHOWROOMでは第二創業期を担うメンバーを積極的に採用中です

プロフィール

唐澤俊輔(SHOWROOM株式会社 COO)
大学卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社。28歳にして史上最年少で部長に抜擢される。経営再建中には社長室長を務め、チェンジ・エージェントとして組織内部からの変革を推進。その後、マーケティング部長として、マーケティング戦略策定から新商品プロモーションの実行に責任を持ち、全社のV字回復を果たす。
2017年9月より株式会社メルカリへ。2018年4月より執行役員VP of People & Culture 兼 社長室長。採用・育成・制度設計・労務といった人事全般や、カルチャーの浸透といった組織開発の責任者を務め、組織の急成長やグローバル化を推進。
2019年11月よりSHOWROOM株式会社でCOO(最高執行責任者)として、既存・新規双方の事業成長を牽引すると共に、コーポレート機能全般に責任を持ち、事業と組織の成長を推進する。
グロービス経営大学院 客員准教授
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「努力がフェアに報われる世界を創る」というミッションを掲げ、ライブ動画ストリーミングプラットフォーム「SHOWROOM」などを運営しています。現在、第二創業期を担うメンバーを積極採用中。 【採用ページ】 https://recruit.showroom.co.jp/
コメント (1)
僕も入社させて(*'ω'*)。
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