創造的な会話の入り口に、キックスタート・クエスチョン〜The Coaching Habit
『The Coaching Habit』から、すぐに使えるシンプルなKickstart Question(会話の出だしに使う質問)を紹介。
コーチングというと構えてしまうところもあるので、ここでは「より創造性をもたせ、建設的な実りのある会話」に役立つコツ、tipsとします。
実際、この本はそういうふうに誰もが「実践」できてこそ、という点に重きを置いているので、紹介されている7つの質問は取り入れやすいかと思います。
ここでは7つの質問は紹介しませんが、とくに使いやすい最初の質問「キックスタート・クエスチョン」と、この質問と合わせて使うのに便利な「3Pモデル」というフレームワーク(枠組みのようなもの)を。
実際、この質問とその使い方、意図を何人かに伝えたら早速効果があったと嬉しいフィードバックがありました。
会社組織に限らず、知人や友人、パートナーにも使ってみることを著者もすすめています。
キックスタート・クエスチョンは
What's on your mind?
です。
Facebookを英語表示に切り替えると投稿エリアにこの文言が表示されますね。(日本語表示の場合には“いまなにしてる?”)
(余談ですが日本語には「関西」版もあって、これを設定するといろいろと関西弁チックになって面白い)
この文言、一時期は(短期間ですが)別の文言だったこともあります。でも、わりとすぐにこの文言に戻りました。
このことも示しつつ、The Coaching Habitの著者はマーク・ザッカーバーグとそのチームが “What's on your mind?” が最適な質問の文句だと(データからも)結論づけたのではないかと推測しています。
日本語訳の「いまなにしてる?」でも伝わりますが、微妙に違う感じもします。
私も英語に堪能なわけではないので断言できませんが、on your mindとあるように、いまあなたの心の中にあるのは何ですか?
みたいな感じかなと。
「いまなにしてる」だと、その瞬間に実際にしていること、行動に限定している感があるので、それよりはもっと広げた “What's on your mind?” かなと。
たとえば、それは仕事に関することかもしれないし、人間関係のことだったり、やってみたいこと、すでに取り組んでいるけれど思うようにいってない等。
Facebookの例は別にして、ただの世間話で終わらせない実りある会話の出だしには、そういったテーマのようなものをもたせてフォーカスしたほうがいいよというのが著者の提案です。(他愛のない世間話、small talkを否定はしないけれど)
Small Talk Tango(他愛のない世間話)
Ossified Agenda(硬直したテーマ)
Default Diagnosis(固定観念)
この三つ(創造的、建設的な会話の障害となる)を避けるのに、まずはでだしに “What's on your mind?” をすすめてます。
それでも、この質問をしたからといって必ずしも創造的な会話がすぐにはじまるかといえばそんなことはないでしょう。
もしかしたら「さっき食べたランチの味がいまいちだったことを悔やんでる」とか「眠いなぁと思ってた」なんて答えが返ってくるかもしれません。
これを防ぐのに「3Pモデル」というフレームワークを併用します。
Projects
People
Patterns
この三つの単語の「P」ですね。
What's on your mind?
に対する回答に、この3つのP、いずれかをあてはめます。それによってフォーカス(いずれかのPの領域に)を与え、会話の意味、方向性が決まります。
Projectsはそのまんま「プロジェクト」ですが、より具体的に示すといいでしょう。いま取り組んでいることだったり、やりたい、やろうとしていることだったり。もちろん「プロジェクト」だからといって仕事関係に限りません。個人的なことにおいてもプロジェクトはありますから。
Peopleは人、ようするに人間関係ですね。
Patternsは思考や行動のパターン、習慣として考えるのがいいでしょう。良い悪いは別にして、日頃から繰り返している定型のパターン(考え方、話すこと、行動などなど)について。
どれが先、どれがその次ということではなく、まずはこの三つの領域のいずれかに焦点をあてて、“What's on your mind?” を使います。
この3Pモデルを併用することで、ただ “What's on your mind?” と質問するよりも、より早く、的確に問題やそれに必要な取り組みに光を当てることができると著者は言います。
これだけだったらたしかにすぐ使えそうです。
「コーチング」と構えることなく、気軽に知人や友人、仕事場の同僚に意識して使ってみたらどうでしょう?