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アイドルネッサンスのカバー全曲感想

※ この記事は2020/2/24にアメーバブログで公開したものに一部手を加えたものです。

ちょうど2年前の2018/2/24。アイドルネッサンスが解散した。
アイドルネッサンスのカバーした楽曲について思うところを書いていきたい。
なお、出典が明示できていないものや、強引過ぎるこじつけが多いので、そういうのが苦手な方は読まないことをオススメする。(恒例)
また、これまで以上に個人的な感想味が強く、思い入れのある曲がボロクソに書かれている可能性もあるので、そういうのが苦手な方も読まないことをオススメする。
参考:1年前の記事「アイドルネッサンスとはいかに作られたのか」

1. 17才(Base Ball Bear/2007年)

メンバにこの曲を歌わせたのをきっかけに、運営が名曲ルネッサンスの方針と決めたという始まりの曲。
煌めきだけでなく、不安や葛藤、哀しみなど混在した曲だが、おぼこい彼女たちにかかることで青春性が前面に出た感がある。
白い衣装で清楚な雰囲気なのに、指差し乱発で「覚えてしまったABC」などと歌う倒錯した曲で、その点でもカオスを表現している。

2. どかーん(真心ブラザーズ/1990年)

振り付けが分かりやすく楽しい楽曲で、曲の短さからかソロパートが無いのが特徴。
アイドルとしての振る舞いを表した歌詞と爆発力ある楽曲がなかなかマッチしていた。
ただ、終わり方でライブの流れを断ち切ってしまう欠点から披露されることが無くなったため、ファンのアンコール「どかんと一発!アンコール!」やメンバの気合い入れ「どかーん!和気あいあい!」の方が聞く回数は多かった。

3. 愛のしるし(Puffy/1998年)

「変なおじさん」をオマージュした少しダサめの振り付けで、「どかーん」と同じく曲が短いからかソロパートが無い。
そこまで彼女たちにフィットせず、盛り上がりもエモさも中途半端で印象が薄い。分かりやすいPPPH曲。

4. 初恋(村下孝蔵/1983年)

石野さんが全編にわたり歌い、他のメンバが代わる代わる寄り添うように歌う楽曲。サビ終わりの腰振りダンスが特徴的。
ピュアな彼女たちに甘酸っぱさ漂う楽曲が合っており、アイドルネッサンス初期の聞かせる曲代名詞でショッピングモールで歌うと中高年の方が足を止めることがあった。

5. 恋する感覚(Base Ball Bear -feat.花澤香菜-/2013年)

振りコピがとても楽しく盛り上がる曲で、人気も高く披露された回数はかなり多い。シングルCDにも収録された。
「金曜日のおはよう」と並び、非アイドル曲でありながら彼女たちのキラキラしたアイドル性を最も発揮している。

アコースティックバージョンも披露されたことがあり、歌詞にマッチして切ない「恋する感覚」になっていた。

6. ミラクルをキミとおこしたいんです(サンボマスター/2013年)

コールやジャンプなど非常に盛り上がる曲で、特にコール&レスポンスが楽しい。
アイドル活動で「ミラクルをおこす」というメッセージ性から、新人公演の優勝やチケット完売などの目標とともに語られることも多かった。
見所は2番最初の部分でメンバがしゃがみながら歌う部分で、メンバと目の高さが合いドキッとするところ。

7. Butterfly(木村カエラ/2009年)

恋愛ではなく結婚をイメージさせるこの曲をアイドルにカバーさせる運営センスに唖然とさせられるが、彼女たちには神の使い属性があるので儀式としての観点ではありかもしれない。
サビの振り付けが羽をイメージしていると思われるが、マイクを持っており片手でやるため蛇のポーズにしか見えないのが残念。
見所は間奏部分でメンバが一直線になった時、最前の南端さんがはにかむところ。可愛い。

8. 夏の決心(大江千里/1994年)

大江千里さんとメンバのピュアさが奇跡的にシンクロした曲で、アイドル活動できる少女の煌めきを夏休みに置き換えているのが特徴的。
夏の楽しさ、盛り上がり、刹那さ(切なさ)、エモさが揃っており、原曲にはない落ちサビが特にエモい。

新人公演では1回だけ落ちサビを新井さんが歌ったことがある。(動画なし)

9. PTA〜光のネットワーク〜(ユニコーン/1990年)

Aメロで各メンバにソロパートが1つずつあり、メンバもファンも歌っているメンバを指さすという面白い曲。
TM NETWORKとアイドルであった光GENJIのパロディを、更にアイドルがカバーするというメタ構造にもなっている。(後で述べるがこのパターンが何曲かある)
振り付けにおいてもメンバがメンバを指差しするある意味メタ構造になっている。
見所は、百岡さんが自分の顔を触りながら自分で歌う「美人の生徒にゃ手が出せない」の部分。可愛さの説得力があった。

橋本さん不在時に冒頭のセリフ部分を百岡さんが担当した時が非常に可愛かった。

10. 太陽と心臓(東京スカパラダイスオーケストラ/2012年)

最初はコールが少なかったものが、イントロや最初の比嘉さんパートなどコールが増えていき、最終的にはサビをシンガロングするという季節を経るごとに進化した曲。
彼女たちがアイドル(偶像)として「神様になれる」と歌った曲で、運営の大いなる野望が垣間見える。
オケの間奏トランペットは橋本さんが吹いているので、彼女の卒業後もこの曲の間奏部分で彼女がメンバにもファンにも思い出されることとなった。

11. Good day Sunshine(SAWA/2012年)

アイドルネッサンスが初めてやったあまり有名ではないアーティストの曲で、初披露時に知っているファンは少なかった。
原曲の洗練された可愛さが彼女たちに絶妙にマッチしており、ライブでも人気で盛り上がる曲だった。SAWAさんの曲はもう少しやっても良かったと思う。
見所は落ちサビの上に指を向ける部分で、ファンも一斉にやると宗教感がある。

最初期は間奏の手拍子煽り部分で手をバタバタさせるダンスをしていた。

12. ガリレオのショーケース(UNISON SQUARE GARDEN/2008年)

原曲の難解な歌詞をコール、振りコピ、ヘドバンでファンと共に吹き飛ばす、ある意味正しく解釈した初期の盛り上げ曲。
間奏のクラッピングは走りがちで、むしろファンが意図的にやっていた感もある。
見所は「偽善者も感づいちゃってさ」のパートで南端さんがファンに「コールしろよ」とばかりにグッとためを作る「て」と「さ」の間。

13. 手を打ち鳴らせ!!(THE イナズマ戦隊/2010年)

ガリレオのショーケースと並ぶ初期の盛り上げ曲。
見事に砕け散った今となっては、意地と誇りを見失っていないかを問いかけられる。
宮本さんが自身の生誕企画でこの曲を引用して涙ながらにアイドルネッサンスへの愛を語ったのが印象的。

14. シャングリラ(チャットモンチー/2006年)

曲も可愛いがサビの振り付けも可愛い。内容としては解散した今こそ彼女たちが聞く曲かもしれない。
梅田シャングリラで披露された際は異常な盛り上がりだったとか。(行ってない)
見所はこの曲センターの新井さんがイントロで手拍子しながら不敵な笑みを浮かべるところ。

15. あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう(岡村靖幸/1990年)

振りコピ、コール&レスポンスが楽しい盛り上がる曲。
冒頭のホイッスルなど原曲から最もアレンジされている曲の1つで、青春感がより増している。
彼女たちにマッチする男子一人称のクサい曲の中でも岡村さんの世界観はシンクロ率がかなり高く、運営もそう思ったのか後にもう1曲カバーすることになる。
見所は「革命チックなダンキンシュート」のパートで、振り付けがダンクシュートではなく普通のシュートなところ。

16. Lucky(スーパーカー/1997年)

彼女たちの要素に触れる部分が無いのかイマイチ入りきれない曲。
3:1:3でクラスタが分かれる面白いフォーメーションの曲で、1人で祈るように佇む橋本さんが象徴的。
原曲の男女パートも明確に分かれていて、男性パートは石野さん、比嘉さん、南端さん、女性パートは新井さん、宮本さん、百岡さんとなっており、橋本さんはコーラスを担当している。

17. SECRET LOVE STORY(氣志團/2003年)

12/25に披露された曲で、キュートさを前面に押し出した振り付けが可愛らしい。
季節感のある曲なので、とても可愛い曲だが披露回数は少なかったのが残念。
見所は間奏部分で披露される彼女たちには珍しいツイストダンス。

18. 雪が降る町(ユニコーン/1992年)

ゆっくりと長い曲の特性からか眠くなるイマイチなカバーだったので、音源化されたのが疑問に思う。
事務所の特性上奥田民生さんのカバーは多いが、大江千里さんや小出祐介さんの曲と比較すると、当たりはずれがあるように思う。

19. ドカン行進曲(己編) (THE イナズマ戦隊/2008年)

過去の名曲を復興させる彼女たちに漂う古風な雰囲気が似合う歌詞の曲だが、コール、振りコピと非常に盛り上がる。
落ちサビを含めて宮本さんをフィーチャーした曲で、彼女自身もセンターを務めた「宮本曲」として喜んでいた。

20. YOU(大江千里/1987年)

大江千里さんとの相性の良さを象徴する曲で、瑞々しさ、甘酸っぱさ、儚さ、プラトニックさ、真面目さとアイドルネッサンスを構成する要素が凝縮されている。アイドルネッサンスとして1つの完成形が見えた感のある曲。
MVは2020年2月時点でアイドルネッサンス動画では最も再生数が多く、彼女たちを代表する一曲とも言えるかもしれない。
この曲が初披露された日に運営の照井氏とこの曲とグループの相性の良さを話した際、にこやかに「プラトニックだからねえ!」と言っていたのが印象に残っておりじわじわくる。
曲の要素に反して腰を突き出す倒錯した振り付けがファンを混乱させる。

21. BANZAI(木村カエラ/2009年)

カッコいい曲ではあるのだがイマイチ乗り切れない。
木村カエラさんと彼女たちで新たな何かが生まれるとも思えず、この時点で木村さんのカバー2曲目なのが不思議だった。
見所は曲の最後でロボットのようにガシッガシッと動く振り付け。

22. テレフォン No.1(ふくろうず/2013年)

最初からがに股でグルグル回り続けるイカれた振り付けがあるが、全体としては可愛くまとまった曲。
見所はラストで石野さんが「ピポパポ」と歌い上げた後に、ぎこちない笑顔でファンに向けてじっとりと指差しすると見せかけて指差していない部分。

23. 女の子は泣かない(片平里菜/2014年)

おぼこい彼女たちがクズ男に捨てられた大学生女子の歌を歌うのが微笑ましい。
南端さんが初めて落ちサビを単独で任された曲でもある。
サビのくねりが特徴的だが、イマイチ盛り上がりにも聞かせにも欠ける。

24. 空にまいあがれ(真心ブラザーズ/1996年)

これまでに無い乾いた強い意志を感じる。内省的な風を吹かせる曲で、悪くはないがイマイチ盛り上がりに欠ける。
良い曲ではあるので、もう少し思い切ったアレンジでも良かったかもしれない。

25. 不景気(ピチカート・ファイヴ/1998年)

公式では正式にカバーされた曲扱いになっているが、ライブでは一度も披露されたことが無い。全曲披露ライブでもパフォーマンスされていない。
音源があるのみだが、歌詞自体はファンを煽るような曲で彼女たちがやったら面白そうなので、舐めた振り付けでやって欲しかった。

26. エアプレイン(ピチカート・ファイヴ/1994年)

地道に力をつけ続けていた彼女たちとは真逆の破天荒な歌詞でギャップがある。
リズムを刻みながら各メンバがそれぞれ回転する振り付けが印象的で、地味ながらメンバのダンススキルが良く分かる。
メンバが一列になってお尻を触るのもアレ。

27. タイム・トラベル(原田真二/1978年)

幻想的でSFチックで少し古臭い曲の雰囲気が彼女たちにマッチしていて、新たな名曲ルネッサンスの地平が見えた曲。
振り付けがダサ可愛いくて印象に残る。

28. Happy Endで始めよう(大滝詠一/1997年)

ふわふわした可愛らしい曲でほのぼの見ていると、落ちサビで突如かまされる指差しにあわあわする。
「夏の決心」シングルの噛ませ曲っぽさがあり、印象は薄め。
大滝詠一のセルフパロディ的な歌詞であり、それを更にカバーするのが「PTA〜光のネットワーク〜」と同じようなメタ構造となっている。

29. 太陽がくれた季節(青い三角定規/1972年)

現在で見るとダサい曲をダサい振り付けで名曲ルネッサンスした結果、ただのダサい曲になり正直失敗作だと思う。
運営もそう思ったのか披露された回数は初披露と全曲披露のみだった。

30. 夜明けのBEAT(フジファブリック/2010年)

カッコいい演出、カッコいい振り付け、カッコいい歌い方ととにかくカッコいい曲。
これに対しサビ前にファンが「それそれそれそれ!」というダサいコールを入れるのが絶妙なハーモニーを醸し出し、非常に楽しく盛り上がる。
2ndワンマンでの石野さんの曲紹介がメチャカッコいい。

31. 異邦人(久保田早紀/1979年)

多くのアーティストによりカバーされているため、目新しさは無かったかもしれない。
そのためか、聞かせるエモさがあるものの披露回数は少なかったのが残念。アイドルネッサンスとの相性は良かったはずなので、もう少しどうにかできなかったかと思う。
石野さんの声質がオリエンタルな曲に合う。

32. 7COLORS -Over The Rainbow-(PERSONZ/1989年)

青春ど真ん中のエモい曲で彼女たちに合っていた。
単調な振り付けが分かりやすくもあるが、少し飽きてしまうのがもったいない。

33. お祭りマンボ(美空ひばり/1952年)

彼女たちのカバーした最も古い曲で、初披露時は会場がどよめいた。
運営としては実験的な曲だったと思われるが、シンプルな歌詞と振り付けで非常に盛り上がる曲となり、大事な夏のフェス特にTIF2015のメインステージ1曲目で披露されるなど化けた。
後半パートは石野さんがメインとなり彼女特有の昏い表現をしているが、ラストの「わっしょい!」はオリジナルで、悲しいオチを原曲以上にお祭り騒ぎでごまかす勢いがある。

34. 虹とスニーカーの頃(チューリップ/1979年)

彼女たちにとっては背伸びした歌詞と歌唱力を求めらえる曲のため、回数を重ねるごとに成長する可能性があった。
しかし、速くも遅くもないテンポと短調(恐らく)なこと、その割に激しめなダンスでファンがどう聞いて良いか分からなくなったからか、そもそもパフォーマンス自体が全然されなかった。
そのためか、久々に披露された2017年のライブではほとんどのファンがポカンとしていた。もう少し聞きたかったもったいない曲。

35. Dear, Summer Friend(真心ブラザーズ/2005年)

「大人になれば夏は終わるかな なくならない夏はないかな」という彼女たちの活動そのものを象徴するかのような曲で、アイドルにこの曲を歌わせる運営のセンスに唸らされる。
真心ブラザーズのカバーでは圧倒的に彼女たちにフィットしており、「夏の決心」とともに夏の代表曲となった。
全身を使う振り付けも面白く、振りコピが楽しい。

36. 星のラブレター(THE BOOM/1989年)

「Happy Endで始めよう」と同じくほのぼのしたメロディが楽しい楽曲で、「Happy Endで始めよう」と同じくサビで指差しがある。
1番終わりの野本さんによる「愛してます 好きにしてよ」のパートが可愛い。

37. ガラスのジェネレーション(佐野元春/1980年)

佐野元春さんのカッコいい曲が彼女たちにかかると等身大のキラキラした曲になる。
アレンジや振り付けもそれを狙っており、特にイントロにおける「セーラー服をぬがさないで」風の動きはこの曲をどう名曲ルネッサンスするのかを宣言している。
そんな中でも石野さんにはしっかり佐野英語を歌わせており、それもなかなかハマっている。他にもハマりそうな曲があるので、佐野さんの曲はもう少しカバーして欲しかった。
見所は石野さんがゴミを見るような目で歌い上げる「つまらない大人にはなりたくない」で、つまらない大人諸君はドキッとする。

38. 流星のサドル(久保田利伸/1986年)

原曲がメチャクチャカッコいい上に、アレンジ、振り付けもカッコよさを追求した、彼女たちの楽曲の中で最もカッコよさを前面に出した曲の1つ。
特に最後のストップモーションは照明も手伝いかなりカッコいい。
せっかく踊れるメンバもいるので、こういうダンサブルなカッコいい曲をもっとやって欲しかった。

39. 若いってすばらしい(槇みちる/1966年)

「太陽がくれた季節」の失敗に懲りず、同じような昔の青春曲をダサい振り付けでカバーしてまた失敗した曲。
これには運営もさすがに懲りたようで、その後同じようなカバーがされることはなかったとさ。めでたしめでたし。

40. 季節の中で(松山千春/1978年)

勢いのある時期だからこそできた実験カバーだが、中途半端なカバーとなり披露回数はほぼ皆無だった。
原曲は古臭さがあるものの面白いので、今風にもう少し思い切ったアレンジができていれば化けていたかもしれない。

41. う、ふ、ふ、ふ、(EPO/1983年)

彼女たちが少し背伸びして歌う曲だが、可愛さが残っておりこの年頃の少女にしかないおしゃま感が出ていた。
見所は宮本さんが少し照れて小悪魔ポーズしながら歌う「悪魔したくなる」のところ。

42. 日曜日よりの使者(ザ・ハイロウズ/1995年)

良い曲にもかかわらず後半の単調な部分が印象付けられてしまう。長く感じてしまうのでもう少しアレンジしても良かった。
橋本さん卒業ライブで彼女を送り出すイメージが強い。

43. 金曜日のおはよう(HoneyWorks/2014年)

「恋する感覚」と双璧をなす彼女たちのキラキラを最大限に表現する可愛い盛り上がり曲。
メンバの煽りやファンのコールも回を重ねるごとに成長し、特に間奏の「超可愛い」コールは爆発的な楽しさがあった。
橋本佳奈さん卒業直後ということもあり、動画サイトから火が付いた曲を初めてカバーして可能性を広げようとする運営の意思も感じる。(全然生かせていなかったが)

44. Funny Bunny(the pillows/1999年)

最初の石野さんパートからして原曲よりかなりエモーショナルなアレンジや歌い方で、この曲を聴いた中高年者が泣き崩れる姿がライブ会場で何度か目撃された。
原曲者のpillowsからライブで言及があったことから、pillowsファンからの反応も大きかった曲。(ネガティブな反応が目立っていた印象がある)
この曲をシングル表題曲としたことで、橋本さん卒業後のグループ方針をエモ系にシフトしていこうとする運営の意思を感じる。

45. Music Lovers(THE JERRY LEE PHANTOM/2003年)

非常に官能的な演出と振り付けで、「う、ふ、ふ、ふ、」の時のようなおしゃま感以上の何かが滲み出てきている。
石野さんが暴走してコーラスを入れるかどうかが調子のバロメータと噂されていた。

落ちサビでハモりを担当する南端さんが「玉置浩二風に」とディレクションされていたというのが面白い。


46. シルエット(KANA-BOON/2014年)

谷啓もビックリのサビにおける連続「ガチョーン」振り付けが印象的な、コール、振りコピともに楽しい中期の盛り上がり曲。
Aメロでファンが隣の人と肩を組むことができるかどうかが、ライブが盛り上がっているかどうかのバロメータ。

47. 二人のアカボシ(キンモクセイ/2002年)

南端さんの低音ボイスが印象的で、エモい一面もあるが独特の雰囲気もあるので使いどころが難しい。
サビの窓拭き振り付けが分かりやすい。

48. 木枯らしに抱かれて(小泉今日子/1986年)

初めてアイドルの歌をカバーした曲。それがアイドルっぽくないこの曲なのがアイドルネッサンスらしい。
「異邦人」同様に石野さんの声がハマっており聞かせる。雰囲気はあるので秋にもう少し聞きたかった。

49. リベンジ(WANIMA/2015年)

メロコアのカバーで更に可能性を広げようとした曲で、ハマれば盛り上がるが空振りもあった。

曲終わりのストップモーションがカッコよく、この曲の後に「シルエット」が来るとキマる。

50. スパイダー(スピッツ・1994年)

爽やかなギターのメロディと童貞の妄想じみた歌詞が中性的な要素を持つ彼女たちに絶妙にフィットした曲で、特に何層にも重なるコーラスからの落ちサビが聞かせる。
彼女たちによって青春ソングとして昇華された曲は多いが、その中の代表的な1つ。

メンバもお気に入りなのか楽屋で歌っている動画も素晴らしい。

51. ベステンダンク(高野寛/1990年)

グループの特色を体現するかのような曲でアルバムの表題曲としてはピッタリ。
ただ、選曲センスは良かったが、いかんせん長いのと意味不明なMVが難点か。
サビ前のコーラスが2声になっていてメインと合わせると3声になっているのが印象的。

52. Yeah! Yeah! Yeah!(androp/2015年)

アイドルっぽい爽やかな楽曲で振り付けやコールも楽しいが、他の曲と比べると軽薄に映ってしまいイマイチハマり切れなかった曲。
見所は間奏で走ってしまうファンのクラップ。

53. STILL LOVE HER (失われた風景)(TM NETWORK/1988年)

TKサウンドでよくぞこれを選曲したと感心する。
素直なカバーだが彼女たちなりの雰囲気が出ている良曲で、非常に聞かせる。
が、長いからか披露回数は非常に少なかった。とてももったいない。

54. Rain(大江千里/1988年)

大江千里全三部作の完結編。大江千里楽曲に関しては全て大ハマりさせる運営の手腕が光った。
楽曲の切なさを最大限に生かす絶妙なアレンジとハモリで聞かせ曲としては随一のエモさがあり、特に最初の石野さんソロ⇒新井さん&南端さんコーラスで、一気に世界観に引き込む演出がスゴい。
YouTubeでの再生回数もライブ映像としては一位になっているが、何故か披露回数は多くなかった。色が強いため使いづらかったのかもしれないが、もっと聞きたかった。

55. 君の街まで(ASIAN KUNG-FU GENERATION/2004年)

ツアーのタイトルにもなった曲で「歌を届けに行く」という想いを乗せた良曲。
動画再生回数も多い方だったが、意味づけが強かったためか披露回数はそこまで多くなかった。
飛ぶような振り付けが印象的だが正直曲とあまり合っていない気がする。

56. 君の知らない物語(supercell/2009年)

原田さん、野本さんを加え新体制となったグループの門出を飾る曲。
歌う回数が多かったからかグループ後半期にはかなりの完成度を誇っており、セトリに組み込まれるとライブを引き締める重要な曲となっていた。
「YOU」「夏の決心」と来ていたグループの大江千里プラトニック路線が、「Funny Bunny」とこの曲で重めのエモ路線への切り替えを決定的にした感がある。

原田さんが研修生時代に歌っていたが、彼女がこの時からいかに成長したかがよく分かる。

57. トラベラーズ・ハイ(スキマスイッチ/2013年)

グループ新体制の盛り上がり曲で、振りコピやコール、クラッピングなど楽しい。
このあたりから地方を意識してかツアー的要素のあるカバーが多くこの曲もそうだが、汎用性が高いからか披露回数も多くファンとのコミュニケーションも研ぎ澄まされていった。
見所はサビにおいて指でメガネを作ってからの首傾げ。とても可愛い。

58. 夏が来た!(渡辺美里/1991年)

新体制きっかけなのか、これまでの少女らしい恋愛曲から一転、少し湿度の高い青年期の恋愛曲。
振り付けも、イントロでは可愛いかったものがサビでは官能的なものになっており、少女から大人への移行を表現している。

59. それではみなさん良い旅を!(髭/2011年)

これもツアー的要素のある曲で、始まりを歌おうとしているおっさんが喜ぶカバー。
見所は石野さんがクールに煽る「Show Time!Yeah!」のところ。

60. 旅する花の物語(アンダーグラフ/2014年)

メロディ、歌詞、振り付け、歌い方と全て可愛いを表現した曲。
メンバ全員でマイクリレーした後に、原田さん、野本さんが落ちサビを歌う新体制の自己紹介を兼ねている。
「トラベラーズ・ハイ」「それではみなさん良い旅を!」に続く旅三部作の完結編でもある。

61. 自分メダル(ザ・コレクターズ/2015年)

2016年ツアー最後の新曲でこの曲もメンバ全員でマイクリレーしており、ツアーの集大成を表現している。新体制活動のこれからを勇気づけるような曲。
解散後、実質最後にアップロードされた動画となったことで彼女たちの活動におけるエンドロールのようになり、結果的に彼女たち自身そして関わった人たちへのエール的位置づけとなった。

62. 風は西から(奥田民生/2013年)

毒にも薬にもならなかった印象の薄い曲。こんなスカスカな曲をカバーしたのは無駄にSMAの呪縛に囚われた感がある。
披露前に「みんな知っている曲です!」と期待させたこともガッカリ要素になっているかもしれない誰得曲。

63. それが答えだ!(ウルフルズ/1997年)

サビにおけるタイミングをとるのが難しい振り付けが印象的で、コール&レスポンスが楽しい曲。
ウルフルズの雰囲気は彼女たちに合っているので、もう少し別のカバーも見たかった。
「バンと胸を張れ」と「どんな青いケツでもいいじゃない」の振り付けで、メンバがささやかな胸部と臀部をアピールしていて微笑ましいサービス曲でもある。

64. きらいだよ(FAIRCHILD/1992年)

アイドルからファンに向かって何度も「きらい」と歌わせる実験的カバー。
見所はサビでファンに対して「きらいだよ」を嬉しそうに連呼する石野さん。

65. REGIKOSTAR ~レジ子スターの刺激~(KAN/2010年)

アイドルであるPerfumeをKANがオマージュした曲を更にカバーする「PTA〜光のネットワーク〜」タイプのメタ構造曲。
曲中の登場人物と雰囲気が彼女たちのイメージにも合っている。
見所は「レジコスタ―」の部分で高音を出す石野さん。

66. 6AM(堂島孝平/2010年)

そこまで超メジャーとも言えない堂島孝平の非シングル曲をカバーした意外な挑戦作。
モンキーダンスの振り付けは楽しいがどこか「恋する感覚」とダブってしまう。そこそこ人気はあったがハマり切れなかった感がある。

67. 踊るロールシャッハ(オワリカラ/2013年)

4thワンマンの目玉だった曲だが、全然乗り切れずもちろん聞かせる曲でもなく、正直スベっていた。
振り付けが微妙に難易度高く振りコピしづらいのも原因か。

68. 愛はおしゃれじゃない(岡村靖幸 w 小出祐介/2014年)

うじうじした拗らせ男子の鬱屈や妄想が、彼女達にかかると甘酸っぱい匂いを漂わせるミラクル曲。
YouTubeのライブ動画としても「Rain」に続き再生数が多い人気曲となった。
サビのカクカクした動きがとにかく楽しい。

69. The Cut(Base Ball Bear feat.RHYMESTER/2013年)

当初はlyrical schoolとのコラボ曲だったのをアイドルネッサンスが単独でパフォーマンスするようになった。
彼女たちにとっては2015年の宮本茉凜生誕企画で「I.D.O.L.R.A.P」をカバーして以来のラップ曲で、「I.D.O.L.R.A.P」がアイドル向けに書かれたのに対し、「The Cut」はキャリアを重ねたプロのラッパーであるRHYMESTERの曲なので難易度は段違いだった。
そのせいか、最初にラップパートを披露した際は特に息継ぎ部分に苦労していた感があったが、解散ライブではそこをなんとか克服しているように見えた。
南端さんや野本さんは個別にラップ曲を出していたこともあり一日の長があった。

70. Raspberry(TRICERATOPS/1997年)

カッコいい曲ではあるが、イマイチ印象に残らない陰の薄い曲だった。少し長いか。
見所はサビにおいて指でメガネを作ってからの首傾げ。とても可愛い。(デジャヴュ)

71. ホーリー&ブライト(ゴダイゴ/1979年)

タイトルがそのままグループの属性を表しており、メンバが持つ貴さを極限まで引き出している。
「輝きが照らしているよ」という歌詞が、彼女たちにかかるとグループの存在そのものを歌っている。
見所はサビのコーラスでちゃんと歌われている謎の英語歌詞。

72. 物憂げ世情(ジャパハリネット/2002年)

考えさせる乾いた歌詞がフィットせず痛々しくなっているのがツラい。

73. 耳をすませば(二丁ハロ/2016年)

「木枯らしに抱かれて」以来のアイドル曲カバーで、アイドルの葛藤にも解釈できる歌詞はこの時期の彼女たちにも合っていた。
これまで全てオリジナルの振り付けでカバーしていたのを、初めて原曲の振り付けをそのまま使っている珍しい曲でもある。
見所は落ちサビの野本さん。とても可愛い。

74. 田園(玉置浩二/1996年)

後ろを向いてから1人1人振り返りマイクリレー、サビの分かりやすい振り付けと印象的。
TIF2017のSMILE GARDENトリで最初に石野さんのアカペラからカマした大博打した曲。
客が静かになるまで待ってから歌いだす石野さんは、全盛期のヒトラー演説を彷彿とさせた。

75. 若者のすべて(フジファブリック/2007年)

様々なアーティストがカバーしていることから新鮮味は無かったが、歌い上げるコーラスがエモく聞かせる。サビの振り付けが美しく貴い。
結果的に、終焉していくグループを象徴するような歌詞になったことが印象的。

76. changes(Base Ball Bear/2008年)

解散ライブで初披露した曲で、最後に新曲を披露するというのはあまり聞いたことが無いが、関係者の様々な想いから実現したのだろう。
解散により肩を落とすメンバ、ファンに向けたメッセージ性の強い曲で、鬱々とした歌詞を一気に吹き飛ばすサビのカタルシスが印象的。
落ちサビを石野さんに任せるのも良くも悪くもグループを象徴していた。
解散ライブが元々(恐らく)Base Ball Bearとの対バンだったことから、彼らとコラボする予定だったと思われる。

番外. シンデレラ・ルネサンス(池澤春菜/1999年)

新人公演で毎回披露されたが、その後の許可が下りなかったのか運営のお気に召さなかったのか持ち曲とはならなかった。
人気投票によりパフォーマンスできるメンバが決まったため、一部メンバがパフォーマンスできなかったため遺恨を残したのかもしれない。彼女たちの曲の中では最も振り付けがシンプルで分かりやすく、歌詞もデビューに相応しい新鮮なアイドルらしい曲。


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