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東京生まれの私としては、「今川焼」がいちばんしっくりくるんですが、「大判焼き」や「回転焼き」なんて名称も知られてはいますね。
ただ、広辞苑には「今川焼」しか載ってないようです。

冷凍食品の「今川焼」が結構売れてる(冷凍チャーハンと並び称されるほど)というニチレイさんの商品サイトには、33種類もの名称が紹介されてますが、実際はもっとあります。

このニチレイさんの「今川焼」の商品サイト、今川焼情報がハンパないですよ。よかったらぜひご覧くださいませ。

「今川焼」のザックリ分布

「今川焼」の名称は、地域によってさまざまで、「今川焼」と呼んでるのは主に関東地方みたいですね。全国的には「大判焼き」という名称がよく使われているようです。
また、関西より西の地方の多くでは「回転焼き」と呼ばれてますね。
ほかにも、実にさまざまな名称が付けられています。

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そもそもなんで「今川焼」なのか?

その名称の由来に関する確たる史料はないようですが、今日主流とされる説に以下が挙げられます。

江戸時代中期の安永年間、江戸市中の名主・今川善右衛門が架橋した今川橋付近の店で、桶狭間合戦にもじり「今川焼」として宣伝・発売し、評判となったため、一般名詞化して広がったとする説です。
明治時代は、庶民のおやつとして大流行。森永製菓創業者の森永太一郎が「焼芋屋と今川焼がある限り銀座での西洋菓子の進出は困難」と言うほど、盛んに売られていました。

いったいどれほどの言い方があるのか?

以下、五十音順で紹介してまいります。ここに挙げたものは42種類あります。
まぁ、概ねは、まだ広まっていない地域で商売を始めた人が、最初にどんな呼び方をしたかに由来しているようですね。

【形状や製法等に基づく名称】

今川焼:関東および全国各地(一部を除く)
大判焼き:全国各地(一部を除く)
おやき:北海道、青森県、茨城県西部など
回転焼きおよび回転饅頭:大阪市、堺市、九州・山口地方など
小判焼き:全国各地(一部を除く)
太鼓饅頭・太鼓まん・太鼓焼き:西日本各地、台湾
太閤焼き:前記「太鼓焼き」の転訛によると思われる名称。
二重焼き:広島県
車輪餅・紅豆餅:台湾
万古焼き:三重県
きんつば:千葉県・福島県・新潟県

【商品名や地域等による名称】

浅草焼:青森県
あじまん:山形県ほか
甘太郎焼:埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、群馬県
黄金饅頭:静岡県中部地区
大阪焼き:主として東日本における縁日屋台等での名称(具材はお好み焼き風)
画廊まんじゅう:静岡市清水区
義士焼き:新潟県新発田市など
御座候:兵庫県、大阪府など全国各地
御紋焼:奈良県天理市
しばらく - 滋賀県長浜市
志゛まんやき(じまんやき):富士アイス系列店(全国各地)
人工衛星饅頭:兵庫県神戸市
形状は円筒形ではなく、上下の生地を閉じ合わせたどら焼き状。神戸市内には「御座候」の販売店もある(御座候 垂水駅店・三ノ宮駅店・神戸阪急店)
ずぼら焼き:和歌山県海南市
太郎焼:埼玉県川口市・越谷市、福島県会津若松市ほか
天輪焼:三重県松阪市
七越焼き:富山市
花見焼き:埼玉県蕨市
日切焼:愛媛県松山市
びっくり饅頭:広島県呉市
ヒット焼き:愛媛県新居浜市
武家まん:秋田県仙北市
ふーまん:岡山県岡山市・倉敷市
横綱まんじゅう:岡山県津山市
蜂楽饅頭:熊本県、鹿児島県、宮崎県、福岡県
あづま焼:静岡県浜松市・磐田市
カルチャー焼:佐賀県小城市
焼きまんじゅう:石川県
揚げまんじゅう:石川県
○○焼:京都府・石川県・福井県・徳島県・愛知県
まるまる焼:京都府・石川県・福井県・徳島県・愛知県
リング焼:京都府・石川県・福井県・徳島県・愛知県

まだまだあります(笑)

そのほかにも、JRAの競馬場内で販売する「G1焼き」といったイベントやお祭りの開催場所に関連する名前を付ける場合もありますね。ここまで来るときりがない(笑)。

また、海外にもあります。韓国では「オバントック」、台湾では「日式輪餅」「車輪餅」「紅豆餅」「太鼓饅頭」などの名称で販売されてますね。
ちなみに韓国には「たい焼き」ならぬ「こい(鯉)焼き」もあります。

中身はつぶあん・こしあんのあんこが主流ですが、白あんやカスタードクリーム、いちごクリームなどのほか、蒸したじゃがいもをマヨネーズで和えたポテマヨ、ハンバーグ、ソーセージなどの具材を入れた、さまざまな派生商品はあったりしますね。

出張が多いとか旅行好きとか、そういう方なら、訪れた地域地域で訪ねて食べ歩くのも面白いかもしれませんね。極めれば、「マツコの知らない世界」の「今川焼の世界」に呼ばれるようになるかもしれません。

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