音で全体性を観る

あけましておめでとうございます!

今年の年始はふるさと、北海道で過ごしていました。みなさんはどんな年末年始を過ごしましたか?

さて、正月に実家で父と「音」について少し話した。

父の会社は精密機械のエンジニアリングなので、さまざまなセンサーを使うのだけれど、基本は視覚的な空間把握(ナノミリ単位の寸法計測や、 AI画像判断による加工処理など)が主であり、「そういえばあまり音のセンサーとか使うことはないな」とのこと。確かに、考えてみれば、いわゆるモノづくりの現場では「音」の出番はあまりないのかもしれない。

しかし、もう少し詳しく聞いてみると、面白い話が出てきた。「モノづくりにおいて、作るモノそのものに音を活かすことは少ないけれど、製造過程において機械から“異音“が出たときには、“何かがおかしい“という判断材料として音を活用することはある」とのこと。なるほど、異音をきっかけとして原因を突き止めて、より大きなトラブルを未然に防ぐなど、モノづくりの「プロセス」において音が活きることはあるのだ。

音はスナップショットで捉えるものではなく、連続性のある波でありパターンであるので、「変化の兆し」を捉えるのに、向いているのだろう。その情報を友人にシェアしてみたところ、「SIAT音響ソリューション」というのを教えてもらった。へー、大型の機械プラントなどでの何らかの異常を検出するために、プラントの音の変化をAIで分析して活用するサービスだとか。

▼ インバリアント解析技術(SIAT)を用いた プラント故障予兆監視システム
https://jpn.nec.com/techrep/journal/g14/n01/pdf/140126.pdf

「NEC技報」 Vol.67

面白い。そう考えると、機械も人間も同じかもしれない。

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