マガジンのカバー画像

松本紹圭の方丈庵

このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじり仲間と対話と巡礼の旅に出ませんか? … もっと読む
¥2,000 / 月
運営しているクリエイター

2021年2月の記事一覧

名前の話

星覚、という良き友人がいる。星覚は、お坊さんらしいお坊さんだ。永平寺を降りてから20年近く、この資本主義社会の中にありながら、貨幣経済による価値交換からできるだけ距離をとり続けた生活を実践し続けているのは、本当にすごい。 星覚は、コロナ前にアメリカでmonk manager実験プロジェクトをやった時、当時住んでいたベルリンからアメリカへ飛んでくれた戦友でもある。 ◆ 星覚と長年付き合ってきていつも感心するのは、彼の人との接し方だ。人との関係を大事にするというのは、こうい

カウンセラーでもコンサルタントでもなく

今月はひたすらmonk managerをやっているので、その話題が続きます。 ▼ monk managerにかかる過去の記事はこちら 一人当たり1時間、合計40人のスタッフの人たちと「お坊さんとの対話」を重ねてきた。全国組織の会社なので、対話した方々の職場環境も立場も様々だ。都心の本社オフィスで働く方もいれば、自然に囲まれた地方にある工場勤務の方、立場も社長や執行役員から、パートスタッフの方までと幅広い。どの部署にも男性と女性がいるけれど、職階が上がるにつれ男性の割合が高

自分の声を聴く

宗教の社会貢献に関していつも積極的に発信されている、大阪大学の稲葉圭信先生のnoteで、文化庁が「宗教法人の社会貢献活動」に関する考え方を、公益財団法人日本宗教連盟および都道府県宗教法人事務担当課宛てに発出したことを知った。 稲葉先生がまとめてくださった以下のポイントは、今後の日本の宗教法人の活動を考える上で、押さえておきたいところ。 「公益事業として行われている社会貢献活動も各宗教法人の判断に基づき宗教活動と整理することが可能と考えられる。」 「社会貢献活動が宗教活動に

企業に僧侶を派遣する「monk manager」

この2月中、とある企業(A社としておく)を対象に、集中的に「monk manager」の実験を重ねている。 ちょうど一年前、新しい僧侶派遣のかたちとして、「monk manager」というあり方についてnote記事を書いた。 当時、アメリカ人の弁護士の友人から依頼があり、自分の経営するワシントンの弁護士事務所に日本人の僧侶に駐在してもらい、戦場のように殺気だった忙しいスタッフたちに、マインドフルネス効果をもたらしてほしいということだった。僕は、当時ベルリンに住んでいた禅僧

インターネットでお寺を開く@Clubhouse

Clubhouseが話題。 と今書くのがすでに時代遅れ感があるくらい、日本で急速に盛り上がりを見せている。言い訳をするわけではないけれど、個人的にはClubhouseをはじめとした音声SNSの勃興に前からずっと注目してて、昨年9月のnote記事でもClubhouseに言及していた。 Clubhouseは無料だけれど招待制のサービスなので、入会にはすでに入っている人から招待してもらう必要がある。日本では人気沸騰した直後の数日、フェイスブックやツイッターでは、入りたい人からの

Post-religion対話 with 天理教

中山大亮さん(天理教)x 松本紹圭(方丈庵) ※記事中、敬称略