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松本紹圭の方丈庵

このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじり仲間と対話と巡礼の旅に出ませんか? … もっと読む
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2020年4月の記事一覧

月参りは「お寺の一階と二階」をつなぐ橋

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音で届ける仏教

お寺のオンライン化を考える先日、未来の住職塾の主催で「お寺のオンライン化」というテーマのオンライン勉強会が開かれた。発表したのは、日蓮宗妙法寺(神奈川県)の久住謙昭さんと、浄土真宗本願寺派信行寺(福岡県)の神崎修生さん。 久住さんは、コロナ禍でいち早く機材を取り揃えて朝勤や法事のオンライン動画配信を始めた。コロナを理由に法事がキャンセルとなってしまう前に「オンラインでもできますよ」という選択肢を用意しておくという行動力が素晴らしい。 また、以前からずば抜けたリーダーシップ

宗教者のための個人面談

*現在、「宗教者のための個人面談」の募集は休止しています。 --------------- 結論から言います。宗教者のための個人面談、申し受けます。 (長文の「背景と思い」が下に続きますので、お時間のある方はスクロールしてお読みください) コロナの影響で、世の人と同じように、宗教者の不安やストレスが増しています。お坊さんだって、悩みはある。宗教者だって、つらい時はつらい。未来の住職塾の塾長としてたくさんの宗教者に接してきた10年の経験の中でも、今は未だかつてないレベルに達

Temple Morning Radio

ポッドキャストの番組を始めました。 お寺の朝から始める、安養な生活。あなたのウェルビーイングがととのう、テンプルモーニングラジオ。平日毎朝の配信です。 週替わりで全国各地のお寺から素敵なゲストをお招きして10分くらいのトーク。続いて「今日のお経」コーナーでは、全国各地のお坊さんから届いたバラエティ豊かなお経を日替わりでお送りします。不肖私、松本がパーソナリティを務めます。 Spotifyが便利です。もちろん無料。ぜひ登録してみてください。 Spotifyで聴く Anchor

世界がそのまま“お寺“になる日が来る

NYC在住の日本人僧侶、中垣顕実さんと近況交換をしました。NYCといえば超高層ビルが立ち並ぶマンハッタンが有名ですが、中垣さんはクイーンズという郊外のエリアの中でもさらに奥の方に住んでいるので、NYCとはいえ比較的のんびりとした環境です。「ひたすら家に居るので、周囲の状況もよくわからない。NYCのコロナに関するニュース情報としては、日本から知れることと、そう違いはないですよ」と言いますが、ロックダウンすると皆が完全に引きこもるので、「その土地でみんなが共有している空気感」のよ

「家にいるのに帰りたい」人へ

ホームがブラック化する悪夢 オルデンバーグのサードプレイス議論によると、第一の場所がホーム(家庭)、第二の場所がワークプレイス(職場)、そして第三の場所として挙げられるのが、教会、カフェ、クラブ、図書館、本屋、公園など、とされている。 しかし今、何が起こっているかというと、第一の場所であるホームに、第二の場所であるワークプレイスが、雪崩れ込んでくるという事態だ。 「家にいるのに帰りたい」 方丈庵でのMTGで、いくつか話を聞いた。都心のオフィスで働く友人は「在宅にテレワー

発心

西脇唯真(ゆいま)さんのnoteを読んでください。 なんと初々しく、清々しく、美しい、発心。 自分が大学を卒業して僧侶になるときには、とてもこんな素直な発心(ほっしん)は持っていなかったと思う。 どうしたら人はこんなに真っ直ぐに育つのか。 唯真さんは、僕がお坊さんになって間もない頃、確か中学の修学旅行だったか、愛知県からわざわざ東京・神谷町の光明寺を訪ねて来て、中学生ながら色々と仏教のことやお坊さんのことを質問してくれたことがありました。お寺の子弟として、将来の進路を考え

方丈記2020(April)

私はお寺さん(お坊さんやその家族)を対象とした学びの場「未来の住職塾」の塾長をしています。2012年に始まって以来、宗派を問わず全国各地にその塾生は600名を数えます。塾生向けにクローズドで呟いていることを、こちらでも「方丈記2020」というタイトルでシェアしていきたいと思います。(定期購読を始めたばかりの方は、こちらのページもご覧ください) 147 個人面談と当事者ミーティング 先日から「宗教者のための個人面談」を開いています。 とりあえず設けた最初の10名の枠は間も無

宗教家の仕事

宗教家フレンズのみんな! やっと出番が来ましたね。 世の中が不安な時こそ、布教のチャンス。 自粛なんかしている場合じゃない。 っていうのは半分冗談、半分以上本気。 人生100年時代の平常時には、自分がいつか死ぬことなんてリアルに考えられないから、Post-religionくらいでちょうどいいんですよ。 よりよく生きるってどういうことかな? より自分らしい人生ってどんなのかな? フワッとしたところであれこれ思い悩む人に、いにしえから伝わる神仏という究極の「他人の物語」に、宗教