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コロナによるDX化が進む時代のこれからの不動産業界のあり方|小倉弘之さん対談インタビュー

gooddaysホールディングス株式会社代表取締役副社長小倉弘之さんとコデアル代表愛宕の対談インタビューです。今回の対談は、どちらも東京大学経済学部の卒業生であり、起業家としても先輩後輩という二人の関係、また、小倉さんが元々コデアルのサービスを利用していたこともあって、実現しました。

<小倉弘之プロフィール>
平成16年4月 (株)竹中工務店 入社
平成19年11月 (株)ボストンコンサルティンググループ 入社
平成21年12月 ハブティック(株)(現グッドルーム(株))代表取締役(現任)
平成25年3月 グッドルーム(株)代表取締役社長
平成28年3月 gooddaysホールディングス(株)代表取締役副社長(現任)
平成30年3月 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 東京都支部 幹事(現任)
<愛宕翔太プロフィール>
Twitter: @shotaatago

「ITエンジニアの採用支援を通じた情報革命で人々を幸せにする」ため、
#エンジニア採用を語る会 #エンジニア採用チャンネル #即戦力エンジニア採用ができる「コデアル」 を運営中

長崎県長崎市出身。青雲高等学校にて、高校3年時に囲碁部主将を務め全国高校囲碁選手権大会全国大会出場。2007年、東京大学文科二類に進学。

大学2年時は、東京大学・東京大学三四郎会との共同プロジェクト「知の創造的摩擦プロジェクト」に関わる東大公認学生団体「東大ドリームネット」において語る会のマネージャーを務める。

知の創造的摩擦プロジェクトとの関わりから、志高く、起業家として生きることに憧れ、起業家として生きることを決意する。大学3年時からは、旧東京大学産学連携のスタートアップ「リッテル」(現在は株式会社ライフルにM&A)にて仕事を始め、大学4年次はそのまま社員になる。働きながら、新宅純二郎教授のゼミ生として、MOT (技術経営) を学ぶ。2011年、東京大学経済学部経済学科卒業。

買収先の東証一部上場の株式会社ライフルリッテル研究所に参画。参画2年目で、株式会社ライフル新規事業部門にて、新卒採用仲介Webサービス『メンターズnet』を企画・実装(現在はサービス提供終了)。その後卒業し、2012年8月9日、コデアル株式会社創業。

2016年、エンジニアインターン、エンジニア就活を事業譲渡( http://bit.ly/2lQaVBa )による軍資金を全額投下し、「ITエンジニアの採用支援を通じた情報革命で人々を幸せにする」ため、即戦力エンジニア採用ができる「CODEAL( http://codeal.work )」のサービス立ち上げ現在に至る。

前半はコロナによるDX化が進む時代のこれからの不動産業界のあり方を中心に、新しい生活様式の提案を、後半は直接対面することが減った中で、ojtや戦略的評価をどうやっているのかやgooddaysホールディングスのこれからについて小倉さんに語っていただきました。

今回の対談の動画、対談内で語られているCODEALでのgooddaysホールディングスCTO募集についてはこちらから

コロナ禍の影響で住む場所を見直したいと考える人が増えている今、働き方や住み方はどう変わる?

コロナ禍の〜


愛宕)私たちの会社も「働くをもっと自由に」という理念で、場所問わずに働けるような機会を求人領域で展開しているのですが、コデアルのユーザーさんに最近インタビューをしてみたんです。

そうすると、住む場所を見直したい、と考えてる人がコロナ前と比べて増えていたんです。そこで小倉さんにお伺いしてみたいのが、内見をしに行ったりであるとか、非対面で物件の案内をしたりであったりとか、リノベーションであったりとかって、コロナの前と後でどう変化していくと見てらっしゃいますか?

小倉)コロナ後、コロナ前、withコロナみたいな話はよくありますが、自分たちの会社もそうなんですけど、コロナが終わったとしても、元の100%出社に戻すつもりはないんです。

女性でこの状況になって時短で働いてたメンバーとかからすると、すごい今のやり方が楽だという人が多いんです。よく言われますけど、コロナがDX関係とかそういうところを10年早めたみたいなことですね。

コロナは、やらないと進まなかったところが進んだきっかけになったポイントだと思ってるので、そういう部分を進めることを自分たちの会社はやっていきたいと思ってます。

ユーザーの声としても、住まい方、住み方含めてよく言われるのは、ずっと家でやり続けると、それはそれで疲れる、みたいな話です。僕らはシェアオフィスもやってたりするので、その辺含めてサービスを色々変えていく一翼を担っていければなと思っています。

愛宕)ありがとうございます。小倉さんも今日対談させていただいてますけど、場所はご自宅からですか?

小倉)はい、そうです。すいません、背景も何もやってないだけで(笑)

愛宕)いえいえ(笑)。なんで聞いたかと言うと、オフィス出社じゃない形も当たり前になってくるだろう、ということを小倉さん自身が実践されてらっしゃってるな思ったので聞きました。

小倉)そうですね。自分の会社でも、今もう自分は週1か週2ぐらいの出社です。まあ、2月現在っていう緊急事態宣言中の話ではありますけど。ただ、そうはいっても、家で仕事をするっていうのは今後もある程度含めて必要かなと。

僕らは、元々住宅、つまり暮らすところの空間を作る、というところからやっているので、ITとかDXみたいな話と同時に、実際のリアルな場所も変えていくということはやっていきたいなと思ってます。働く場所は家にしろシェアオフィスにしろ本社にしろ残るわけですから。

家と働く場所が一体化しつつある現在、メリハリをつけるには?メリハリをつけない?生活のスタイル自体を変える提案

家と働く場所

愛宕)なるほど。これもコデアルのユーザーのアンケートになるんですけど、家と働く場所が一体化してきていいところもあるという声はあるんです。でも、悩みみたいなのも結構聞いていてですね、是非小倉さんにぶつけてみたいなと思ってます。

小倉)逆に、是非お伺いできれば。

愛宕)一つは、運動不足になった、というのを聞いてますね。そうであれば、運動すればいい、というのはもちろんあると思うんです。でも、なんというか、家と働く空間が一体化してきてる中で、ここは業務に集中するであったり、ここは仕事の通知とかをなるべく見ないようにするであったりのオンとオフのメリハリをどうやったらうまくできるのかなと思いました。

こういったことを悩んでるユーザーさんが結構いらっしゃるんですけど、そこって何かリノベーションの事業だったりとかで、どういう空間にしてオンとオフのメリハリっていう課題を解決してるとかの話ってあったりするんでしょうか?

小倉)ちょっと、答えになってないところがあるかもしれませんが、私共も最近ホテルパスといったサービスをスタートしていて、それは月々69800円から色んなホテルに滞在できるというものなんです。

ホテルパスっていうサービスの中で僕らは、色んなホテルとか、色んな時期、タイミングにおいて働ける、つまり、例えば1ヶ月間は東京だけど、1ヶ月間は沖縄で暮らすみたいな働きかた、という働き方もあるかなと思ってサービスを今展開し始めてたりするんですね。

その中で、ちょっと思うところっていうのが、メリハリをつけるって話もあれば、逆にメリハリをつけない、という言い方もあるんじゃないかなと思っています。

愛宕)なるほど。

小倉)自分もそうなんですけど、1ヶ月くらいリモートワークで沖縄で仕事したこともあったんです。そうすると、そこにも仕事はくるし、休みの日もメールが来ます。でも、逆にいうと、仕事の日でもちょっと外に行けば海があるという風になってるんです。

メリハリをあえてつけようとすると難しいところもあるなら、全員にとっていいかどうかは別として、今までは平日は仕事、休日は休みのような生活のスタイルだった部分を、あえて変えるような生活のスタイルっていうのが出てきてもいいんじゃないかなと思ってます。

そのスタイルっていうのはワーケーション(英語のWork(仕事)とVacation(休暇)の合成語。 リゾート地や地方部など、普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇取得を行うこと。)もあれば、自分の好きなことをやるっていうスタイルもあると思います。

ホテルパスでも、スキー場と連携して、朝に一滑りしてから仕事するようなこともあってもいいんじゃないかと思ったんです。スキー場って平日はガラガラなんで、朝一のスキー場などで人がいないのであれば、そこを使っても大丈夫、とかそういうこともできるプランです。

都心に住むのではなく、郊外に住むみたいな話とかも含めて、メリハリのつけかたを変えていくというか、選択肢を広げることはやっていきたいなというふうには思ってます。

愛宕)私は仕事のオンオフっていう言い方を先ほどしましたけど、実際のところはオンオフじゃなくてハイとローのような感じなのかなと小倉さんの話を聞いてて思いましたね。生活と働くってことを無理に切り分けないという考え方です。

小倉)そうですね。愛宕さんもそうですし、私もそうですけど、経営者目線のメンバーだったりすると、多分あんまり仕事と生活をはっきり区切って、一切休みの日はメール見ません、っていうことはないと思うんです。

愛宕)ないですね(笑)

小倉)逆にいうと、経営者の人だったら平日もどこかに行ったり、休んだりというのはできたりする。今までは経営者の人しかできなかったような、時間で管理されてる社員はできなかったことを、アウトプットさえちゃんとすれば社員でもやっていい、という見方に変えていくライフスタイルってのもあるんじゃないかなと思います。

住む場所の選択にも変化が?郊外という選択肢の広がり

住む場所変化

小倉)今までは、ベンチャー企業を中心に近距離手当を出してたところが、今回のコロナ禍で、そもそも本社を解約したり縮小したりしてる中で、近距離手当をなくす会社もちょっとずつ増えてきてたりするんです。

グッドルームの方でも、例えば、今まで中目黒に11万円で20平米のワンルーム借りてたような人が、ちょっと郊外の世田谷とか川崎とかで40平米で1LDKの11万円みたいなところに引っ越す、っていう事が明らかに増えてるなと思います。

20平米のワンルームで、ベッドがすぐ隣にあって、そのワンルームでご飯も食べて、仕事も1日中そこにいてやってるよりも、部屋が分かれてて仕事場で仕事して、休憩するときはリビングに移る、とかの空間的なメリハリを作れる方がいいというのもあって、広いところに移るというニーズが増えてきてるかなとは思いますね。

愛宕)僕は長崎出身で田舎から上京してきてますが、今の話を聞くと、すごい田舎で都心から離れた場所というよりは、ちょっと離れた場所への移住のニーズが高まってるという感じなんでしょうか?グッドルームの情報とかを小倉さんが見てらっしゃる中で感じたのは。

小倉)そうですね。実際に会って話すような仕事が減ってきているとはいえ、それが0にはならないと思ってるので、出張や対面での仕事などの制度設計が、日本の会社はまだできてない会社が多いから、遠くへの移住が難しいのかなと思います。

例えば僕らの会社でも、北海道に住みますって言われたときに、月4回の東京の出張手当をどうするのかという点であったり、そういう部分の制度設計がまだまだ出来ていないところもあるので難しいんです。

なので、永久に移住するとかって話になると、あまり遠いところへの移住は、実際問題難しいかなとは思ってます。そういう面で言うと、ちょっと郊外っていう所は、ありえる選択肢になってきてるんだろうなっていう風に思ってますね。

愛宕)いきなり遠くに行くより郊外の方がバランスがとりやすいっていう部分もあるんでしょうね。また、今の話を聞いてて思ったのは、街自体が病院とか学校が存在するエコシステムみたいなところがあると思っていて、そこには病院がないとか、子供がいた場合には学校がないとなると困る。

もちろん、学校や病院がはたす機能がオンラインでどうにかなるようになってきてる部分はもあるとは思うんですけども。ただ、やっぱり学校や病院などがあるか、といった点なども結構考える必要があるのかなとは、いろいろなユーザーさんの話聞いてると思います。

小倉)そうですね。だから、例えば30代半ばで子供ができて、子供の受験とかを考える人になると、いきなり地方に住んでオンラインで仕事をやるといっても、インターナショナルスクールがないし、みたいな点が気になるならそういう働き方は難しい、ということになると思います。

なので、20代とか若い人、ある意味色んな選択が出来る人から変わっていくんだろうなという風には思ってますね。

住空間とオフィスの機能が近づいてくる?そうなった時、住空間に人は何を求めるのか

住空間とオフィス

愛宕)今までの話を聞くと、これまでオフィスの持ってた機能が、住空間である家にも入ってくるようなところがあると思うんです。逆に、オフィスの持つ機能が減るかもしれない、と話を聞いてて思ったんですけど、どんな機能が住空間として増えそうであるとか、減りそうっていうので何か小倉さんから見えてること、思うことってありますか?

小倉)直接的な答えになってなくて申し訳ないんですけど、例えば、元々私たちのオフィスも靴を脱いで上がる、土足で上がらないオフィスを作ってたんです。だから、私たちのオフィスの事例のように、オフィスが家っぽくなってくるのかなと思います。

愛宕)あ〜なるほど。

小倉)今まではメリハリというところの中で、いわゆる丸の内とか東京駅のオフィスに出社するという働き方だった。でも、今はもう家で仕事をするっていう方が増えてたり、むしろエンジニアの方とかで、集中したいのであれば自宅の方がかえって効率がいいということになっている。

slackやチャットなどをいろいろ使えば、コミュニケーションを十分取れるしシンプルと考える人からすると、生産性という面でいうと家の方がいいという結論になる。そうなった場合、むしろネット環境やIOTとかの方が、家で仕事するという上での大事なポイントになってくるのかなと思います。

実際、今まではあんまりこういうことなかったんですけど、グッドルームでも、部屋探しをするときに、マンションについてる共用のインターネット無料回線はあるけど、それとは別に、自分専用にフレッツ光の回線などを引けますか、というようなことを言われることが多くなっています。共用のインターネット回線だと遅いからという理由ですね。

家がオフィス化してきてるので、家の住空間の質というよりは、ネットワークみたいなところが結構大事な要素になってくるのかな思います。

愛宕)オフィスが家化していくっていう発想はすごく面白いなと思います。私も御社のオフィスに靴を脱いであがらせていただいたことがありますけど、確かにオフィスが家化してるなと思いました。

あとは、もちろん間取りとかも家の要素としてありますけど、通信環境がすごい大事というのも共感します。色んなプロバイダがありますけど、そのプロバイダが通ってないと通信の速度がでない、そうなるとなかなか仕事ができないですよね。

特にIT領域とかインターネット領域だとそうですし、それ以外の領域であっても、紙を出来るだけ減らしていこうとか非対面でやっていこうとなると、ネットワーク環境がないとどうしようもない、という領域は増えてますね。

ちなみに家とかリノベーション物件のところの、上り下りの速度がどの程度出るのかであったり、通信量をどこまで従量課金で上げることができるのか、という細かい情報って結構載ってたりするんでしょうか?

小倉)その話とはちょっと違うかもしれないんですけど、今ちょうど考えてたのが、私共がやってるホテルパスっていうサービスのことです。ホテルでも一つの客室に一つのwifiが設置されてるところと、まとめてwifiがあって、場所によってはwifiが入りづらいみたいなところとかってあったりするんです。

なので、ホテルに滞在する人からも、その部屋のwifiはどのくらい速度出るんですか、ということを最近聞かれたんです。今までは空間の質というか、部屋がオシャレ、かっこいいかであるとか床材の質とかを聞かれてたんですけど、この前はwifiの速度について聞かれたんです。

ホテルって簡単に移れるので、ネットワーク環境を大事にしてる人は、ネットワーク環境がいいホテルに移ろうということは今後も多分あるでしょうし、そういうネットワーク環境に対するニーズってのは出てくるんじゃないかなと思ってます。

愛宕)ありがとうございます。今、ホテルパスを見ながら小倉さんの話を聞いてたんですけど、wifi完備みたいな情報はアイコンでわかるんですね。ただ、今の話だと、より細かいところが気になるということですよね?

小倉)そうですね。おっしゃる通りで、wifi完備という情報だけでは少し足りていなくて、一部屋に一つwifiがあるとかっていうのが大事な要素だったりするというのは、実際のお客様の声を聞いてて思いました。

直接対面することが減った事によるOJTや戦略的評価への弊害は?小倉さんがその変化に対して取り組んでいることは?

OJTや戦略的評価

愛宕)働く場所と住む場所が一体化してきたという変化がある中で、対面ですごい顔を合わせて話す機会は少し減ってきていると思うんです。そんな中で、仕事するってなった時に、評価であったり、仕事を覚えていくプロセスなどの部分ってどうなっていくんでしょうか?

対面だったら出来ていたけれど、オンラインになったらこういうことに気をつけていかないといけないのではないか、という部分とか、御社が実際ojtだったり戦略的な評価っていうところで、今の働き方の変化に合わせて取り組まれてることってありますか?

小倉)まだまだ私達の会社も十分にできてはいないんですけども、緊急事態宣言下のところで特に感じたのは、顔を合わせたことがあるメンバー同士のコミュニケーションはオンラインでも全然問題ないと思いました。

しかし、これは私達が新規の営業行くときもそうなんですけど、まだ顔を合わせたことがない人がオンラインで全部完結して仕事ができるかってなると、そこには一定のハードルは今後もあるんじゃないかと思いました。

ですから、私達も社内含めてハイブリッドな働き方、つまりオンラインとオフラインをうまく使い分けていく働き方をしよう、と言っています。新人の社員研修であったり新規のお客様の訪問だったりは積極的にオフラインでリアルを活用する。一方で、ある程度定期的な研修だったり、定期的な訪問だったりは、オンラインで非対面でやっていいと思ってます。

あと、評価制度とかも少し変えていこうと思ってます。今まではどちらかというと、会社に朝早く来たかとか何時間残業したかみたいなところ、頑張ってるかどうかのプロセスのところが評価指標にはなったんです。

けれども、さっき言ったように、朝スキー行こうが何をしようが、一定程度ちゃんとアウトプットを出していければ、朝7時から頑張って仕事しなかったとしても、しっかり評価する会社の体制にはちょっとずつ変えていこうと思ってます。

何を軸に評価するかってなった時に、日報やプロセス頑張りましたというところは、悪くいえば別にどうでもいい。それより、やっぱり大事にするのは、ミッション・ビションとか会社のベクトルをメンバーと揃えながら、アウトプットできているか、というところです。

アウトプットで評価していく際の目標の置き方は?

アウトプット


愛宕)なるほど。そういうアウトプットで見ていく時って、その目標の高さの置き方とかが大事になるのではないか、と思うんですけど、アウトプットを見ていく上で、目標の置き方で会社として気をつけてらっしゃることって何かありますか?

小倉)今までずっとKPI(「重要業績評価指標」、目標を達成する上で、その達成度合いを計測・監視するための定量的な指標のこと)中心で来てたんです。いきなり各メンバーに最終的な売上とか利益的なアウトプットを求めても難しいところがあるので、KPIを一つ目標の数値として設定するのはいいと思います。

ただ悩ましいのが、KPIを設定しすぎてしまうと、KPIだけ達成すればいいみたいな目線が、どうしてもメンバーに生まれちゃうところがあるんですよね。会社全体の売上利益というところと、目先のところでのKPI、そしてそのKPIはフェイズによって変わってくることもある。

その辺の設定を間違ってしまうと、もうそのKPIを使わなくていいのに、ずっとそのKPIばかりになってしまって、全然会社やチームとしてやりたい方向じゃないことを一生懸命やって、評価されないみたいな話になる。そうすると、そこからトラブルにもなるので、気をつけていかないとなと思います。

オンラインのミーティングは1on1でやるべき?頻度や長さについても

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愛宕)ちなみに、ちょっと目標とかのお話とは異なるかもしれませんけど、御社はメンバーとに対して1on1とかもやられてるんですか?

小倉)そうですね、やはりミーティングも基本的にオンラインのミーティングっていうのは1on1ベースでやってくださいっていう話はしています。10名とか20名って人数がオンラインのミーティングにいるぐらいなら、あくまでチャットとかslackとかで伝達してしまえばいいと思います。

10人集まるようなweb会議をしても、結局一方的な話で終わってしまうと思いますからね。私はオンラインのミーティングの人数は最大でも4人ぐらいまでで、基本は1on1でやるようにしてます。その代わり、時間を15分、30分というように短くして、今までのような1時間とかのミーティングをしないという形には変えてます。

愛宕)なるほど。1on1は大体どのぐらいの長さで、頻度としてはどれぐらいやられてるんですか御社では?

小倉)基本的には1回15分〜30分にしてて、あんまり30分以上は取らないように、というふうに言ってます。ベースは週1回で、多い人とかもうちょっと見ないといけない人は週2回ぐらいやってます。

愛宕)ちなみに、1on1で何聞くか困ってしまう、みたいな人もいらっしゃるんでしょうけど、何を聞くかみたいな型とかってありますか?

小倉)まだ、そういった1on1のやり方という部分が、ちゃんと体系的にできてないところが正直あるので、その点は課題ですね。1on1が上手いチームと下手なチームもまだあって、1on1のところは体系的にやっていかなければいけない、とちょうど思ってるところではあります。

愛宕)ありがとうございます。1on1カードみたいなものが実は市販で売られていて、そのカードとかに書いてる問いを参考にしながら1on1やってみたりとか、私たちの会社も試行錯誤してますね。

会社で今後どのようなことをやっていきたいか?不動産賃貸領域をスマホ一つで電子契約や電子申し込みが当たり前の世界にしたいという目標

不動産賃貸領域の目標

愛宕)今まで話してきたところで、働くや生活のあり方が変化する中で、御社もOJTの部分、1on1もやってみたりしながら、事業を伸ばされてると思うんですけど、よかったらグッドルームの話をもう少し深掘りして聞かせていただきたいです。

変化に合わせて、グッドルームっていうサービス自体をこうしていきたい、また、gooddaysホールディングスっていう会社を全体としてこういうふうにしていって、時代の変化とかを捉えながらやっていきたい、っていうような話を小倉さんに話していただきたいです。

小倉)グッドルームも当初スタートしたところっていうのは、不動産の賃貸領域っていうところからスタートしていて、最近ではさっき言ったシェアオフィスとかマンスリーっていうものを探せるようなサイトになっていたりとか、もしくはその派生形としてホテルパスっていうサブスクサービスみたいな形で展開をしてきています。

やはり不動産の世界って、一度賃貸とか契約した方であればわかると思うんですけども、本当に紙、電話、FAXを使うのが当たり前の世界で、仕事中に電話がかかってきたりであるとかFAXでやりとりをしたりとかもありますし、契約書にもハンコが必要だったりします。

愛宕)はい、そうですね。

小倉)このコロナ禍で、国であったり行政も契約書にもハンコするのではなくて電子契約で構わないという方針になってきてます。また、仲介会社、不動産会社でも、申し込みはスマホ上で申し込みすればいいとか、契約もスマホ上の契約をサービスすればいいという様に変わってきている。これはいい面だと思います。

私たちも、そういう面で言うと、グッドルームっていうサービスの中になんですけれども、conomyとかIMAoSっていう電子契約のサービスっていうのをスタートさせていったりしてます。

今後、究極的にいうと、電子契約とか電子申し込みとかっていうことをわざわざ謳ってなくてもそれができる世界観を作っていきたい。例えば、Airbnbとかも申し込みから契約、入金まで全部アプリ上で完結できるサービスがあるように、その中に一つ一つ電子契約できますよなんてことを特に謳ってないと思うんですよね。

あくまで電子契約はサプライヤーズロジックな感じはしています。なので、シームレスにアプリ一つもしくはスマホ一つあれば、簡単にいつでもどこでも好きなタイミングで自由に引っ越しができるとか、自由に自分の住む場所を変えられる、っていうサービスを実現していきたいと思ってます。

そういう面で、今まで2年単位の引越ししかできなかった賃貸領域に、1ヶ月単位の引っ越しができるマンスリーとか、週単位で動けるホテルを入れた、っていうのはそういった意図がありました。

愛宕)なるほど。

小倉)別にお子さんもいるし学校もあるから長く住みたいよ、っていう人は今後も2年以上の単位の賃貸契約でいいんじゃないかと思います。

逆にエンジニアの方とかで、浅草行きながら京都行きながら普段は三茶(三軒茶屋、東京都世田谷区の町名)で生活するとか、色んな生活ができる選択肢は少なくとも増やしたい、と思っているので、マンスリーだったりホテルのウィークリー的な形で住めるものをシームレスに提供していきたいです。

厳密にいうと、ホテルは旅行業、不動産は宅建業みたいな業法が分かれてるところがあるんですが、それもあくまでサプライヤーズロジックで、ユーザーからすると、ホテル泊まるのもマンスリー泊まるのも賃貸住宅泊まるのも区別なく泊まれる方がいい。

その裏でちゃんと、ITというかDX等を含めて、ユーザーにシームレスにサービスを提供できるようなサービスを作っていきたいな、っていうのがグッドルームの世界観かなと思ってます。

なので、僕らが持ってるDXのソリューションを一生懸命ユーザーに訴えるんじゃなくて、ユーザーからすると、多様な生活がグッドルームのサービスを通じて利用できるっていう世界観。宅建業法上クリアするために契約はちゃんと巻くとか、その契約をオンライン上で巻けるとか、旅行業であれば申し込みがオンライン上で完結できるとかはあくまで裏側の話です。

ただその裏側の部分を支えるITがすごい大事になってきているので、そこをしっかり強化していきたいというのが今の私共の会社のフェイズにはなってきてますね。

IT領域の重要性の高まり、シームレスにサービスを提供するために

IT領域

愛宕)私も、家はずっと賃貸なんですけど、やっぱり契約の縛りと更新の期限があって、更新するときに更新料払ったりとかも色々あります。また、契約書が紙なので、どこにいったかわからなくなる、ということもありますね。

提供者側の理屈ではなく、入居する方からみたときに、もっと手間なく契約や更新などができるのであれば、生活の仕方や生活の場所を変えていこう、ということがしやすくなるので、私もぜひそういう体験をしてみたいですし、CODEALのユーザーさんもそれはかなり望まれてることだとお話を聞いてて思いました。

小倉)そうですね。手間なく契約や更新ができるというような部分をしっかりやっていくためにも、ITのところの領域がすごい大事になってくる。逆にいうと、そこをちゃんと提供していければ、新しい価値観というか暮らし方は提案、提供できるんじゃないかなと思って今事業を進めてますね。

愛宕)今言っていただいたように、部屋探しから申し込み、その後の賃貸借の契約書とかそういったところまで一貫したuxになるようなものに取り組まれてると思うので、そういうものに興味あるエンジニアの方とかいたら是非、この対談見た、ということでCODEALからご応募していただければと思います

小倉さん今日は本当にありがとうございました。

小倉)どうも、本日はありがとうございました。









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