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TOBITATech for Non-Tech開催レポート 〜TechとNon-Techの壁を溶かすチャレンジを通じて見えた可能性〜

はじめに

こんにちは!最近トビタテ留学Japan事務局でインターンシップを始めた大西です。

11月7日(木)に、トビタテ事務局インターン生として初めての主催イベント「TOBITATech for Non-Tech」というイベントを開催しました。そのイベントを通じて得た気づきをレポートにまとめたので、シェアさせていただきます。(開催中余裕が無くてほとんどメモを取れていなかったので、レポートというより日記のような文章になってしまっていますが、ご容赦ください...笑)

トビタテ!留学Japanとは

文部科学省は、意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成することを目的として、2013年10月より留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」を開始しました。政府だけでなく、社会総掛かりで取り組むことにより大きな効果が得られるものと考え、各分野で活躍されている方々や民間企業か らの御支援や御寄附などにより、官民協働で「グローバル人材育成コミュティ」を形成し、将来世界で活躍できるグローバル人材を育成します。
これらの取組により、「日本再興戦略~JAPAN is BACK」(2013年6月14日閣議決定)において掲げた目標である東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年までに大学生の海外留学12万人(現状6万人)、高校生の海外留学6万人(現状3万人)への倍増を目指します。留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」の主な取組のひとつとして、「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~」が2014年からスタートしました。
トビタテ!HPより抜粋)

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トビタテ!留学Japan(以下、トビタテ)は海外に行きたい学生をサポートする奨学金プログラムであり、僕も8期生としてトビタテプログラムに採択され、2018年4月から1年間インド・アメリカで留学をしました。

大西事前研修

大西インド

TOBITATech for Non-Techとは

TOBITATech for Non-Techは「テクノロジーに関心があるけど、抵抗もある」という方がITリテラシーを高め、「技術者と抵抗無く対話できるようになる」ことを目指した勉強会イベントです。イベントでは毎回テーマを決め、テーマに関する深い知識を持った専門家の方(テックファシリテーター)による講演を聞いた後に参加者の理解度を高めるためのワークショップを実施します。今回は、ここ数年大きなブームになっている「AI」をテーマに、AI分野で活躍しているトビタテ留学生の方や外部の専門家の方をお招きして開催しました。

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TOBITATech for Non-Tech開催の背景

TOBITATech for Non-Techは僕の留学テーマでもあるテクノロジーを活用して市民が地域や社会の課題解決を行うシビックテックの現場で行われている、ソーシャルセクターがテクノロジーを学ぶワークショップ「Tech for Non-Tech」から着想を得て作りました。ワークショップの枠組みは、日本でこのワークショップを開催しているCode for Japanに許可を得た上で、Tech for Non-Techを模倣して作成しました。
僕自身、トビタテに関わる前からずっと「理系と文系の間にある壁を溶かしたい」「社会解決の現場にもっとテクノロジーを活用したい」ということをずっと考えていて、トビタテ事務局でインターンを始めたのも、多様なトビタテコミュニティで理系人材と文系人材のコラボレーションを活性化したい!と思ったことがきっかけでした。
今回のイベントは、そんな僕の目標達成に向けた1歩目であり、トビタテ事務局の方に様々な専門家の方とのご縁やイベント開催のチャンスを作っていただき、実現しました。

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本家Tech for Non Tech

イベントの様子

イベントは前半と後半に分かれており、前半ではトビタテ留学生であり現在はAIエンジニアとして働いておられる松岡佑磨さんによるプレゼンとQAを行いました。プレゼンでは「AIってけっきょくなに?」というタイトルで、身の回りにあるAI技術やAI技術の潮流などについて、参加者の方々に向けてとても丁寧に説明をしていただきました。

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実演

デモもしていただきました

後半は、前半のプレゼンで出てきた言葉や参加者の方々が普段気になっているAI用語について参加者の方々が調べて理解し、他の参加者に向けてレゴを使って説明するというワークを行いました。前半に登壇していただいた松岡さんを始め、AI技術に詳しいテックファシリテーターの方々にもワークに入っていただき、1時間ほど参加者全員で「わからないことを調べて理解し、理解したことを伝える」という実践練習に取り組みました。

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参加者の方々が気になるAIワードを書き出して取り組むテーマを決めます

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選んだワードについてファシリテーターの方に質問しながら調査します

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調べて理解したら、レゴで表現していきます

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最後は作ったレゴで専門用語を他の参加者の方に説明します

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説明後には専門家の方々からフィードバックをもらいます。疑問や理解できていない部分についてはその場で参加者から質問が続き、議論が白熱しました

イベント開催を通じた気づき

1. 「レゴで形にすること」が生み出す価値

イベントの後半に実施したレゴでのワークの中で、参加者の方から「レゴで形にしようとすると理解できていない部分が明確にわかる」「レゴでアウトプットするという目的があったので前半集中して聞くことができた」という感想をいただきました。経験上、勉強会などのイベントでは「なんだかわかったつもりになる」までで終わってしまい、いざ知識を生かそうとした段階で思ったより理解が進んでいないことに気づく、ということが多いように思います。
レゴでのワークは本家のTech for Non-Techから取り入れたものですが、実際に現場で取り入れることを通じて、レゴでのアウトプットまでを目的とすることでインプットの時間に目的意識が芽生えたり、ワークを通じて理解できていない部分が明確になるという価値に気づくことができました。

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レゴ作成ワーク中にはたくさんの議論が生まれました

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 最後のアウトプットもそれぞれのチームが多様でとても盛り上がりました


2. Tech人材にとっての学び

イベントでテックファシリテーターを務めた方々からのフィードバックでは「ファシリテーションを通じて、専門外の人に伝わらないこと、注意して伝える必要があることがわかった」という感想をいただきました。このイベントはNon-Techの方々のために開催したものですが、専門家の方にとってもファシリテーションを通じて「知識を広く伝える力」を磨く機会になるということは大きな気づきでした。

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ファシリテーターの方々は、参加者の方々の質問に身振り手振りを使って分かりやすく説明してくださいました。


3.「 専門家と非専門家のコミュニケーション」の大切さや難しさ

本イベントでは、トビタテ生の松岡さんを始めとしたテックファシリテーター(本イベントの中では「専門家」の役割)の方々と、積極的に分からないことを質問したり思ったことをシェアしてくださった参加者の方々(本イベントの中では「非専門家」の役割)のおかげで、とても熱量の高い場になりました。ワークや質疑応答などを外から客観的に見ていて、

・非専門家役の方々がどれだけ正直に「難しい」「わからない」と言うことができるか
・専門家役の方々が普段の仕事などで直面することのない角度からの「難しい」「わからない」に対してどれだけ興味を持てるか

ということがイベント全体の熱量に大きく影響していると感じました。そして、僕はこのイベントに全体の進行をする「ノンテックファシリテーター」として参加しましたが、ノンテックファシリテーターの役割は進行だけではなく、参加者を観察し寄り添うことでの質問しやすい空気作りや、専門家と非専門家の間に入る翻訳者としての立ち回りなど多岐にわたり、事前準備を含めてノンテックファシリテーターの部分はまだまだ改善できることが多くあると思いました。

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ふとした参加者の方の疑問点に対してテックファシリテータの方が応え、それについてみんなで考える時間が一番盛り上がっていると感じました

4. Tech以外の領域への可能性

イベント参加者の方々に「次回のテーマはどんなものがいいのか」聞いたところ、意外なことに「デザイン」や「政治」といったTechから少し離れたワードが多く上がったことがとても印象的でした。今回のイベント開催を通じて、普段IT領域にいる僕が思っていた以上に今回のイベントのテーマである「専門家と非専門家の対話」は多分野に存在していることを知ることができました。

TOBITATech for Non-tech(タイトルは今後変わるかもしれません)は少なくとも僕がインターンとして在籍する来春までは継続的に開催していく予定です。今後も多様なトビタテコミュニティが持つ価値をより大きく生かし、たくさんの人にとって学びのある場を作っていきたいと思っているので、開催してほしいテーマがある方ファシリテーターとして関わることに興味がある方(サイエンスコミュニケーターを目指している方など)は、ぜひ大西にお声がけください!


最後に!

今回のイベントはテーマ選定やファシリテーター探しに協力してくださったトビタテ事務局の方々や、忙しい中快くファシリテーターの依頼を受け入れていただいた専門家の方々、参加者目線でのアドバイスや当日の運営お手伝いをしてくれた事務局インターンの仲間、Tech for Non-Techを活用したイベントの枠組みづくりに協力してくださったCode for Japanの方々など多くの方々のおかげで実現しました。最後に改めて感謝の気持ちを書かせていただきます。本当にありがとうございました!

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トビタテ事務局でインターンを始めて早いもので2ヶ月が経ちました。今回のイベントに関しても集客がうまくいかないなど、自分の力の無さに反省と改善を重ねる日々ですが、理系と文系の壁を溶かせるよう、お世話になったトビタテに恩返しができるよう、そしてトビタテの価値をもっと高められるよう、引き続き頑張っていきたいと思います。

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イベントの最後には友達に作ってもらった絵を使って、ちょっとだけ僕の想いや世界観についてもお話をさせてもらいました。



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