神!!時短!!沼への入り口!!無料配布されたiZotopeの【Ozone9 Elements】を宅録オリジナル曲に使って比較してみた！

在宅音楽クリエイターが激増している昨今。

楽器奏者でも宅録する方が増えています。
が、人によって知識や環境がバラバラなのでなんとも言えないところ。

場合によっては自分でOKテイクを編集したり、簡易的なミックスなどを習得する必要が出てきたりします。

このような情勢を受けてか、プラグインエフェクターメーカーであるiZotopeがAIマスタリングツール「Ozone9 Elements」を無料配布する期間限定キャンペーンを開始しました。
https://www.izotope.jp/news/gwizotopian/

DTMを始めたてのクリエイターの多くがぶつかるであろう障壁の１つ、ミックス・マスタリング。
その中でもマスタリングの工程は最後の楽曲の仕上げにあたり、「あちらを立てれば、こちらが立たず」を繰り返し、結局やり過ぎるとそれまで作った楽曲をダメにしてしまう、等正解のないループにハマりやすい作業です。

この工程がAIの力で省力化され、1つの叩き台が提案されるのは本当に神！だと思いました。
早速、ダウンロードさせて頂き以前アップした自分の楽曲「The Bonds」で比較用の音源を作ってみました。

＜楽曲については以前の投稿を参照ください＞

10秒毎に「2Mix(マスタリング前の状態)」→「Ableton Live10内で私がマスタリングしたもの(オリジナルと同じ)」→「Ozone9 Elementでのお任せマスタリング」の順で収録しています。

感想としては、、
・キック(バスドラム)のアタック感がくっきり
・同時にベースシンセも潰れずに輪郭がくっきり。さらに力強さを感じる
（キックとベースは音域が近く、互いに干渉してモコモコになりがち。処理にとても気を遣うし、毎回難しい）
・メインでメロディをとるEWIがしっかり前にいる感
・全体的に横・縦の位置関係を感じられる
・サビ2:20~、4:20~のスネアのリバーブ感が分かる。オリジナルでは埋もれがち
・サビのEWIはコーラス効果を狙って別テイクを2本重ねているが、よりその意図が反映されている

といった感じで、Ozone 9 Elementsにお任せしたバージョンが自力でマスタリングしたものよりも1段上手の印象でした。
もちろん好みもあるのかと思いますが、ストリーミングでの再生を想定した場合は、よりクッキリ・ハッキリの方が適しているかと思います。(実際AIによる解析を始めるときに「用途はCD向き?ストリーミング向き?」と聞かれます)


EQやTransientで削るべきところや、MS処理での左右の広げ方などが的確。
これらをものの数秒で提示してきてしまうことに驚き。
そして、処理の結果を見て「ミックスの段階でコンプで整えすぎかもしれない」とか「サイドに広げすぎだったかも」など、自分の手法に対してのフィードバックにも出来るのがとても良いです。

「自分は演奏メインだからこういうの興味ない！」という方などは、時短ツールとして活用すれば良いかと思います。

しかし、他の楽曲にも試してみたところ必ずしも全て良い結果になるとは限らないようです。

※↑テロップの「セルフレコーディング」は「セルフマスタリング」の間違いでした。

もしかしたら明確なメロディーが無いなどの実験的な楽曲には、AIによる判断が効きづらくバランスを整えにくいのかもしれません。
この楽曲については過去に自分で手掛けたものの方がパンチもダーティーさも好みです。
ただし、上級版はさらに細かいところに入り込んだ設定も出来る為、ここの辺りはどうなんでしょう。
そして、これに慣れてくると絶対もっと色々やりたくなるはず。
で、Advanced版はどうなんだろう、おいくらなんでしょう？？
と思って調べたり。。

その途中で見つけたのですが、作曲家の和田貴史さんの解説がとても面白かったです。
個々のプロセスでは僅かな違いなのに最後には劇的な違いになっていますね。マスタリングってすごいな。。
そもそも最初の2Mixの時点でとてもクリア。すげえ。

時代が進むにつれ、素人でも時短で「それっぽい」感じに出来る事が増えてはいますが、同時に本当にすごい人がどれだけスゴいのか、という事も前より分かりやすくなっていますよね。

私がこれほど使いこなせるようになるとは思えませんが、ちょっと上位版が欲しくなってしまいます。そう、ちょうど国の経済施策もある事だし。
…そこでようやく気づきました。この無料施策は多分我々個人クリエイターの10万円を狙っている。しかし、実際にこのツールの上位版を購入する事で得られる時間や体験には、然るべき価値があるだろうと思います。ちょっと考えよう。。

最後に、ここまで自分の作品を例にしておいて言うのもアレですが、結局は制作過程で何百回と聴いたご自身のプロジェクトに挿し込んで試してみるのが一番分かりやすいと思います。その為のキャンペーンでしょうからね。

ぜひ、この機会にお手元で試してみてください！

それと、今回リマスターした"The Bonds"は再度期間限定でダウンロード出来るようにしました。
もしよろしければ下記のリンクからダウンロードして、お手元の機器で聴いてみてください。

http://gg2.mobi/VIU9

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