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アイデアを複眼的に見るための「4マスシート」

「アイデア」や「発想する」と言われると「思いつき」と思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、アイデアや発想というものは、単純な思いつきではなく、自分を取り巻く情報同士の結びつきの中に存在しています。発想が苦手…という人の多くは、その情報たちを一元的にしか捉えられていなかったり、グチャグチャに捉えていたり、頭の中でうまく構成できていないことが原因で発想を難しくしています。

まずは、自分の思考に足りていない情報を認識しよう!

「思いつき」の多くは、自分が一番よく考えている領域から始まることが多いです。物や技術によく触れている人は「こんなモノがあったら便利じゃん!」と具体的なアイテムを思いつき、こういう不満を抱えているという人は、当たり前ですが「このモヤモヤどうにかしてよ!」というところから発想が始まります。ビジョンのある人は、理想の姿から思い描くでしょう。

なにから始めるかは重要ではありませんが、解決策だけでなく問題についても深掘りする。問題だけを大きくせず、今できる解決策を構想する。というように、どちらについても考えることを心がけることが重要です。その間の結びつきにこそ発想のタネがあるのです。そこで、4つのマスにそれぞれの情報を整理して記入し、そこから思わぬ結びつきを見つけるためのシートを作ってみました。以下に、3つの活用法をあげて解説していきます。

1.要素を書き出して発想してみる

4つのマスには、それぞれ「背景」「問い/問題/課題」「理想の姿/解決策」「アイデア/技術」とあります。どこからはじめても構いませんが、足りないところが出てきたら、無理にでも(想像・妄想・予想・強制発想)埋めてみましょう。そのために、他のマスに情報を書き足したり、補完してもOKです。むしろ、その行ったり来たりによって発想は刺激されます。

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▼記入サンプル

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また、分解してあるからアイデアの評価もしやすいという側面もあります。アイデアソンや、アイデア出しなどでは、その場のノリや雰囲気で面白そうなアイデアが選ばれたり、実現性などアイデアの中の“ある一点”についてダメ出しが集中してポシャりがちです。このシートでは「この『問い』は自分も気になる!」とか「こうなったら良いよね!一緒に考えてみたい!」など、アウトプットの面白さや完成度で判断されて、見逃しがちなアイデアの要素も見えてくるのです。

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2.シートを下敷きにスケッチノートする

この4マスシートは、そのまま使っても良いのですが、このシートを下敷きに「スケッチノート」を作成することもできます。発想のメモとしての側面が強いこのシートですが、スケッチノートでまとめることで改めて誰かに伝えるということが意識されて、また新しい視点のもとでアイデアに磨きが出ることもあります。2つのマスをくっつけてみたり、マスを矢印で繋いだりしていくと、よりそれぞれの関係性も見えてきます。

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3.シートを使って観察スケッチする

いきなり、アイデアを整理していくことに中々慣れないという方は、このシートを使って既存のサービスやプロダクトを観察、分解してみることをおすすめします。まずは、マス内に要素を書き出していくと、自分の視点や情報の汲み取り方のクセが見えてきます。

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この時は、観察した「アイデア/技術」→「背景」→『あれ、子どもがターゲットだけど、大人もけっこう使ってない?(気づき)』→「問い/問題/課題」→「理想の姿/解決策」という順番で記入しています。

観察というと「 #観察スケッチ 」が有名ですが、その下書き的に使うこともできます。(ということを最近発見しました)ミクロな視点になりがちな観察に、広く捉えてみるきっかけを与えてくれます。

スケッチノートに使えそうかもと言うことや、観察スケッチに転用できそうじゃん!など見返すたびに、新しい用途が見えてくる不思議なシートです。まだまだ可能性を秘めているやもしれません。自分自身でもいろいろ試しながら広げていきたいと思います。

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