試合の見方。
見出し画像

試合の見方。

画像1




自分自身の整理のために、
上記の本の内容を引用しながら、簡単にまとめていこうと思う。

上記の本では、そもそもアナリストとは何か?
という基本的なスキル、役割や立場などから始まり、

筆者のリアルタイム分析の仕方。
アナリストとして解釈したデータや情報をどのように扱い、
選手やコーチにどうやって情報を伝えてるか。
分析の際にどんなソフトを使って、どのようなデータを出しているか。
オンシーズンでの1週間の「アナリスト」のスケジュールなど。

実際にJリーグの最前線で戦ってきた経験から書かれている。
筆者とJリーグの監督や選手との対談もあり、面白い。

自由度の高いスポーツ

大きな自由度三次元のスポーツ

本書では、最初にサッカーというスポーツの特徴を載せている。
大前提として、どんなスポーツなのかを理解しておく必要があるからである。

本文より引用

ずっとボールを持っていてもよいし、前に蹴っても後ろに蹴っても、バウンドさせても、浮かせてもいい。バスケットボールの選手がずっとボールを持っていたら24秒ルールなどに引っかかるだろうし、ラグビーの選手がボールを前に投げてしまったら、スローフォワードの反則を取られる。....(中略)
こういった他のスポーツでは行えない行為が許されているサッカーは、自由度が大きくボールを三次元で扱えるスポーツと言える。

さらに、そこに心理面での要素も関わってくる。

プレッシャーに強い選手もいれば、弱い選手もいる。
ミスをして落ち込む選手もいれば、気にしない選手もいる。
周りとうまく関係性を作れる選手もいれば、そうでない選手もいる。

そういった様々な性格を持つ11人が一つのチームとして、ピッチでプレーしている。

多くの人が「複雑なスポーツ」と言っているのは、上記のような要素からである。


“観る”ではなく”見る”

そういった複雑なスポーツを、指導者などのスタッフは“見る”ことができなければいけない。

ドリブルで相手を抜いたり、綺麗なシュートをしたり
ピンチを守るシーンに感動したり
そういったプレーを楽しんだり、ドキドキするのは、“観る”である。
起きた現象をそのまま観るのではなく、

選手たちを支えるスタッフは、試合を“見る”力がなければいけない。

本文より引用

ある得点が生まれた場合に、それは何分に発生し、どこからスタートして、誰を経由して、どこのスペースを使って、どのような流れでなぜ発生したのかを理解する。※得点のシーンだけに限らないが。
つまり、5W1Hをシーンごとに見続けられる能力が求められる。

これは非常に当たり前のことのように思うが、実際に見続けるのは難しい。

さらに、実際に起きた現象を見るだけではなく、次に何が起こりそうかを予想しなければいけない。

リアルタイム分析

リアルタイム分析とは、試合中に行う分析のことである。
分析と聞いて、だいたいの人がイメージするのは、このリアルタイム分析だと思う。
(他にも例えば、自チームのTR分析、次の対戦相手の分析、データ分析
などがある。)

時間帯に分けて、見る。

非常に参考になったのだが、筆者の観る際のポイントとして
「時間帯」で、観るポイントを変えていくということ。
下記のように、90分のゲームを6分割して、その時間帯で優先して見るポイントを決めている。
15-30分、30-45分で筆者が見ているポイントは非常に参考になった。

・0-15分
・15-30分
・30-45分
・45-60分
・60-75分
・75-90分


自チームの場合

当然、自チームの選手の特徴、性格などは把握している。
なので、最初の0-15であれば、下記のようなことに注目する。

・テンションの高さ
・相手チームとのフォーメーションの噛み合わせ
・誰と誰がマッチアップしているか(個々の対決の優劣)
・やりたいことができているか?できていないのはなぜか?

相手チームの場合

全く知らない対戦相手の場合、0-15分の間でできるだけ早く、
相手の全体像、個人の特徴を見る。
そして、筆者の考えに非常に共感したのが、
相手のチームの監督を見るということである。

相手チームの監督はどんなタイプの人なのか。また誰に指示を出しているか?
そこから相手チームが立ち上がりの時間、うまくいっているのかなどを予測する。

立ち上がり(0−15分)は、
おそらく、ほとんどの人が同じようなことを見ていると思う。
それ以外の時間帯でも見るべきことの優先順位を整理しておくと、
落ち着いて試合を見ることができるかもしれない。

局面に分ける

サッカーは、攻撃と守備をはっきりと分けづらい。

ボールを持っている状態をすべて「攻撃」と呼ぶ人もいる。
だが、ボールを持っていなくても、敵陣でプレッシングを行い、「攻撃」していると表現する人もいる。
分け方はいくつかあると思うが、それに良し悪しはないと思う。
自分が把握しやすいものであれば、良いと個人的には思っている。

* * *

サッカーは大きく4局面に分けられる。
攻撃、攻→守、守備、守備→攻撃
(ここでば、わかりやすくボールを持っている状態をすべて攻撃とする)
基本的にはこれで問題ないが、
例えば、相手の攻撃をさらに
大きく、「自軍での攻撃」「敵陣での攻撃」
に分けて考えてみると、わかりやすくなるかもしれない。

相手チーム自軍での攻撃:
中盤を経由して前進するのか?その際に誰を経由することが多いのか?
縦に早く、ロングボールを蹴るのか?どこに蹴っているか?

こういったように再現性の高いプレー(多く発生している現象)は把握しておく。


心理学とコミュニケーション

これは試合の見方とは、違うが、
練習や試合を見て気づいたことを、
まとめて、伝える力もとても大切なことである。

上記の本の中で筆者は、選手やコーチのことを常に考え、相手目線になっていた。
アナリストとして、コーチと選手の間に入ることも多く、伝え方に非常に気を配っていた。

本文より引用

伝え方にも注意が必要だ。
往々に行ってしまうのは、「相手の強み」を強調してしまうこと。
「サイド攻撃が多彩で、中央にはヘディングに強い選手がいる」.......
(中略)
私はミーティングでこの類の話をあまりしない。人間は意外にも洗脳されやすく、まして信用している人の発言であれば、鵜呑みにしやすい性質を持ち合わせている。選手との関係性が良好であればあるほど、「相手の強み」の強調はマイナスに働いてしまう。だからこそ、私は、「相手の弱み」ばかりを取り上げていた。たとえそれが格上のチームでも、代表選手であっても変わらない。



相手目線、選手目線であるということは、
良い指導者のための条件の一つだと、個人的には思っている。
(サッカーの指導者に限らず、何にとっても重要なものであるが。)

* * *

2020年の1月末、いろんなご縁で数日間、奈良クラブを訪問させていただいた。

練習をピッチで、選手、コーチたちと同じ目線で見学させてもらうだけでなく、
プレシーズンでの一番最初のキックオフミーティングまで参加させて頂いた。

これからのシーズンでの戦い方を選手へ伝える場所であり、実際にその場所を現場にいて、空気感を感じることができる機会を頂いた。

キックオフミーティングの前日の夜、
指導者だけで、翌日の選手へのプレゼン(見せる資料、話し方)のリハーサルが行われた。

見せる資料、映像の確認。話す言葉など、
選手に伝わりやすくするためにはどうするかを徹底的に考えていた。
練習メニューを見学する以上に、そういった姿勢が何よりも、勉強になった。

コミュニケーションはよく、キャッチボールに例えられる。

キャッチボールの相手が子どもだったら、
ゆっくり下投げてボールを投げなければいけない。

相手が野球経験者の大人であれば、
おもいっきりボールを投げても良いかもしれない。

選手と指導者は、勝利を目指すという同じ目的を持っている。
だけど、指導者はグラウンドの中に入り、プレーすることはできない。

実際にプレーするのは、選手である。

だからこそ、どうやって伝えるのか?
相手のことを考えたコミュニケーションが大切なことは当たり前のことである。



この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
嬉しいです!
サッカー指導者。台湾在住。インプットとアウトプット。サッカーの学びの整理。