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緊急事態宣言中に見た日本人気質

昨日の記事で緊急事態宣言の解除は遅過ぎたと思っているし、自粛はさほど意味はなかったのではないか、と書いた。

そこで使っていたデータで、少し興味深いものがあったので紹介したいと思う。

緊急事態宣言中の人出(モバイル空間統計より)
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こちらは東京都新宿のデータ。4/18の数字を基準(100)として、どれくらい変動したのかをグラフ化してみた。これを見ると面白いのは土日祝日の人出よりも平日の方が明らかに多い。

つまり、外に出る人が増えるのはビジネスマンの増える平日だったということがわかる。もちろん4/18時点で8割近い人出の減少が見られた訳なので、それに対して140とか160くらいの指標は大したことが無い数字かもしれない。ただこれを見た筆者は「日本人ってなんて真面目なんだろう」という感想をもった。

もう少し正直に言うと「クソ真面目」、嫌味を込めて言うと「馬鹿正直」だ。国や東京都から「自粛しなさい」と言われると、きちんと外出を控えている、ただし会社には行かないといけないと思っている人も割と多い(そういう指示を出されたのかもしれない)ということだ。

真面目なことは良いことだが、世論としてこれだけ自粛ムードにも関わらず、「ビジネスは別」と考えている人がこれだけ多いことに驚くと同時に怖くなった。裏を返せば、パワーに逆らえない、右へ倣えの人がこれだけ多いと言えるんじゃないか、ということもわかるからだ。

今回は飲食店の営業自粛要請で、休日だったり、夜閉めていたお店が多かった。「コロナって夜行性なんだっけ?」と思わせるほどの徹底ぶり。皆さんこの数字を見れば「コロナは危険」と十分に思っていたことはお分かりだろうが、平日は「仕事だから仕方ない」と外に出る人もいるのだ。中には「出たくないほど恐ろしいが」と思ってた人もいるかもしれない。

この感覚は私も日本人なのでよく理解はできる。そして理解できるだけに恐ろしい。自ら考え、今は何をしないといけないのか、何をすべきなのかを個人が考えて行動できない。行動したくても、それが抑制・抑圧されてしまう。いわゆる同調圧力。そんな文化が透けてみえるからだ。

論理飛躍しすぎなのかもしれないが、私は今回のコロナ騒動で別の不安を感じた。世界を混乱にすることはこんなにも簡単に作れるのだという不安。そしてその中でも非常に弱々しい日本の群衆心理。我々が反省すべきはこんな観点もあるはずだ。

是非、こうした事実を知ったうえで、課題は何なのか個人、個人で考えてみたいところだ。

妙な数字から感じた日本人気質、なかなか興味深かった。

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