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2020/1/12 Gabarito KOBE at ポートアイランド

Gabarito KOBE ポートアイランド吟行にご参加いただいた皆様、興味を持ったり情報拡散してくださった皆様、ありがとうございました。

楽しい句会になりました。
一方、毎度のことながら、吟行を通じて「街を考える」側面の方をもう少し充実できたらいいのにな、という反省はあります。(僕のやり方もあるし、句会としてエキサイティングになればなるほど、この側面が薄れてしまうという構造的(?)な悩みも。)

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vaporwaveという、インターネット発の音楽ジャンル/ムーブメントがあります。
ざっくり言うと「80年代的な消費社会・ヤッピー文化を、懐かしみ(あるいは憧れ)、同時に批判(揶揄)する」ようなもので、当時の”アーバンな”サウンドを大胆にコラージュして加工した音楽です。
結婚式場(?)のピカピカのイルカのオブジェを詠んだ句がいくつも出ましたが、ポーアイには「まさにvaporwave」という景色がたくさんありました。

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失礼を承知で言ってしまえば、ポーアイ自体が「遺構」みたいなところもあり、しかしそれは、必ずしもバブル下でのイケイケドンドンな開発(だけ)のせいではなく、もちろん震災や、いろいろなことが積み重なった結果の姿なわけです。
新年の、曇りのポートアイランドは、そこかしこで物悲しさと妙な明るさが同居していて、なんというのかな、あの、その、いわゆる、エモかった、です。

Gabarito KOBE、次回の開催は今のところ未定ですが、またやりたいと思っています。
次は誰とどこに行こうかな。

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個人的には、ピカチュウの凧を揚げる親子を俳句にしたかったんですが、どうしても「寂しい人工島にも人の暮らしがあるのだ」みたいな平板な感性に収斂されてしまう感じがして、うまくまとめられなかったな。そこからもう一歩踏み込まないと、行かないでも書ける。

新年の島に掲揚台数多
八の字に船別れ行き年新た
淑気しゆわしゆわ海豚戴冠してゐたり
リチャード・クレイダーマンや小正月
中公園にUFO来る淑気かな
モデルルーム公開中や冬の椰子
空に龍地には立体交差かな


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