しょう。

歴史×ファンタジー小説を書いています。歴史とは言ったものの、かたい雰囲気のあの「歴史っ…

しょう。

歴史×ファンタジー小説を書いています。歴史とは言ったものの、かたい雰囲気のあの「歴史っぽさ」はほとんどないです。ちょっとだけ歴史のスパイスがかかったファンタジー小説だと思ってください。笑

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時間の無い世界で、また君に会う

序章 時間と人の物語 電車の出発アナウンスがホームに鳴り響く。 「やばいやばい。遅刻遅刻!」 ドアが閉まる瞬間、忍びのように電車に飛び込んだ。 「セーーーフ!」と言いながら息を整えて目を開ける。 人、人、人。 360度人であった。 満員電車はまるで時間に縛られて生きている人々を乗せる貿易船である。 電車を降りて、学校に向かう途中にも似たような光景を見る。 遅刻しそうになると鉄砲から逃げるように全力疾走で会社や学校に向かう人。 まさにこの世界は"時間に支配さ

    • 時間の無い世界で、また君に会う 第12章 桜が咲く季節に

      時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」はある日、夜道で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 紙に偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力を持つ一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 ある日、咲季と池袋で遊んだ帰りに「次の日も会おう!」と待ち合わせをするが、起きてみると時間がなくなったままで、咲季はどこにもいなかった。 ━━━咲季を見つける唯一の可能性と言えるのが「時切稲荷神社」! 地元

      • 時間の無い世界で、また君に会う 第11章 迷子

        〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」はある日、夜道で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 紙に偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力を持つ一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 ある日、咲季と池袋で遊んだ帰りに「次の日も会おう!」と待ち合わせをするが、起きてみると時間がなくなったままで、咲季はどこにもいなかった。 ━━━咲季を見つける唯一の可能性と言えるのが

        • 時間の無い世界で、また君に会う 第10章 古い地図

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」はある日、夜道で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 紙に偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力を持つ一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 ある日、咲季と池袋で遊んだ帰りに「次の日も会おう!」と待ち合わせをするが、起きてみると時間がなくなったままで、咲季はどこにもいなかった。 ━━━咲季を見つける唯一の可能性と言えるのが

        時間の無い世界で、また君に会う

          時間の無い世界で、また君に会う 第9章 自由なタクシー

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」はある日、夜道で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 紙に偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力を持つ一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 ある日、咲季と池袋で遊んだ帰りに「次の日も会おう!」と待ち合わせをするが、起きてみると時間がなくなったままで、咲季はどこにもいなかった。 咲季を探す手がかりを見つけるために図書館で借

          時間の無い世界で、また君に会う 第9章 自由なタクシー

          時間の無い世界で、また君に会う 第8章 ジショウおじさん

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」はある日、夜道で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 紙に偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力を持つ一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 ある日、咲季と池袋で遊んだ帰りに「次の日も会おう!」と待ち合わせをする。 しかし、起きてみると時間がなくなったままで、咲季はどこにもいなかった。 咲季を探す手がかりを見つけるために

          時間の無い世界で、また君に会う 第8章 ジショウおじさん

          時間の無い世界で、また君に会う 第7章 偶然

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」はある日、夜道で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 紙に偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力を持つ一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 時を無くす力を使って時間が存在しない素晴らしさを伝えようと僕らはライブ配信を始める。 時を無くす力を使って色んな依頼をこなしていくうちに、咲季の時を無くせる時間が徐々に伸びていること

          時間の無い世界で、また君に会う 第7章 偶然

          時間の無い世界で、また君に会う 第6章 待ち合わせの場所

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」はある日、夜道で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 紙に偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力を持つ一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 時を無くす力を使って時間が存在しない素晴らしさを伝えようと僕らはライブ配信を始める。 時を無くす力を使って色んな依頼をこなしていくうちに、咲季の時を無くせる時間が徐々に伸びていること

          時間の無い世界で、また君に会う 第6章 待ち合わせの場所

          時間の無い世界で、また君に会う 第5章 夢の都会

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」。 時間に対して考えている時に道端で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 その紙に書かれたことが気になったトキマは、偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 彼女は時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力があった。 時を無くす力を使って時間が存在しない素晴らしさを伝えようと、僕らはライブ配信を始める。 時を無くす力を使って

          時間の無い世界で、また君に会う 第5章 夢の都会

          時間の無い世界で、また君に会う 第4章 走り出す二人

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」。 時間に対して考えている時に道端で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 その紙に書かれたことが気になったトキマは、偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市に行き、そこで一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 彼女は時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができる力があった。 時を無くす力を使って時間が存在しない素晴らしさを伝えようと、僕らはライブ配信を始めた。 時を無くす力を使って

          時間の無い世界で、また君に会う 第4章 走り出す二人

          時間の無い世界で、また君に会う 第3章 楽しいひととき

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」。 時間に対して考えている時に道端で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 その紙に書かれたことが気になり、偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市へ。 紙に書かれた住所通りの古い建物に着いたトキマは一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 彼女は時の鐘を鳴らすと一時的に時間を無くすことができるのであった。 時間を無くした世界で川越を歩きながら彼女から過去を聞かされた。 次の朝。電車に

          時間の無い世界で、また君に会う 第3章 楽しいひととき

          時間の無い世界で、また君に会う 第2章 少女の過去

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」。 時間に対して考えている時に道端で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 その紙に書かれたことが気になり、偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市へ。 紙に書かれた住所通りの古い建物に着いたトキマは一人の少女"咲季(サキ)"に出会う。 夕焼けが綺麗に広がる川越を見渡していながら、咲季は時の鐘を鳴らす。 その鐘の音が川越をゆっくり包み込むように広がっていくと同時にこの世界から時間が無

          時間の無い世界で、また君に会う 第2章 少女の過去

          時間の無い世界で、また君に会う 第1章 時を無くす少女

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「トキマ」。 彼はたまたま遅刻に追われて乗った満員電車で時間の歴史を調べた。 しかし、それでも時間の必要性にまだ納得できないトキマはずっと考えていた。 そんな時に道端で「時間をなくしてみませんか?」と書かれた一枚の紙を見つける。 その紙に書かれたことが気になり、偶然載っていた住所を頼りに埼玉県の川越市へ。 住所通りの古い建物に着いたトキマは突然後ろから「なんのよう?」と声をかけられる。 それは桜のように優しく透き

          時間の無い世界で、また君に会う 第1章 時を無くす少女

          時間の無い世界で、また君に会う 序章②時間と人の物語

          〜前回までのあらすじ〜 時間の存在に疑問を持つ少年「時間(以後カタカナ表記でトキマとする)」。 彼はたまたま遅刻に追われて乗った満員電車で時間の歴史を調べて知る。 しかし、それでも時間の必要性にまだ納得できないトキマはずっと考えていた。 そんな時に道端で一枚の紙を見つける。 夜の暗い道でひっそりと輝く街路灯の光。 その光に誘われた蝶たちがまるで舞踏会のように踊っていた。 蝶たちのように光に誘われたのか、一枚の紙はそこに落ちていた。 その紙は暗闇の中にある小さな光

          時間の無い世界で、また君に会う 序章②時間と人の物語

          時間の無い世界で、また君に会う 序章①時間と人の物語

          電車の出発アナウンスがホームに鳴り響く。 「やばいやばい。遅刻遅刻!」 ドアが閉まる瞬間、忍びのように電車に飛び込んだ。 「セーーーフ!」と言いながら息を整えて目を開ける。 人、人、人。 360度人であった。 満員電車はまるで時間に縛られて生きている人々を乗せる貿易船である。 電車を降りて、学校に向かう途中にも似たような光景を見る。 遅刻しそうになると鉄砲から逃げるように全力疾走で会社や学校に向かう人。 まさにこの世界は"時間に支配された世界"なのである。

          時間の無い世界で、また君に会う 序章①時間と人の物語