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最強のアドバイスとは

コーチングにも使えるアドバイスの理想の姿

私は、弁護士業務の中で日々依頼者の皆様にアドバイスしています。
そして、弁護士は、アドバイスの難しさを一番わかっている職業の一つではないかと思うのです。

客観的にみて明らかに依頼者に一番良い方法であっても、アドバイスの方法を間違うと、依頼者は動かず、案件は動かず、事態は悪化していき、弁護士への信頼が失われていく。「一番良い方法を伝えたのに!」と思ってもアドバイスの仕方が悪ければ言い訳になりません。

良い弁護士ってアドバイスの仕方がホントに上手い

良いアドバイスをすると、依頼者は喜んで動いて、案件はサクサク進み、事態は収束に向かい、弁護士への信頼が向上する。

アドバイスを磨くことは弁護士として決して怠ってはいけないものなんです。

弁護士になっていろんなアドバイスをしてきましたが、時たま、劇的に上手く行くことがあります。これを分析してみるとあることに気づいたのです。

上手くいくときは依頼者の方が良く話している

私のボスはアドバイスが極めて上手く、依頼者の絶大な信頼を得ています。だから一緒に仕事をするときは横目で技術を盗むよう目を光らせています。

ボスが一緒のときの打合せでは、依頼者の方が良く話す。ボスはポーン、ポーンとボールを当てるように二言三言話す。すると、依頼者からドバドバっと話が出てくる。いつの間にか解決の方向が決まり、依頼者はスキップで帰っていく。

かたや、なかなかアドバイスが上手くいかないときは、弁護士の方が良く話しているんですよね。「これがこうで、こうなので、こうするのが考えられます。」とつらつら述べても、依頼者が腕を組んで「うーん。。。」と悩む。いい方法なのに!

アドバイスの目的:行動を引き出す

アドバイスは何のためにするかというと、それを受ける人の行動を引き出すためにするのだと思います。アドバイスをする人が代わって行動することはできず、最終的には受けてが自ら行動しなければなりません。

でも、人に言われてやるのって嫌ですよね。やる気の話でした”作業感(やらされている感)”が出てしまいます。これじゃぁ依頼者も動かないはず。

最強のアドバイスとはアドバイスしないこと?!

先ほどのボスの話。良く良くボスの発言を聞くと、アドバイスしていないことがあるんです。それじゃあアドバイス料をとるのは詐欺じゃないかと言われるかもしれませんが、より正確に言うと、●●した方が良いですよ、と答えを示すことをしていないことがあるのです。

つまり、依頼者が自ら解決策に気づいているんです。

そう、ボスは依頼者が解決策に自ら気づくよう、まるで良い解決策への道筋に少しずつ光を当てるように言葉を発していたのです。なぜ、こんな回りくどいことをするのでしょうか。

楽しかった祖父との将棋

ここでちょっとだけ、思い出話にお付き合いください。

私の祖父もアドバイスの天才でした。祖父はとある大きい企業に勤めておりましたが、人を育てる天才で、いろんな人を育てていたようです。祖父はもう亡くなってしまいましたが、祖父のお葬式には、それはもう沢山の人に来てもらったのです。みんな口々に祖父にいろいろ教わったと言っていました。とても良いお葬式でした。私のお葬式も祖父のお葬式のようになってほしい。

そんな話はさておき、私は祖父と将棋を指すのがとても楽しみでした。祖父が将棋の指導をしてくれるのですが、これがとても楽しい。でも、祖父は、こう指したら良いって教えないんです。

祖父は、「そこに指したらここに角が効いているからなぁ。」、「今の局面でこっち(祖父側)の弱い部分はどこかなぁ」など、ヒントになるようなことをポロっと言って、私は頭をフル回転させて指す。間違った手を指しても、少し進めて、それが間違いであることを気づかせ、少し前の盤面に戻して再度指させる。良い手が指せたら良く褒める。(祖父のヒントがあれど)自分で考えて上手く指せたときってホントにうれしいんですよね。良い手が指せたときは、まるで自分の手柄・実力のように思っていました。

これって、いいアドバイスにも通じる話なんです。

自ら考えた方法は行動に移しやすい

自分で考えた方法って心理的障壁が低いし、責任感をもって行動に移しやすいと思うんです。やる気の話に通じるのですが、誰かにやらされる方法より、自分で”どうやったら”と考えた方法って、やるのが苦にならないし、自分で選んだから責任感も持ちやすいんですよね。

先ほど、アドバイスの目的は行動を引き出すことだと述べました。相手に気づかせるというのは行動を引き出す最強の方法なのではないかと思うのです。

しかもこの方法、相手の考えが行動に上手く乗っかるので、相手のポテンシャルを引き出す最良の方法だと思うのです。

相手が気づけるように、相手の今いる位置の一歩先を照らす。これが最強のアドバイスなんだと思います。

しかし、これがホントに難しい。相手の今いる位置を把握して、相手が動きやすい言葉を選んで、(気づかれないように)良いタイミングでその言葉を投げかけなければなりません。これができるようになるには、日々このことを意識して、鍛錬するほかないのだと思います。弁護士は生涯勉強です。

結語

いかがでしたでしょうか、最強のアドバイス。いわゆる How to ではなく、心がけみたいな話になってしまいましたが、アドバイスやコーチングでは有用な考え方だと思います。

でも、これって、依頼者から感謝されない可能性のある方法なんですね(笑)。依頼者が自ら気づいたのですから。

しかし、事業が上手くいっている会社などは密かに気づいていたりするんです。”イイモノ”を良く知っているということなんでしょう。

私も、良質なモノやサービスの後ろに隠された工夫に気づいて感謝できる人になりたいなぁと思っています。人の工夫に気づくって結構楽しいですよね。

私の note ではこうした意識的・無意識的な工夫などもできる限り言語化して共有できるようにしたいなぁと思っています。

感想、ご批判等がございましたら、遠慮なく是非是非コメントください。

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弁護士 Shoot Law

法律書よりビジネス書が好きな弁護士。弁護士業務や弁護士になるまでに培った経験をなるべく言語化して共有したいと考えております。皆様からサポート・リアクションをいただき本当に感謝しております。励みになります。

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法律書よりビジネス書が好きな弁護士です。弁護士になってから、あるいは、弁護士になるまでに身に着けた考え方などについて、言語化してnoteに落としていきます。