大人も楽しめる子供の歌を作ってみたらリメンバー・ミーだった話【1歳からのヒップホップ】
3歳の息子とドライブ、車内。
音楽の主導権は息子が握っている。
僕が聴きたいヒップホップなんて流した日には、EQ(イコライザー)で高音域をがっつりブーストさせた、耐え難い息子の鳴き声が鳴り響く。
しかもずっとだ。
だから車内では息子の好きな「子供の歌」を流す、それは子供用に作られた音楽達、大人が楽しめるか?と聞かれたら、、、、
一人でのドライブ、車内。
大好きなラッパーKOHHのTaiyoという曲を聴いていた。
「まるで太陽」という言葉を連呼する、聞き手に刷り込むように連呼する。
この感じ、何かに似ている、、。
同じ言葉を刷り込むように連呼する感じ。
ばあちゃんか?
ばあちゃんが「弁当持ったか?」とか「ご飯食べたか?」とか何百万回も聴いてくるあれか?
いや違う、ばあちゃんはばあちゃんだKOHHではない、仮にKOHHがばあちゃんだったらやりづらいわ。
子供の歌か?
そうだ、いつも息子と聞いてるやつだ、同じ言葉を分かりやすく繰り返す。
あの感じだ。
ちょっと待て、おい、これは、一緒じゃないか?
KOHHだけじゃないヒップホップは基本同じ言葉を繰り返しがちだ、ビートもそうだ、短いサンプルを繰り返している。
だからヒップホップは分かりやすくてノりやすいのだ、反対に高度な即興演奏が続くジャズで「ノれ」と言われても難しいだろう。
じゃあ、なんだ、つまり。
「ヒップホップと子供の歌は、ある意味一緒やんけ。」
と、いうことで、どうせ一緒なら大人も楽しめる子供のための歌(ヒップホップ)を作ることにした。
ビートはゴリゴリのヒップホップ、ラップは子供向けに、そしてサビで同じ言葉を連呼し、刷り込ませていく。
そんな曲を作ることにした、題して
「1歳からのヒップホップ」
コンセプトは、MOTHER2の糸井重里をサンプリングして。
はい!
それでは、曲の制作過程を説明していく、、、が
先に、イメージしやすいように完成した曲を聴いてもらおう。
息子が、苦手なお片付けを少しでも好きななって欲しい、という親のエゴで作った。
「おかたづけ おわらせて」
という曲。
1.曲のビートを作る
僕は趣味で仕事と育児の合間にヒップホップのビートメイクをしている、趣味ではないライフスタイルとしてやっている(おい、一緒やんけ)
最近主流のパソコンでやるスタイルとは少し違いサンプラーと言われるMPCという機材でビートを全て作っている。
MPCで作るヒップホップは基本的にサンプリングミュージックで、レーコードや、CD、カセット、今だったらSNSやYouTubeから、曲の気に入った部分を抜き出し、パッドに振り分け再構築して新しい音楽を生み出す、コラージュ的な物だ。
こんな感じでやる↓
まずはメロディーを決める、今回は家にあったトイピアノを適当に弾いて、それをiPhoneで録音しMPCに取り込んで作った、ちなみにピアノは弾けない。
セロニアスモンクになりきって弾いた。
別にピアノが弾けなくても音楽はできる。
次はリズムだ、少しビートに違和感を持たせたかったので、セロニアスモンクがブルーノートから初めて出したアルバム「Genius of Modern Music」の一曲目「Humph」で冒頭に鳴り響く、ざらついた勢いのあるドラムソロをサンプリングした。
このドラム音のキーを下げて、速度を遅くし、切り刻み、ヒップホップのビートに馴染ませるのがとても楽しかった、チョップ・アンド・フリップという技法だ。
あとは、ベースとジャズっぽいコードを乗せて完成だ。
ぶっちゃけコード進行とか音楽理論は意味が分からな過ぎて、意味不担当大臣に就任されてしまう勢いだが、機械が優秀だから出来る、ボタンを押すといい感じのコードが鳴る、MPCに足向けて寝れない。
2.ビートにラップと歌をのせる
歌詞はレコーディングしながら即興で作っていった。
伝えたいことは「頼むからお片付けしてくれ」「お片付けしてから次のことしてくれ」ってことだから、いつもの気持ちをそのままラップするだけだ、別に韻を踏むとか、かっこいいフローでとか、そんなんは意識していない。
サビは、繰り返して、刷り込む。
なんなら息子にも歌わせた、むちゃくちゃ恥ずかしがってた。
日本人は「ラップ=韻を踏む」という考えが根強いみたいだが、僕は韻を踏む事はラップの一側面でしか無いと思っている。
今回の曲で大切な事は「分かりやすく伝えること」だ。
3.ミュージックビデオを作る
YouTubeに載せるならMVも作ってしまえ、という事で、息子がオモチャで遊んでいるカオスを、最近買って画質の良さに震えていたiPhone13Proで撮影する事にした。
乗り物が大好きな息子はこの日も、プラレールとトミカの2枚使いで、DJクールハークのようにフロアを踊らせていた。
激写するワイ
しまじろうが困っているように見える。
ここで不安がよぎった、、。
「ちゃんとお片付けすんのか?」
お片付けの曲でお片付けのシーンがなかったら最悪だ。
だから保険として「チョコボール食わす」という最強の攻撃魔法を使い、息子にお片付けをすると約束させた。
チョコボールにも足を向けて寝れない。
結果、お片付けしてくれた。
無事撮影は完了したが、編集段階で、3分近い曲に対して動画の素材があまりにも少ない事に気付いた。
しかし、もう一度チョコボールを犠牲にする訳にはいかない、、。
考えた末に、サビの部分に全てイラストをぶち込む事にした。
おかたづけ〜♪
終わらせて〜♫
と、こんな感じ。
僕はイラストを描くのも大好きなので、結果、より自分らしいMVなったと思う。
4.作ってみてどうだったか
そりゃもう楽しかった。
そもそも曲を作る事は好きだし、息子が喜んでくれた事が何より嬉しい。
あと、なんだか凄い自然と作れた気がする。
リラックスして、心から音楽を楽しめたし、クリエイティブになれた。
それは多分息子のために作ったからかもしれない、リメンバー・ミーの親父の気持ちが分かった。
また作ろうと思う。
次の曲は、、
「補助便座でプチャヘンザ」
だ。
ぽやしみ。
HP
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