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思考停止と他責の親密な関係とその破壊

実は私、約20年前、本格的に日本にコーチングのメソッドが上陸した当時からずっとプロコーチによるコーチングセッションを受け続けています。
自身でも社内や主催する塾では、グループコーチング的なコミニケーションを用いており、資格取得はしてきませんでしたが、経験だけはかなり積んでいます。そんな私が、この度、改めて教育コーチングの基礎講座を受講することになりました。改めてコミュニケーションのあり方を基礎から理論的に整理して学び直す機会を得られたことで、コーチング的コミニケーションに慣れすぎて、おざなりにしていた部分を見直すとても良い機会になっています。

魚の釣り方を体得させる

コーチの語源が馬車であるように、その役割は、クライアントが掲げた目標や問題解決のステージに連れて行くこととされています。しかも、ただ目的地に連れて行くだけではなくて、本人が立てた計画を実行に移し、そこに生じる問題や課題を取り除くサポートを行い、本人の力で目標達成や問題解決を行えるようにするのがコーチの重要な役割であり責任です。魚を与えるのではなく、魚釣りの技術を伝えて、誰かに依存するのではなく、自立して生きていける地力を身につけさせて再現性を持たせるに近いアプローチです。
その意味では教育を構成する教えるよりも育むに重点をおいたコミュニケーション・スキルと言えます。

コーチングを学び直す2つの理由

50歳も半ばを過ぎて、今更教育コーチングの基礎講座を受講しているには2つ理由があります。1つ目は4月から開講する職人育成の高校、マイスター高等学院でOJT担当の教育係に全員コーチングの資格を取得を義務にしたことで、社員と一緒に経営者もコーチングを改めて学び直すべきだと理事会メンバーとの話し合いで全員受講しようと盛り上がり参画する事業所の経営者と共に私も受講することになったからです。
もう一つは、自社のスタッフや顧問先の社員さんと毎月、1to1セッションを繰り返す中で、コーチング的なアプローチをもう少し強くしたいと思っていたからです。元大工で技術面の現場のことも現場以外の全体的なマネジメントのことも理解している私としては、ついティーチング色が強くなってしまう傾向にあり、もっと本人に考えてもらえるようなアプローチをしなければと感じていたことに由来します。

思考停止が問題を大きくする

今回、マイスター高等学院に参画された総勢30名以上のメンバーと一緒に教育コーチングの基礎講座を受講したことで、思わぬ副産物が生まれました。それは、コーチングを受ける側が、コーチングのメソッドを知ることで、自分の中で答えを見つけるのに積極的になったことです。
物事がうまく運ばない原因のほとんどが気づいている問題や課題に対して、正面から向き合うことなく、先送りする、もしくは思考停止してしまうことだと思っています。人は誰しも内なる答え持っています。答えを探してみれば見つかる力を持っているにもかかわらず、そこにアプローチするのを躊躇し、そのまま放置してしまうことが問題をさらに大きくしてしまいます。普段からそんな事例をしょっちゅう見聞きするだけに、答えを探す意識を持ってもらいたいと思っており、クライアントがコーチングメソッドを学ことで期せずしてそれが少し進んだ印象を持ちました。

他責と思考停止の親密な関係

思考停止と共に問題をさらに大きくし、解決から遠ざけるのが他責です。人は代えられない、変えられるのは常に自分だけと誰もが知っているにもかかわらず、無意識下で問題の根本的な所在をを自分の中に見いだすのやめて、つい人のせいにしてしまいます。これも、コーチング的アプローチを深く理解していれば、その滑稽さや愚かさに気がついて、人のせいにすることなく、自分の中で問題解決の鍵を探そうとします。ただ、意識的に他人に責任を押し付けている人はそんなに多く無く、殆どの人は問題や失敗を脊髄反射と言っても過言でないくらい自分への言い訳や責任転嫁と同時に捉えます。
人間が新しい物事に向き合うとまず考えるのは闘争か逃走だと言われますが、責任を逃れ、安全地帯に居ようとするのは本能なのかもしれません。
そして、自分の責任の範疇にないと思うことで、一瞬にして問題解決への思考は止まります。

潜在意識に光を当てる

本能的に身を守る思考から、他責及び思考停止に陥ると問題解決も目標達成にも全く行動が伴わなくなり、さらに問題は大きく深くなります。その悪循環を断ち切るには、自分が出来ること、自分の持つ影響力の輪の中に意識を集中して行動に足を一歩踏みだすしかありません。行動を起こすのは顕在意識ですが、行動を止めるのは潜在意識であり、認知すらなされていないのが現実です。この構造に気がついていなと、一人で考えては他責と思考停止に陥ってしまいます。潜在意識に光を当てて、潜在能力を開放することができれば、誰もが大きなパフォーマンスを発揮することができるはずです。
人が普段使っている能力はたった3%と言われるように、あらゆる問題解決する力を持っている可能性があります。コーチング・セッションという対話と俯瞰が潜在意識に光を当てて、他責と思考停止に気がつく機会が確かにあると、私は20年間の経験を通して感じてきたし、信じています。

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