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かくすれば、かくなるものと知りながら、やむにやまれぬクリティカル・ビジネス

先日のnoteでは今の世の中は「坤為地(陰の陰の卦」に突き進んでいると危惧を書きました。
未来予測のデーターを探れば探るほど、あまりに厳しい解決困難な課題の多さに閉塞感、もしくは絶望感を抱きそうになってしまいます。

未来から目を逸らし、思考停止になった時、人は今だけ良ければ良いと刹那主義に陥ってしまいがち。
しかし、次世代を担う子供達、若者達に想いを馳せれば、自分たちだけ逃げ切って「あとは知らんがな。」では情けなさ過ぎます。それでは大人としての責任の放棄どころか人の道から外れてしまうと思うのです。
私達は子孫から感謝されるべく、誰もが人としての尊厳を保てる真の民主化を目指さなければなりません。

闘争か、逃走か

古代から人間は見知らぬものに出会った時、瞬間的に闘争か逃走かの二択で本能的に行動すると言われます。
先行き不透明、不安定、曖昧、複雑なVUCAと呼ばれる時代の、混迷の世界の未来に直面している今、闘争か,逃走かの原理が当てはまると思います。

そして、逃走を選び、思考停止して今だけ、金だけ、自分だけの思考に陥ってしまう人が圧倒的に増えてしまったのではないかとも危惧しています。
このまま成り行きに任せると令和は暗黒のディストピアになってしまいます。

闘う者のは誰か?

もう一つの道、闘争の選択とはなにか?との問いの答えは、コンフォートゾーンの安穏な環境を自ら飛び出して、今までとは違う道を歩むことに他なりません。
しかし、現在の貧困が広がり、若者が犯罪に走り、自殺者や、折角宿した命を絶ってしまう女性が数十万人にも上り、人口減少が加速度的に進行している「人が生きるに値しないと判断される世界」に、どっぶり満足している人も数多くいます。

特に既得権益を握っている人達は何も変えたくないのが道理。社会全体のことよりも自分たちが築いて来た居心地のいい城を守ることを優先するのは想像に難くありません。
そんな富裕層、権力を持つ人達のバックアップを受けてきた政治家にこの国を根本的に改革するのは期待するほうが間違っています。また、そんな属性の人たちが主な株主になっている大企業は収益を上げて株主の資本を肥えさせる道具になってしまっています。これも闘争するはずがありません。

陰極まり、陽に転ず

陰が極まる坤為地から、誰もが幸せや生きがいを感じる生きるに値する社会=陽に転ずる新たな道を歩むのは上述の権力を握っている人ではないのは自明です。そして、新月から満月に月が満ちて行くように、陰極まれば陽となるのも自然の摂理。易経にも改革は常に地を這う民から起こると書かれています。

要するに、中小企業と括られてきた地域に根差す地域企業とそこで働く人達こそが世の中を変えるために闘争する主人公であり、その割合は日本の企業数の97%に及びます。

働いている人の数はともかく、経営者の数でのカウントでは圧倒的大多数を地域企業の経営者が占めます。それらの経営者が陽に転じる意識に変わり、行動に踏み出せば、一社の力は微弱であっても力を合わすことでこの世の中を陰から陽へと転じることができるのです。

コミュニティ・デザインが日本を救う

これは数に任せて日本をひっくり返すといった大袈裟で乱暴なことではなく、それぞれの地域で同じ目的(人が生きるに値する世界の実現)に共感した共同体を構築して、生きづらさを感じている人、将来が見えなくなった若者、絶望する経営者、予定なく子供を授かってしまったシングルマザー、学歴社会からはみ出してしまった子供達等々の人達に手を差し伸べて、それぞれが出来る範囲で微弱ながらも助け合う環境を構築することに他なりません。

これが出来れば、自ら命を絶ってしまう数十万人の命が残り、日本の人口減少の急勾配のグラフが緩和されます。日本は消滅を免れる可能性が浮かぶのです。

クリティカル・ビジネスへのシフト

では、地域企業の経営者は何をすべきなのか?どのような一歩を踏み出すべきなのか?そんな具体的な指針、方向性が分からなければ闘争するどころか、動くことさえままなりません。思考停止状態になってしまいます。

その答えを当代きってのビジネス書のベストセラー作家であり、思想家の山口周さんの最新刊に明確に書かれてありました。

社会課題の解決とビジネスを融合させるCSVモデルに社会運動のエッセンスを加味した発展型を紹介する書籍、『クリティカル・ビジネス・パラダイム』には、経済合理性が担保されず、誰も取り組まないが故に社会課題になっている数多くの問題を持続可能性を担保するビジネスへと転化させるマインドセットと具体的なヒントが散りばめられています。
自社で取り組んでいり事業にそのエッセンスを取り入れることで社会課題解決をビジネスで推し進めることが出来る可能性を感じてもらえるはずです。

かくすれば,かくなることと知りながら、やむにやまれぬ大和魂

ただ、大きなハードルは収益化が難しいだけに誰もが触らなかったから生み出された社会課題はそんなに簡単に解決する訳がないこと。

それは、単年での決算で収益化することは難しく、ある程度の年月をかける計画を立てて、腰を据えてじっくりと取り組まなければなりません。

事業を継続するには足元の収益、キャッシュ・フローが絶対に必要です。現在のことと未来のこと、両方を同時に行うのは生半可にはできません。
それでも、やる。との覚悟を持った経営者が今後、この日本にどれだけ生まれて来るのか、それが日本の未来を決定づけると思うのです。

総務省の発表通りにこのまま人口減少が続けば2100年に日本は消滅します。江戸末期と比しても見劣りしない、もしくはそれ以上の国難に瀕していると言っても過言ではない現在、吉田松蔭先生が示した覚悟を私達は持たねばならないと思うのです。

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教育と地域コミュニティ創生から日本の根本を立て直すプロジェクトを進めています。

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