脱!タイムマネジメント、タイムデザインへのシフト
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脱!タイムマネジメント、タイムデザインへのシフト

世界を震撼させ、今なお出口の見えない不安感を漂わせている新型コロナによるパンデミック。その影響の大きさは誰もが知るところですが、最近になって生活環境の変化による想定外の大きな異変があちこちで顕在化し始めているように感じます。その一つが建築資材の物価の高騰や地価の値上がり、また人手不足による人件費UPなどのインフレ懸念で、日本は長年デフレ経済から脱却できないと言われ続けてきたこともあってか、日本がインフレ局面に入ったと指摘する経済学者やアナリストは見当たりませんが、建築の実業を営んでいる私たちにはリアルに感じられます。失われた30年と言われるほど、経済成長が低迷してデフレに悩まされ続けてきた日本がインフレに転換することは決して喜ばしいことではありませんが、非常に大きな転換期を迎えたと思います。

事業計画とは「期間内」における成果の計画

もう一つの大きく顕在化したのが、人々の時間に対する認識の変化ではないかと思います。私たちは2ヶ月ほど前から、改めてタイムスケジュール通りに仕事を進めるのを最優先事項に掲げ直して取り組んでいますが、これまでは日時の予定を立てて、その予定通りに実行するなんて、当たり前すぎてわざわざ口にするまでもないことでした。それが、スケジュールを守ることを強く意識してこまめに進捗を確認すべきだと注意喚起しなければならなくなったのは、時間に対する認識の変化の表れではないかと思います。そして、これは社内のスタッフだけの問題ではなく、事業に関わる取引先やステークホルダーの時間に対する認識が同じレベルにならないとスケジュール通りの事業の進捗は叶いません。今日送ると言ったメールが送られない、約束した期日に書類が出来上がらない、納品日を間違う、そもそも、決めたスケジュールがまるでなかったかの様にすぐに変更する人たちが集まっていては、予定を立てるだけ無駄な時間で、成り行き任せ、行き当たりばったりの事業になってしまいます。最近になって、これまであまり無かった時間のトラブルが頻発する様になったのは、個々の問題もありますが、世相の変化とも関係があるように思えてなりません。とにかく、事業計画とは一定期間に行う事業の計画であり、時間軸無くして計画はあり得ません。

遅刻する人、リスケする人が激増している?!

今日、ビジネスコーチとのセッションでそんなことを話していたら、コーチも同じように感じていたとのことで、最近になって遅刻する、約束に遅れる、スケジュールをリセットする人が爆発的に増えているのが、明らかに傾向となって現れていると言っておられました。コーチによるとコロナ前はコーチングのセッションは対面で行うことが殆どで、その時は遠方から来る人も多かった事もあり、時間に遅れてくる人が常に一定数おり、それを見越して予定を立てていたとの事でした。コロナの蔓延と共に、セッションはオンラインに切り替わり、その当初は移動時間が必要無くなって、全員が時間ぴったりにコーチングのセッションを受けるようになったそうです。文明の利器が威力を発揮して便利な世界にシフトしたと思いきや、それが最近になって、オンラインのセッションにもかかわらず、時間を守れず、遅刻する人が続出しているらしく、明らかに生活様式の変化が時間に対する意識を変えてしまったのを感じると口にされていました。

効率化は人を幸せにはしない

私も毎日のようにオンラインで会議やmtg、セミナーに参加していますが、確かに、移動時間がかからないため、直前まで違う作業を熱心にやっていたり、他の打ち合わせの予定をギリギリまで詰めていたりしてしまっています。対面で会って打ち合わせをする際は遅れない様にと気をつけて、10分くらい前には打ち合わせ場所に到着するように心がけていた人が多かったですが、今どきのオンラインmtgで10分前からログインしてセッションが始まるのを待機する人は、運営者や主催者側も含めて皆無だと言っても過言ではありません。また、待機どころか、時間丁度、もしくは若干遅れてログインしてくるのがちょっとした常識だと考えているのではないか、と思える人も少なくありません。
zoomやteamsと言った手軽に使えるオンラインツールが一般に普及して、移動の手間と時間をかけずに何処にいても日本中の誰とでも、PCの画面を通して対面しているようにコミュニケーションが取れる時代になったのは、紛れもなくコロナのおかげです。私自身も時間を効率的に使えるようになったと喜びましたが、電動工具を使う様になった大工に代表される様に、効率を高めて人が幸せになった試しはありません。移動から解放されたことによって、全く余白のないスケジュールの組み立てをすれば、少しのイレギュラーが起こると僻地を走る単線列車のように、後の予定は玉突き状に遅れてしまいます。その積み重ねは本来、何よりも大切にすべき、人と人の信頼関係を損ねる原因になり得るものです。

タイムマネジメントからタイムデザインへ

そして、コーチによると、タイムマネジメントがうまく行かないからとアラーム、リマインダーを駆使して時間管理に取り組む人が非常に増えているとの事でした。時間を守る、約束を違えないためにはいい心がけではあると思いますが、私自身、時間管理という言葉にそこはかとない違和感を感じており、最近、スケジュールを時間通りに進めるのに、タイムマネジメントという言葉を使うのを避ける様になりました。私自身、クラウドのスケジュールサイトを活用して自分の時間を管理しておりますが、視覚的に予定が空いている様に見えるところにどんどんと予定を詰め込んでいく様になり、到底自分の頭で記憶できる範囲を超えてしまっています。明日、何をするのかはクラウド上のスケジュールを見なければ分からないのが正直なところです。
その結果、余白の無いスケジュールに陥って、自分が時間を管理していると言うよりは、スケジュールに自分が管理されている様な感覚に襲われて窮屈な居心地の悪い状態になってしまっていると感じてきました。
そのような気づきもあり、最近思うのは時間は管理するモノではなく、デザインするモノではないか?ということです。そもそも人生とは時間の集積であり、時間をどのように使うのか、なんのために使うのか、どうやって効果的に使うのかとの問いはそのまま、人生をどのように生きるのか?とのライフデザインを考えることに直結します。そう考えれば、長期的な時間の使い方と目の前のタスクを片付けること、重要性と緊急性のバランスを考えながらスケジュールに割り振るのはデザインという言葉の方がしっくり来るような気がします。時間を管理するでもされるのでもなく、デザインする。これからの人生における大きなテーマになるような気がします。

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緊急性の低い、重要なことについて学び、実践する研修やってます。




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本業は神戸と台北を拠点に設計デザイン、自社大工による施工を行う建築事業を営んでいます。 自分自身の出自は大工と言う事もあり、職人育成と職人の社会的地位の向上をミッションに掲げ、一般社団法人職人起業塾を立ち上げて日本全国で職人の意識改革、キャリアアップの支援活動を行なっています。