見出し画像

軸が通らないあなたに 〜在り方の見つけ方〜

昨日のnoteでは何かしらの事業を行うにおいて最も重要かつ、事業の本体そのものでもある「計画と実行」を全うするには結局、志が重要だと書きました。昨日の記事はこちら、

経済合理性を担保するのは在り方

志と並んで大事だと言われるのが「在り方」です。私が長年学び実践し続けてきた原理原則系の古典的マーケティング理論のコミュニティーでは「在り方から始めよう」が合言葉のようになっています。ちなみに、ここで言うマーケティングとはどうやってうまく稼ぐか、との売り方の方法論ではなく、持続可能な自社独自のマーケットを構築する構造化のことを指しています。何かことを成そうとするときにまずはじめにすべきは志を立てることですが、志だけでは経済的な合理性はなかなか手に入りません。そこを補完、担保するのが在り方だとマーケティング学会では言われています。

ぼんやりした在り方に意味は無い

このあり方と言う言葉はもともと「正しい在り方」との意味合いを含んでおり、前文を省略して使われることが多いだけに非常にぼんやりした概念として認知されてるようになってしまっている気がしています。最近、様々な場面で「在り方」と言う言葉をよく耳にしますが、具体的にどのような姿勢や向き合い方を指しているのか全く分からず、疑問を覚えることが少なくありません。ぼんやりとしたわかりにくいものは分割して細かく突き詰めていけばその正体が明らかになる、分割法の手法を使って在り方の定義を私なりに考えてみたいと思います。

在り方とは役割と表裏一体

もう少し丁寧に在り方を定義してみると「あるべき理想の姿へ向き合う姿勢の略」を指しています。あるべき姿とは理想の人物像の事であり、理想の人物像とは人が誰しも持っている多面的な要素と役割をすべて全うする人を指していると考えます。このような細分化からバックキャストすると、在り方を見つめ直すとは、まず自分の役割を棚卸しすることから始めるべきであるとなります。あり方とは役割と表裏一体であり、役割や責任、使命なくして在り方などあり得ません。

役割を果たさないのは鳥や獣以下

ちなみに、私が持っている多面的な役割とは、経営者、上司、職人、父親、夫、友人、リーダー、弟子、団体役員、男、大人、神戸人、日本人、人間、生き物、ext・・・となり、それぞれに全うすべきタスクや責任、理想の姿がつきまといます。全てを完璧にこなすのは簡単ではありませんし、私にもできているなどとは口が裂けても言えませんが、1回きりの人生を全うすると言うのは優先順位とバランスを考えながら、全体最適を目指すことだと思っています。役割は人類最大の発明の1つだと言われます。全く役割を全うできないとなると、鳥や獣と同じレベルになってしまうと言っても過言ではありません。

在り方で経済を立て直した上杉鷹山公

多重人格の最大公約数

1人の人格が、好む、好まざるは別として上述したような多くの役割を担っているのは紛れもない事実であり、いやがおうでも受け入れなければなりません。そしてそれらは複雑に絡み合い、包括し合う関係にあります。乱暴に一言でまとめてしまう「あり方」とは、それらの全てが重なる部分で理想のあるべき姿の条件を最大公約数的な概念にまとめて明らかにする表現になると思うのです。

愛ある職人と言うあり方

私の場合、それぞれの役割を全うするために必要な資質や姿勢、コミニケーションを考えたとき思い浮かんだのは、真摯な傾聴、誠実さ、主体的思考、思いやりとストローク、接点の創造、圧倒的な情報量、構造的思考、健康、多動マルチタスク、優しさext・・・となります。これらの言葉を紡ぎ合わせ、一言にまとめたのが私の持つべきあり方になると思うのです。強いて言い表すならば「愛ある職人」といったところでしょうか。

志を立てろ!在り方を見つめろ!

志を立てて、命を使う方向性や目的を明確に定めた後にどのような姿勢や態度でその目的に向き合うかを表すのがあり方です。役割や立場、それに伴う責任や考え方などをいちどすっかり棚卸しして抽出し直さなければ自分の中で軸となるあり方が定まらないのではないかと思います。ちなみに、11月26日の一般社団法人職人起業塾 5期生の全国合同フォローアップ研修では志を立てる&在り方を見つめるワークショップを行います。どうもぶれてしまいがち、自分の軸が定まらないと感じられる方はぜひともご参加いただければと思います。きっと、1本芯の通った自分になって、新しい年を迎えることができると思います。笑

________________

志と在り方を詳らかにしながら実践を通して固めていく実務者向け研修を行ってます。第20期職人起業塾は2023年1月開講予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?