教育と社会の融合
先週の12月5日、日本に本質的なキャリア教育を根付かせる活動を展開している一般社団法人マイスター育成協会の第2回目となる総会を開催しました。
2023年の4月に第一号の神戸校を開校したばかりのまだよちよち歩きの学校運営の団体ではありますが、今回の総会時には北は北海道から南は九州まで、全国各地から協業、応援してくれる多くの仲間が集まり、来期の事業計画案やプロジェクトについて話し合うことができました。
非常に有意義な時間を過ごすことが出来て、ご参加頂いた皆様には心から感謝すると共に、引き続き主体性を持って活動に取り組んで頂ければと存じます。
目的のトランスフォーム
高校生の3年間で社会人基礎となる人間性と現場での職能を身につける、今まで日本にありそうで無かったキャリア教育を普及させるマイスター育成プロジェクトは、実はCSVモデル(社会課題解決型ビジネス)を研究し、その実践に取り組む企業がそれぞれの地域で連携をとって共同体を再構築することで、誰もが生きるに値する社会の実現を目指す一般社団法人経営実践研究会の1000のプロジェクトの一つです。
マイスター育成プロジェクトの発起人である私は、自分自身の出自が大工であることから、長年「職人の社会的地位向上」を目指して活動を続けてきました。
これまでの10年間、実務者向けの研修・教育を通して、信用と信頼でコミュニティーを創成するこそが事業・経済の持続可能性を担保するとの経営の基礎理論を伝える中で、もっと早い段階(学生時代)でこの当たり前の概念を学び、実践する教育が出来ないかと考えるようになりました。
その意味では、私のこれまでの職人育成の活動と、現在のマイスター育成プロジェクトは違和感なくつながっています。しかし、実は決定的に目指す目的のレイヤーが違います。
私が目指して取り組んできたのはあくまで建築業界内での課題解決の域を出ることはなく、国が取り組んでも解決出来なかった大工をはじめとする職人不足問題と、宣伝広告やプロモーションに大量の時間と費用をかけなければ成り立たなくなってしまった地域密着の建築事業所のビジネスモデルの改善のみに限定した取り組みでした。
それが一般社団法人経営実践研究会に入会し、CSVモデルに取り組む企業や経営者に多くのヒントやサポートを頂くことが出来て大きく変化しました。
業種業界の枠を飛び越えて社会課題解決の根本として教育にアプローチする運動へと変化しました。私がこのプロジェクトを通して現在掲げる目的は「教育と社会の融合」となり、目的自体がトランスフォームしたと言っても過言ではありません。
社会に開いた教育
今回の総会ではその大きな変化を顕著に感じることが出来ました。それは、ただ単に若者に不人気な人手不足の業界によるリクルートの新たな手法と捉えられることなく、将来に光を見出せない若者たちに活躍の場を作る、学歴偏重社会から溢れた子供達に受け皿を提供するのだとの意思を共有できたこと。そして、その活動に興味と関心を持って関わりたいと申し出てくれる方が加速度的に増え始めていることです。
一般的に団体の総会では決算と前年の実績に沿った既定路線の予算案、事業計画案を事前に議案として提出し、総会では議案を形だけ読み上げた後に拍手を持って採択される「チャンチャン総会」になりがちです。
私達が行う総会は様々なプロジェクトや協業を申し出てくれた方からのプレゼンテーション、コラボ企画の発表など盛りだくさんで、今回は事業計画案のコンテンツは10項目に上り、たっぷり1時間半かけて多くの方に思いの丈をぶつけて貰いました。
主なコンテンツは以下の通り、どれも非常に斬新で本質的な取り組みであり、まさに教育と社会の融合を進めるアクションが並びました。
地域企業の役割と責任
子は宝と言いますが、未来をつくるのは間違いなく子供達であり、この国の未来を担うのは若者達です。日本は国の存続さえ危ぶまれているほどの少子化に陥っており、2050年までの25年間で何らかの有効な対策を講じなければ、次の1ターンで2075年には国内市場は壊滅し、全国が夕張と同じ状態になってします。
人類史上、例を見ない急激な人口減少がほぼ確定した未来として国の統計局から発表されていル現実から私たちは目を背けるべきではありません。
これまでの路線を大幅に変えて、社会を変革する必要がありますが、その主役は国でも自治体でも、ましてや大企業でもありません。
国内マーケットで生業をなす、地域に根ざした地域企業こそがその中心的役割を担うべきですし、日本の企業の97%を占める中小企業と呼ばれてきた会社の経営者が責任を自覚すべきだと思います。
国を消滅させる人口減少の原因となる課題は山積しており、しかも複雑に絡み合いながら解決を非常に困難にしています。私達は各地域で生きる希望を持てる社会への変革を目的に、社会で必ず活躍できる人材育成を行い、教育を通じて若者が希望を持てる社会を実現すべく、教育と社会の融合を起点にして絡まり合った糸を解きほぐしたいと考えています。教育と社会の融合こそ、その入り口になると確信しています。
日本中の各市町村にネットワークを構築すべく同じ志を掲げる仲間を募っています。ご興味がある方を是非ともご紹介ください。
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