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アメリカ人の錯綜したベーコン愛について

以前、こういう記事を書きました。

そんなベーコン好きアメリカ人ですが、豚の命を奪うことに罪悪感を持つ人もたくさんいます。

  • ベーコンは大好き

  • 豚の命は奪いたくない

この矛盾に直面して、アメリカ人は日々悶々としているのです。

そこで一部の人たちは、
「ベーコンパッチを貼ってベーコンを我慢する」
という方向に走りました。
「禁煙」ではなく「禁ベーコン」です。

ベーコンパッチは、こするとベーコンの匂いがします。
ベーコンを食べたくなったときにこのパッチをこすり、匂いを嗅ぎ、ベーコンを我慢するのです。

しかしそこまでストイックに自分と戦える人は、限られています。
多くの人は
「豚の命を奪わなくても食べられる、ベーコンそっくりの植物性食品」
を自分で作る、そういう商品を買う、といった方向に走っています。

自分で作る:豆腐のスライスやココナッツフレークなどにリキッドスモークでベーコン風味をつけ、焼くなり揚げるなりしています。

商品を買う:たとえば、

  • シアトルにあるベーコン専門会社が、「ベーコネーズ」という、植物性の材料で作られた、ベーコンの香りがプンプンする「マヨネーズもどき」を出しています。

  • バーモント州にあるカフェが「ナスで作ったベーコン」を商品化して販売していました(過去形にしたのは、現在も売られているか未確認だからです)。

  • ケロッグの子会社が「モーニングスター」というブランドで、植物性ベーコンを販売しています。

余談ですが、
焼くとベーコンの香りがする昆布
をご存じでしょうか。
「太平洋ダルス」という名前の、赤い半透明の昆布です。

もともとは養殖アワビのエサにするために、アメリカはオレゴン州の大学で研究されていました。
ところがあるとき、研究員の1人が太平洋ダルスを焼くことを思いつきました。
焼いてみたところ、ベーコン風味が出ることを発見。

日本人は日常的に昆布やワカメを食べますが、多くのアメリカ人はそうではありません。
そもそも食用だとは思っていません。
海の「雑草」だと思っています。
それゆえ、いくらベーコン風味があるからといって、太平洋ダルスがアメリカで食用として広がるかどうかは未知数です。
オレゴン州の一部のレストランでは、食材や調味料に使われているらしいですが。

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