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早食いするやつら、噛まないやつらを「食育テック」でどうにかできるか?

「よく噛み、ゆっくり食え」言うのは簡単だが。

食べるのが早い人は、噛む回数が少ない。
よく噛まないから消化不良や食べ過ぎ、ひいては肥満を招く。
だからよく噛んで、ゆっくり食べよう。

食育の講座などでよく言われることです。

このテの話は、

  • 塩分を控えよう

  • 糖分を控えよう

  • 感謝して食べよう

などと同じで、耳にタコができるほどあちこちで聞くし、正しいとは思います。

「正しいとは思うけれども、あまり実践できていない」
おおかたの現代人は、そういう状態なのではないでしょうか。
「わかっているけど実行できない」もあるでしょうし、「そもそも食事のときに、咀嚼など意識していない」もあるでしょう。

咀嚼のウンチクを少々

それはともかく、咀嚼について少しウンチクを書いておきます。

今世紀に入って行われた研究では、
「よく噛むことでカロリー摂取が12%ダウンする」
という結果が出ているそうです。

「よく噛んで食べる」ことをダイエット法として最初に提唱したのは、「偉大な咀嚼者」という異名を持つ、ホレイス・フレッチャーなる人物だとされています。
いまから100年前、20世紀初頭のこと。

このフレッチャー氏は現代風にいえば「食育オタク」のような人物だったようです。
しかし、彼の唱える方法は、少々特殊なものでした。
というのは、口に入れた料理を何度も丁寧に噛むところまでは理解できるのだが、その後が奇妙。
よく噛み栄養分をすべて吸収した後、残りは飲みこまずに吐き出す、というものだったからです。
まるでチューインガムのように。

そんな特殊な内容でしたが、フレッチャー氏のこのダイエット法(フレッチャーイズム)は、そこそこ人気があったといいます。
作家のフランツ・カフカなどが、フレッチャーイズムを取り入れたとされています。

食育テック

早食い防止・咀嚼推進テック

前述したように、「健康のためによく噛み、ゆっくり食べよう」は、耳にタコができるほどよく聞くし、反論する人もいないでしょう。
けれど、「理屈のうえでは正しいと思うけれども、あまり実践できていない」がおおかたの実情です。

そこで、
意志の力を借りなくても、「よく噛み、ゆっくり食べる」に自然と意識が向くような仕掛けやガジェット
がほしいところです。

実際、そういうものが開発されています。

SPLENDID PROJECT

EUが資金を拠出して行われている「SPLENDID PROJECT」という大規模な食育プロジェクトがあります。
高校生以上の若者を対象に、

* 肥満予防
* 食の乱れの解消

をテーマとした活動を展開しています。
このプロジェクトの一環で、以下のような「早食い防止・咀嚼推進ガジェット」が開発されています。

  • 咀嚼センサー:人が食事中によく噛んで食べているか、それともあまり噛まずに飲みこんでいるかを測定する装置。

  • 食事スピードセンサー:皿に載せた料理の重さがどのようなスピードで減るか=どのようなスピードで食べているか、を測定する装置。

これら咀嚼センサーや食事スピードセンサーは、スウェーデンやオランダの高校に導入されているそうです。

ハピフォーク

民間の企業が開発した「早食い防止グッズ」もあります。
たとえば、香港の企業が開発した「ハピフォーク」。
スマホなどと連動し、食べるスピードを監視するフォークです。
食べるスピードが速すぎると、LEDの点滅やバイブレーションで警告を伝えてくれます。

まとめ

近年はやりの「フードテック」。
フードテックといえば、

  • 冷蔵庫の中身に応じた料理レシピを提案するAI

  • その日の体調に応じた料理レシピを提案するAI

  • 本物の肉そっくりに作られた代替肉

といったものを連想することが多いでしょう。

しかし、今回とりあげた

  • 咀嚼センサー

  • 食事スピードセンサー

  • ハピフォーク

なども、立派なフードテックです。
「食育テック」と呼んでもよいかもしれません。



食育フードテック検定

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