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台湾Youbikeの旅

3泊4日の台湾の旅から帰ってきました。
今回の主目的は、食べ歩きと食材の調達。日頃は日本で手に入る情報や食材で、工夫しながら作っている台湾料理ですが、定期的に本場の味を確認しないとね、というのがテーマでした。
そこでの収穫、美味しいお店情報も引き続きアップしていきますが、今日は今回の旅の一番のツールとなった「youbike」について。

ネットで「台湾 Youbike」と検索すると、日本語情報も沢山出てきますし、旅行で行かれて、街のあちこちに黄色とオレンジの自転車が並んでいるのを目にされた方も多いのではないかと思います。
所謂レンタルサイクルなのですが、これが非常によくできたシステムで、すっかり大好きになってしまいました。大好きで乗りすぎて、最後には歩く自分に違和感を感じてしまうほど……
台北市内はもともとMRTも発達し、旅行客でも移動はし易い街ですが、今回Youbikeがあったお陰で、いつもの3倍くらいの密度で街を楽しめた気がします。台中にも行きましたが、こちらは元々バスしかないので、より一層便利。
台北、台中共に平地なのもあり、最高に楽しむことができました。

Youbikeの優れたところは大きく3つ。
1)「インフラとしての使い勝手がとても良い」
2)「連動するアプリが素晴らしい」
3)「自転車がとても乗りやすい」

1)「インフラとしての使い勝手がとても良い」

利用にあたっての登録は、旅行客でも簡単に、ステーションに設置されているKioskで完了することができます。
必要なのは、パスポート番号、悠遊カード(easy card =台湾の主な交通機関等で使えるプリペイド式カード。これも駅ですぐ購入,チャージできます)、台湾の携帯番号。この3つがあれば、メンバー登録できます。

携帯がない場合は、クレジットカードを使って、その都度借りることもできるようです。→
一度会員登録すれば、借りるのは簡単。悠遊カードをタッチするだけで、借りるのも返すのも完了です。

そして、肝心のレンタルステーションですが、とってもたくさんあります。例えば台北市内、隣接する新北市あたりだとこれくらい。

土地勘のない方でも、これはすごい数だなぁとお分かりいただけるのではないでしょうか。
主なMRT(地下鉄のようなもの)の駅前にはほぼありますし、それ以外にも適所適所にステーションがあります。どこで借りてどこで返してもOK。
もちろん、自転車にも鍵はついているので、普通にお店の前などに停めて買い物、という使い方もできます。

レンタル料金は、30分10元(35円〜くらい)が基本。自治体によりますが、最初の30分は安く借りられる設定のところもありますので、うまく借りて返せば費用を抑えることもできますね。ただし、同じステーションでは15分以上時間が空かないと続けて借りることができませんので、延々と最安料金で乗り継ぎ続けるのはちょっとむずかしいと思います。(面倒くさいだけですね)

台北・新北市以外だと、台中、桃園、彰化が現在のYoubikeエリアです。台南や台東などにはまだありません。

ちなみに、私が初めて返す時、エラーが出てカードにうまく課金されないというトラブルがありました。ホテルに戻ってアプリ(次の説明参照)をチェックすると、「失敗」の表示。どうしよう!と焦りましたが、心配無用。次回借りる時、あるいは、借りずともステーションに行って、開いている駐輪スペースのカードタッチ部分にピッとすれば、精算してもらえます。自転車さえ返してあれば、延長で課金されるといった心配もなさそうです。

2)「連動するアプリが素晴らしい」

このYoubikeのスマホアプリがあるのですが、これがまた、痒いところに手が届きます。
上のステーションマップは、PCサイトからのスクリーンショットですが、スマホからも同じように地図検索ができ、ステーションの場所×自分の居場所が同時にわかります。つまり、観光で訪れて、イマイチ自分の居場所がわからない、という時にも大いに役に立つのです。近くにステーションないかなぁ?という疑問も即解決。

上の地図のステーションの位置を示すスマイルマーク、殆ど緑ですが、他にオレンジ、赤、グレーがあるの、わかりますか?
オレンジは「借りれる自転車がないよ(全部出払ってるよ)」
赤は「返せる場所がないよ」
グレーは「ステーション閉鎖中」
のサインです。
近くで借りたいけど、どうも空車っぽいなぁと思ったら、わざわざ行かずとも別の近くの場所を、返すときにも同じように、予め確認してから移動することが可能。ほぼリアルタイム更新です。(さすがに、目の前で最後の一台が借りられてしまった時はどうしようもなかったですが)

これ以外にも、会員登録していれば、自分が借りた記録(時間、場所、金額)が残ったり、ステーションでの忘れ物情報がチェックできたり。
とても便利なアプリでした。

3)「自転車がとても乗りやすい」

台湾にはGIANTという世界的に有名な自転車メーカーがありますが、このyoubikeの自転車はすべてGIANT製。
そのせいもあってか、とってもとっても乗り心地が良いです。
かご付きの、所謂ママチャリ型であるにもかかわらず、漕いだ力が無駄なくダイレクトに車輪に伝わる感覚。1日中乗っていたので、さすがにお尻は痛くなりましたが、腰も肩も足も、特に疲れを感じることなく快適に走ることができました。
自転車には詳しくないのですが、良い自転車って、こういうのを言うのでしょうか。自転車そのものにも興味がわきます。
公式ページにも自転車についての説明が→

たくさんの人が乗る自転車ですので、メンテナンスも必須ですが、定期的に行われているようで、故障してどうしようもないという自転車に出会うこともなかったです。
自分が乗っていて壊れたときにはアプリから連絡するシステムがあったり、ステーションでサドルが逆向きになっている自転車は故障中ですよ、というルールがあったり、どうしても発生する不具合に対しても、最良の対応ができるようになってるようです。
念のためのコツとしては、借りる前に、タイヤを軽く蹴飛ばしてみる(パンクの確認)、サドルのがたつきチェック、3段変速の切り替えがスムーズにいくかの確認、あたりを心がけるとより安心かと思います。

恐らく…ですが、公的機関が運営しているYoubikeとはいえ、世界の自転車メーカーだと自負するGIANTがしっかり組んでいることが、この快適なシステムにつながっているのではないかなという気がします。
近年MIT(Made in Taiwan、自分たちの国のモノ、文化に誇りを持とうという)意識が高まる一方の台湾、そういったプライドや誇りが後ろ支えとなっているのだろうなと思いました。

最後に、不慣れな外国で安全にYoubikeを楽しむための、私なりのポイントを記しておきたいと思います。

・右側通行です
日本と逆です。
台北市内の、大きな通りだと、広い歩道内に自転車レーンが引かれていますので、安心です。ただし、それ以外の道路だとやはり車道を走ることになります。逆走は危険ですので、右側通行を徹底するようにしてください。

・右折車に注意
これは日本でも変わりませんが、後輪に巻き込まれることのないように。

・バイクの動きから学ぶ
台湾はバイク天国、車と平行してバイクがたくさん走っているのが当たり前なので、自転車も案外車道を走りやすいです。車が、二輪車が並走することを想定した車間距離を取る習慣があるからだと思います。
車道を走るときは、バイクの動き、交通ルールを参考にするとスムーズです。
即ち、上にも書いた右側通行の遵守、二段階左折。
特に日本の感覚でいると、自転車で二段階左折(日本の場合は右折ですが)という考えが浮かびにくいですが、これは結構安全のポイントだと感じたので、参考にしてください。
元々バイクに乗る人が多いせいか、現地の人は、自転車に乗りながらもバイクと同じ流れにのって運転している印象です。無理をするのは厳禁ですが、思い切って流れに乗るのも安全の鍵になることがあります。
自分の力、判断力、状況等を総合的に見て、流れに乗る、或いは無理をせずゆっくり動く、時には敢えて歩道に逃げる、と柔軟に対処してください。

・角からは必ず何かが飛び出してくると心得る
大きな四つ角はもちろん、小さな路地でも。人、バイク、車、なんでも出てくると心得てください。自動車が歩行者や自転車に配慮するといった感覚は、日本に比べると薄いと思います。
路駐もし放題の台湾です。見通しが悪い箇所もあります。
こちらはあくまで生身の人間、充分に注意してください。

注意は必要ですが、旅が何倍も楽しくなること間違いなしです。
旅行に行かれる方はぜひトライしてみてくださいね!


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