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台風の日

日本列島を覆うような大きな台風がやってきた日。

調理室のある大阪は、1年前に大きな台風を経験していて、その記憶があるから、無理せず備えよう、という気持ちと、今回の進路からして、あそこまで大きな影響は出ないだろうという、変に腹の据わった気持ちと。

レッスンのある日だったので、中止にするかどうか、随分迷ったのですが、キャンセル可の案内もしつつ、開講することにしました。

お店を経営する親しい人にたずねてみたり、近所のお店のSNSをチェックしてみたりしたけど、対応は様々。
結果的にはギリギリにクローズを決めたお店が多かったのですが、なぜか親しい人たちに限って営業していたりして、これって、リスク管理というよりも性格だなあと、思う。

もちろん、直撃コースだとか、万が一被害が出たときの損害が大きすぎる場合は、慎重に行動するのが一番。今は天気予報もかなり正確だし、現場の最新情報だって簡単に手に入るのだ。それを無視するのはナンセンスにすぎる。
だけど、今回みたいに「微妙に大丈夫(あるいは危険)」といった場合に、どう出るかは、本当に性格次第だ。
正しいとか、間違っているとかではないのでしょう。

きっと人類って、こうやって生き延びてきたんだろうなあ、なんて思う。全員が同じ判断をしていたら、全員無事か絶滅かの二択になってしまう。全員無事だったらそのほうがいいじゃない、と言われればそうなんだけど、それは結果から見た場合であって、未来予測ということでいえば、分散しているのが一番確実に生きのびる道、一方向に偏るほど危ないことはないわけです。
微妙なところで、みんながバラバラの判断をする。
そのことで、損害は最小限に、切り抜けた側は、新たな知恵を身に着けて発展してきたんだな。

「多様性」ってよく言われるけど、今日はまさに多様性を感じた日。
どんな選択をしたとしても、被害なくやり過ごせたことを喜ぼう。

自然災害の前には、人間の小ささを感じるしかないのだけど、それでも私たちは、乗り越えてここまで来たんだということに心を寄せながら。
被害に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げます。一日も早く、ゆっくり安心できる状況になりますように。

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