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はなうた食堂ごはん日記

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はなうた食堂(大阪・中崎町のコモンカフェにて毎週金曜日営業)の、主に料理に関するノート。
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#台湾

湯(スープ)を考える。

台湾の湯(スープ)がとても好きです。薄味だけどしみじみ美味しいスープ。滞在中体調が崩れそうになったとき、何度助けられたかわかりません。

食事にスープというのは、とても大切な存在らしく、食堂などで頼まずにいると、必ず「湯呢!?(スープは!?)」と聞かれるほど。食事中にお茶を飲む習慣のない国(もっとも、持ち込んだドリンク類を飲みながら食べる人も多いのですが)ですから、スープが水分補給の役割を果たして

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電鍋料理/キャベツご飯と里芋そぼろ

電鍋料理/キャベツご飯と里芋そぼろ

台湾ではおなじみの電鍋。日本でもかつてはほぼ同じものが使われていたようですが、ごく初期の電気炊飯器といえるものです。
今の炊飯器とは違って、内鍋の外(…変な表現ですね…)に水を入れて電熱を加え、やがて水分がすっかり蒸発=外鍋の温度が一定基準を超えることを利用して自動的にスイッチが切れる、という仕組みになっています。

とても単純な仕組みの調理器具ですが、単純であるがゆえに応用範囲が広い。また、調理

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鶏肉と大根の台湾風スープ煮(2017/1/6)

あけましておめでとうございます。
久しぶりの更新となりました。

新年のはなうた食堂@コモンカフェは6日からスタートしました。さすがにまだのんびりの1日。
この日のメインは、はなうた食堂の定番ともいえる滷味、台湾の香りのスープ煮。滷包という漢方スパイスの入ったパックと共に具材を煮込むお料理です。
滷というのは「煮込み」くらいの意味みたいですが、滷味と言えば、だいたい五香粉と似た感じのブレンドスパイ

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茹で豚の金柑ソース(2016/7/22)

以前にも作っていますが、この日は「茹で豚金柑ソース」がメインでした。
直前に参加した、客家美食文化饗宴というイベント(西中島南方の「一路發(イロハ)」さんにて開催)で改めてこのお料理を頂いて、やっぱり美味しいなぁ!と思ったのです。

ちなみに、客家(はっか)とは、中国大陸にルーツを持つ民族グループの一つで、歴史的に移動と定住を繰り返してきた人たちのこと。常に「よそ者」であることから「客家」と呼ばれ

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三杯鶏(2016/7/20)



三杯鶏(サンベイジー)という、台湾でもポピュラーなおかずをメインにしました。ごま油、酒、醤油を各1杯ずつ入れるから三杯鶏、なんだそうです。そのままの比率だと、結構濃い味になってしまうので、少しアレンジしています。仕上げに九層塔というタイワンバジルで香りを出すのですが、タイワンバジルは日本では手に入りにくいので、スイートバジルで。

甘辛くて香りが良くて、ご飯にとても合うおかずです。

スープは

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豚ひき肉の蓮の葉蒸し(2016/6/24)



あいにくの大雨の日でした。
足を運んでくださった皆様、ありがとうございました。

メインは、香りの良い蓮の葉で、下味をつけた豚ひき肉を包み、蒸しあげました。中心部には、ゆでたまごと鹹蛋。鹹蛋というのは、卵の塩漬け。生の卵を、とても濃い塩水に数ヶ月漬け込む、保存食です。
特に白身部分は塩気が強いので、どちらかというと調味料的に使いますが、黄身だけを取り出して月餅の餡の中に入れたりもします。

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腐乳炸魴魚(2016/6/17)



この日のメインは腐乳炸魴魚、イサキの腐乳風味唐揚げでした。
腐乳というのは、豆腐乳とも言いますが、豆腐を塩漬け〜発酵させた調味料で、沖縄の豆腐ようの親戚みたいなものです。豆腐ようは泡盛に漬けるので、独特の風味が強いですが、腐乳は一般的にはごま油や麹に漬けて保存されていて、個人的にはこちらのほうが親しみやすく感じます。

とはいえ、やはり癖の強い食品なので、そのまま食べるとなると、好き嫌いは別れ

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地三鮮(2016/5/27)



この日のランチは、台湾を少し離れて中国東北料理の「地三鮮」、茄子、ピーマン、ジャガイモのオイスターソース炒めがメインでした。油通ししたナス科の三種類の野菜を炒めただけのこの料理、シンプルなのにとても美味しくて大好きなのです。じゃがいもが入るので、ボリューム感もしっかり。
ポイントは、三種類の野菜の柔らかさをなるべく同じに仕上げること、でしょうか。トロリとした口当たりを作るのに、油が欠かせない、

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茹で豚の金柑ネギソース(2016/4/8)



4/8のランチは、気温も一気に上がってきたので、全体にあっさりとやさしい味でまとめました。

メインは、先週に引き続き金柑ソースをつかった一品。
ネギソースと合わせて、シンプルな茹で豚に添えました。
バラ肉を使った茹で豚は、とても柔らかく仕上がりました。春キャベツもたっぷり合わせて、お肉の柔らかさとキャベツの甘み、金柑の爽やかな香りを楽しんでいただけていたら、嬉しいです。ただ、脂身の多さは好き

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金柑ソースの油淋鶏(2016/4/1)



4/1(金)ランチのメインは、金柑ソースの油淋鶏でした。
金柑ソース。台湾では客家桔醬とか金桔醬とかいう名前で使われています。
その名前のとおり、金柑をソース上にしたものなのですが、唐辛子や塩が入っています。甘いんだけどピリっとしていて、もちろん金柑の華やかな香りが印象的なタレです。

私がこのソースを知ったのは数年前、帰国直前の台湾の空港で売っていたのを入手したのがきっかけでした。それまでに

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鰤の五香粉揚げ(2016/3/25)



2016/3/25のはなうた食堂inコモンカフェのランチセット。

メインは、鰤の五香粉揚げ。下味に五香粉を効かせて唐揚げにした後、少しだけ酢を加えたタレをかけて、マリネや南蛮漬けのようなイメージもプラスしました。上に乗っているのは、新玉ねぎとセリ。しっかりめの味と香りの鰤に、やわらかな新玉ねぎと、やはり個性的な香りのセリの組み合わせは、とてもうまくいきました。
台湾料理を出していると、どうし

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